2023.12.25
部下がやる気をなくす人事評価4つの原因を解説!やる気を高める方法や対策とは?
「人事評価で部下がやる気をなくす原因を理解したい」「公平な評価方法を知りたい」と考えている経営者・人事担当者の方も多いのではないでしょうか。適切な人事評価を採用することにより、社員のモチベーションが向上する可能性があります。
本記事では、最初に人事評価で部下がやる気をなくす主な原因を解説します。その後に部下がやる気をなくすのを防ぐ対策、人事評価の種類と方法、タレントマネジメントシステムの活用について説明するので参考にしてください。
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目次
人事評価で部下がやる気をなくす主な原因とは?
人事評価で部下がやる気をなくす主な原因には以下の4つがあります。
- 評価制度に納得できない
- 評価方法に不満がある
- 評価のフィードバックに納得できない
- 評価者である上司に不信感がある
それぞれ解説していきます。
評価制度に納得できない
評価基準が曖昧で評価の理由や根拠が不明瞭な場合、部下がやる気をなくす可能性があります。部下自身の評価と上司からの評価にギャップが発生しやすいからです。その場合、部下は「どのような基準で評価されているのか分からない」と納得できず、モチベーションが低下するでしょう。
ほかにも、上司との面談回数が少ないため評価のフィードバックを得られなかったり、給与明細でしか評価を把握できなかったりという場合、部下はやる気をなくす可能性があります。評価結果の説明が十分ではないため、部下は「どうすれば社内で評価されるのだろう」と戸惑う可能性があるからです。
対策として、明確な人事評価制度を整備するだけでなく、面談回数を増やして積極的に評価の基準を伝えるといった努力が必要になります。
評価方法に不満がある
努力が評価されないと部下はやる気をなくしてしまうでしょう。その原因として考えられるのは、評価項目と努力の不一致です。対策として、上司と部下による評価基準の共有が大切になります。
また、数値のような目に見える結果しか評価されないことも部下がやる気をなくす原因です。評価対象となる業務は、結果に至る過程で試行錯誤や努力を重ねていることもあれば、複数回の交渉や調整のように難易度が高いケースもあります。そのようなケースで結果だけが評価されると不当な評価をされたと考え、部下のやる気を損なうおそれがあります。たとえ結果を重視する場合でも、上司は部下の業務過程に一定の理解を示すことが大切です。
また、ほかの社員と比較して評価が低い場合も部下がやる気を失いかねません。特に相対的な評価システムを採用している場合、社員間で評価に差がつきやすいため「周囲よりも評価が低かった」と落ち込む部下もいるでしょう。相対的な評価システムとは、社員同士を比較したうえで、序列をつけて評価する方法です。たとえば、営業成績の上位10%までをA評価、11〜20%をB評価と区分けした場合、A評価とB評価では差が生まれることになります。
評価結果に落ち込んでしまった部下への対策として、上司から部下に対する明るく前向きな声がけや、フォローが重要です。
評価のフィードバックに納得できない
人事評価のフィードバックには、上司と部下で目標達成の状況を共有するだけでなく、部下のスキルを評価して成長につなげるという目的があります。
適切なフィードバックを行うには、上司が人事評価の結果を部下に伝えた後「なぜ今回の結果に至ったのか」という原因と「今後どうすればよいのか」という改善策を伝えることが大切です。それにより、部下は評価に納得しやすくなるでしょう。
また、正しいフィードバックを行うための対策として、部下の成長度合いを具体的に伝えることも重要です。結果的に部下のモチベーションアップが期待できます。
評価者である上司に不信感がある
評価者である上司に不信感があると部下はやる気を失います。その原因として、上司の主観・先入観による評価や、一部の社員だけを高く評価するといった差別などが挙げられます。評価者がひとりしかいないという制度自体の問題や、評価者のスキル不足に関しても同様です。
上司への不信感が強い場合、部下は上司を信頼できないため、円滑な人間関係を構築できないというリスクがあります。特に新規入社や人材配置によって新たな部下が増えている場合、上司は注意しなければなりません。
信頼関係が築けていない場合の対策として、まずは声がけなどの日常的なコミュニケーションを行う必要があるでしょう。
人事評価で部下がやる気をなくすのを防ぐための対策
人事評価で部下がやる気をなくすのを防止する主な対策は下記のとおりです。
【防止策5つ】
- 人事評価制度の見直しを行う
- 評価基準の明確化を行う
- 適材適所に人材を配属する
- フィードバックを適切に行う
- コミュニケーションの活性化につながる環境を作る
それぞれ解説していきます。
人事評価制度の見直しを行う
人事評価によってやる気を失う部下が多い場合、現在の人事評価制度を見直す必要があります。具体的な見直し方として、まずは問題点を洗い出しましょう。その後にさまざまな評価制度の中から自社に合ったものを選ぶことが大切です。部下が納得感を得やすい公平な評価制度を選ぶこともポイントになります。
また、場合によっては報酬制度の見直しが必要になるかもしれません。その場合は人事評価とのバランスを考慮しつつ、部下の貢献度合いという観点から見直しを行います。
評価基準の明確化を行う
評価を行う上司がまず意識すべきこととして、部下の育成への責任、評価に対する影響力などが挙げられます。その後に明確な評価基準を作り、社内で情報共有することが大切です。
評価基準を明確にすることにより、部下が結果に対する評価を推測しやすくなるため、評価に対する納得感を得やすくなるでしょう。
適材適所に人材を配属する
適材適所の人材配置を行うべき理由として、部下のやる気の向上が挙げられます。人事評価によって部下の意欲が落ちている場合、そもそも適性に合っていない部門・部署に配属されているケースが少なくありません。部下のスキルや経歴を考慮しつつ、適材適所の配属を行うことにより、部下のモチベーション向上が期待できるでしょう。
ほかにも、適材適所の人材配置によって、生産性の向上、人件費の削減、離職防止、人材育成などの効果が期待できます。
具体的な人材配置の方法としては、最初に部下のスキルや適性を把握し、面談を通して希望を把握します。人材配置を行った後も定期的な効果測定が大切です。
フィードバックを適切に行う
上司が適切なフィードバックを行うことで部下は人事評価に納得できます。その結果、上司と部下の信頼関係も深くなるでしょう。
適切なフィードバックのポイントとして、部下の気づきが挙げられます。上司からのフィードバックにより、部下自身が課題を把握できるかどうかが大切です。その結果、部下は目標達成に向けた行動を選択しやすくなり、モチベーションの向上も期待できます。
課題改善に必要なフィードバック方法として、ポジティブフィードバックとネガティブフィードバックがあります。ポジティブフィードバックとは、相手のよい部分にフォーカスするフィードバックのことです。一方のネガティブフィードバックとは、相手の問題点にフォーカスするフィードバックです。
よい部分を伝えるポジティブフィードバックを基本的に行い、問題点の改善にネガティブフィードバックが必要な場合は、ポジティブフィードバックとともに伝えるとよいでしょう。
コミュニケーションの活性化につながる環境を作る
上司は部下が納得できるように評価できる部分と評価できない部分を伝える必要があります。そのため人事評価は上司と部下のコミュニケーションが大切です。
具体的な社内コミュニケーションの方法として、社内イベント、コミュニケーションツールの活用、ミーティングスペースの確保などが挙げられます。社内イベントとは、歓送迎会や忘年会、スポーツイベントなどのことです。コミュニケーションツールにはチャットツールや社内SNSなどがあり、ミーティングスペースとは気軽にミーティングができるスペースを指します。
コミュニケーションの活性化につながる社内環境によって信頼関係を築けば、上司は部下に具体的な成果や今後の方針を伝えやすくなるでしょう。部下も上司の評価に納得しやすいため、積極的に行動することが期待できます。
部下のやる気を高める人事評価の種類と方法
部下のやる気を高める人事評価の種類と方法には以下があります。
- MBO評価
- コンピテンシー評価
- 360度評価
- バリュー評価
- OKR(目標と成果指標)
それぞれ解説するので参考にしてください。
MBO評価
MBO評価(目標管理制度)とは、社員が自主的に目標を設定する制度です。目標内容は企業が掲げる目標と関連しているのが一般的です。
MBO評価の方法として、社員は自身のレベルに適した具体的な目標を立てます。達成可能でありながら、やや高めの目標設定がポイントです。その後、社員は目標達成に向けて取り組み、上司が達成率を評価します。
MBO評価で得られる効果として、社員は自主的に目標を立てて行動するので、主体性が身に付くことが挙げられます。目標達成の過程でスキルや知識も得られるでしょう。また、社員の個人目標は企業の目標と関連しているため、社員は自社への貢献を実感しやすいというメリットもあります。
コンピテンシー評価
コンピテンシー評価は実績を挙げている社員の特性を参考にし、評価項目を設定する手法です。コンピテンシーとは、仕事で高いパフォーマンスを上げる社員に共通した行動特性を指します。具体的な行動ではなく、動機、性格、価値観などの特性に焦点を当てた方法です。
コンピテンシー評価の方法として、まずはコンピテンシー評価を行う部門・ポジションを選定した後、コンピテンシーモデルの枠組みを決定します。次に評価項目の設定、ハイパフォーマー(成果を上げている社員)の分析、評価シートの作成などを行った後、実際にコンピテンシー評価を導入して運用結果を分析します。
コンピテンシー評価を通じて、具体的な成果に寄与する行動が明確になるため、社員のモチベーション向上につながります。また、評価項目の具体性が高く、上司の主観に左右されづらい手法なので社員は公平さを感じやすいというメリットがあります。
360度評価
360度評価とは、上司だけでなく、同僚や部下など多方面からの評価を取り入れる方法です。異なる立場の人から評価を受けることにより、客観的な評価を得られる可能性が高くなります。
問題解決力、目標達成力、コミュニケーションスキルなどの評価項目を設定し、さまざまな人々が5段階評価することが360度評価の一般的な方法です。その後に集まった評価の平均値を対象者の得点とし、上司はその得点をフィードバックします。
360度評価は上司の主観に左右されづらいため、公正な評価につながります。社員に結果をフィードバックすることにより、業務に対する気づきや行動を促せるため、人材育成の効果も期待できます。
バリュー評価
バリュー評価とは、企業の価値観(バリュー)に基づいて行動規範を設定し、社員が「どのくらい実践できたのか」を評価する制度です。仕事の成果に限らず、社員の姿勢や価値観をもとにした業務への取り組み方も評価します。
バリュー評価の一般的な方法として、バリューの設定、評価項目の設定、評価の数値化、フィードバック方法の設定というプロセスを辿ります。
バリュー評価により、企業の価値観や自社が求める人物像を社内に浸透させる効果が期待できます。また、バリューに基づいた行動が重視されるため、社員の意識向上や企業の成長が見込めるという点もメリットです。
OKR(目標と成果指標)
OKR(Objectives and Key Results)とは、企業が挑戦的な目標を掲げて可視化し、達成に至る具体的な成果指標を設定する制度です。
OKRの方法として、最初に企業全体の目標を定めた後、各社員の目標へ落とし込みます。具体的には、OKRのルール設定、企業全体の目標設定、企業全体の結果の設定、個人とチームの主要な結果の設定、目標の追跡、プロセスの改善という流れで進みます。
OKRの導入により期待できる効果は、企業の方針と各社員の活動が一致することで一体感が生まれることです。コミュニケーションの活性化、スムーズな連携、モチベーションの向上というメリットもあります。
タレントマネジメントシステムの活用で適切な人事評価の実現が可能
タレントマネジメントシステムの効果的な活用により、前述した「社員のやる気を高める人事評価の種類」をスムーズに導入できます。
タレントマネジメントとは、社員の能力・才能・資質(タレント)を統合的に管理するとともに、最大限にスキルを発揮するための人材配置や育成を行う制度です。企業の経営目標を実現するためにも効果的なシステムと考えられています。
タレントマネジメントの導入は人事評価や人材配置、採用・育成、人事管理の一元化、公平な評価、組織力の向上につながるため、適切な人事評価の実現が期待できるでしょう。
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人事評価制度に納得できない場合、部下がやる気をなくす可能性があります。ほかにも、評価方法やフィードバック方法への不満、評価者である上司への不信感によってモチベーションは低下しやすくなります。
部下のやる気低下を防止する主な対策として、人事評価制度の見直し、評価基準の明確化、適材適所の人材配属、適切なフィードバックと環境作りが大切です。
具体的にやる気を高める人事評価の種類には、MBO評価、コンピテンシー評価、360度評価、バリュー評価、OKR(目標と成果指標)があります。
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