2022.3.22
MBOとOKR|それぞれの意味と違いを比較
MBOとOKRは、どちらも目標設定のフレームワークです。MBOとOKRが似ていると感じる理由は、どちらも会社の目標と個人の目標を連動させて評価する仕組みとなっているからです。とはいえ、MBOとOKRは別物です。それぞれの違いを理解した上で自社の目的に応じて導入すると、より効果的に活用できます。そこでこの記事では、MBOとOKRの概要や違いについて紹介します。
サイダス社が提供する「CYDAS」は、「働きがい」を生み出すメカニズムが詰まったタレントマネジメントシステムです。人材情報を一元化し、目標管理や1on1、フィードバック機能など、さまざまな機能を組み合わせてサイクルを回すことで、一人ひとりのワークエンゲージメントを高め、組織を強くします。
MBOとは
MBOは、「目標管理制度」「目標による管理」とも呼ばれ、従業員と組織の目標を連携させて、業績アップにつなげていく点が特徴です。Management By Objectivesの頭文字をとっており、ピーター・ドラッカーが提唱したマネジメント手法として知られています。日本でMBOが活用されるようになったのは、バブル崩壊後です。
MBOを利用するメリット
MBOを利用するメリットは、大きく3つあります。
1つ目は、従業員のモチベーション向上につながることです。MBOで定められる目標は、組織の目標と関連付いています。そのため、目標を達成することで組織への貢献が可能です。また組織への貢献が可能なことから、従業員のモチベーションを高めることにつながるでしょう。
2つ目のメリットは、従業員の能力向上や自主性が期待できることです。MBOでは、従業員自身が課題意識を持って目標を設定するため、目標達成に向けて行動しやすい傾向にあります。そのため、従業員の能力が向上することが期待できるでしょう。また、目標を自分事として捉えやすく、自主的に行動を起こしやすい点もメリットです。
3つ目のメリットは、人事評価がしやすくなることです。MBOでは、評価基準が客観的に判断しやすい数値目標になります。評価が客観的に把握しやすいことから、評価自体の客観性が高く、従業員も評価に納得しやすいでしょう。
なお、MBOの詳細については以下の記事で詳しく解説しています。
OKRとは
OKRは、Objectives and Key Resultsの略で、「目標と主要な成果」と直訳できます。OKRはアメリカのインテル社で生まれ、多くのシリコンバレー企業で導入された手法です。OKRでは、月に1度などの短期間で目標を設定して追跡し、評価します。組織としての目標設定をチームへ、そしてチームから個人単位にまで落とし込み、最終的に企業の目標達成を実現するのが特徴です。目標(O)とゴール(KR)の設定が重要になります。
OKRのメリット
OKRのメリットについて2つ紹介します。
1つ目は、大胆な目標設定が可能である点です。OKRで目標を設定する際には、達成率を約60〜70%ほどに設定する場合が多くあります。100%を目指すわけではないので、大胆な目標を設定可能です。仮に目標が高すぎたと感じた場合でも、目標の評価や再設定を高頻度で行えるのがOKRならではのメリットです。
2つ目のメリットは、従業員の帰属意識を高められる点です。OKRでは目標を全社で共有するため、企業内で貢献できる実感がわきます。短期間の目標設定が可能なため、目標を自分ごととして捉えやすく、意識もしやすくなります。
なお、OKRの詳細については以下の記事で詳しく解説しています。
補足:KPIとは
KPIとは、Key Performance Indicatorを略したもので、直訳すると「重要業績評価指数」という意味になります。KPIは目標達成のための1つの指標です。数字など定量的な目標を設定することで、目標の達成度や進捗が振り返りやすくなります。KPIにはKGIの中間指標としての役割もあるのが特徴です。
KPIのメリット
KPIのメリットを2つ紹介します。
1つ目は、目標達成までの過程がわかりやすいということです。目標自体が数値など定量的なものになっているため、何をどれくらい達成すればよいかがわかりやすくなります。
2つ目のメリットは今するべき行動がわかりやすい点です。定量化された目標であることから、ゴールからの今するべきことの逆算がしやすくなります。そのため、PDCAがまわしやすいでしょう。
なお、KPIについては以下の記事で詳しく紹介しているので、参考にしてください。
MBOとOKRの違い
MBOとOKRは似ているようで異なる考え方です。主な違いについて、「目的」「サイクル期間と評価の頻度」「目標の共有範囲」「測定基準」「定性的・定量的」「目標達成の基準」の6つの軸をもとに解説します。MBOとOKRの違いを比べながら、自社の目的にあうものを導入する際の参考にしてください。
MBOとOKRの考え方の違いをまとめた表は以下の通りです。それぞれ詳しく解説します。
MBO | OKR | |
目的 | ・業務管理 ・生産性向上 ・人事評価の活用 ・個人目標の意味合いが強い | ・会社と従業員の意思統一 ・生産性・創造性向上 ・モチベーションアップ ・組織全体の目標達成 |
サイクル期間と評価の頻度 | 1年 or 半年ごと | 毎月 or 四半期ごと |
目標の共有範囲 | 個人と上司 | 組織全体 |
測定基準 | 統一した測定基準がない | SMARTの法則などのフレームワークを活用 |
定性的・定量的 | 目標達成に向けた明確なルールなし | 定性目標と定量目標を組み合わせる |
目標達成の基準 | 100%の達成を目指す (必ず達成できる目標を設定) | 60〜70%の達成度を目指す (難易度が高い目標を設定) |
目的
MBOとOKRは目的の段階から異なります。MBOでは業務管理や生産性向上、人事評価に活用することを目的としています。一方で、個人の目標の意味合いが強いのがMBOです。MBOでは査定や報酬の決定のために使われることが多くあります。そのため、個人のパフォーマンスをはかったり報酬に活用したい場合には、MBOが向いています。
OKRは、会社と従業員の意思統一、目的の明確化とコミュニケーションの活性化による生産性や創造性の向上、モチベーションアップを目的としています。そのため、OKRは組織全体の目標という意味合いが強くなります。組織全体の生産性を向上させるために使われるのが特徴です。MBOよりも個人の比率は低く、報酬の決定には使われないことをおさえておきましょう。
サイクル期間と評価の頻度
MBOとOKRを比較すると、OKRのほうが評価までの期間が短くなります。OKRは毎月もしくは四半期ごとのサイクルです。3ヶ月に1回は必ず目標に対する達成度を評価し、目標の再設定を行うことが求められます。短期間で生産性向上や課題へのアプローチを目指すのが特徴です。
一方、MBOのサイクルは1年もしくは半年ごとです。OKRと比較すると評価期間が長く、個人の成長が企業の飛躍に貢献することを目指しています。そのため、長期的な視野で目標を設定する必要があります。評価期間が長くなるのは、人事評価にも活用されることが多いためです。
目標の共有範囲
目標の共有範囲は、MBOの場合は個人と上司、OKRは組織全体です。MBOで設定した目標は、あくまでも個人のものです。組織の目標と同じ方向を向いているものの、組織内で共有されることはありません。
一方、OKRは組織全体に目標が共有されます。組織の目標とチームの目標、個人の目標が互いに関連付けられているためです。組織全体で一体となり、目標を達成することを目指します。
測定基準
MBOには統一した測定基準がありません。たとえば、以下のような基準が考えられます。
- 具体的で明確な目標
- 達成可能で適正な目標レベル
- スケジュールの設定
- 目標達成のための方法の有無
- 組織目標との関わりと個人の役割の考慮 など
一方、OKRにはSMARTの法則という枠組みがよく使われます。SMARTの法則とは、Specific(具体性)、Measurable(計測可能性)、Achievable(達成可能性)、Related(関連性)、Time-bound(期限)をもとに目標を作る方法です。
SMARTの法則については以下の記事で詳しく解説しているので、参考にしてください。
定性的・定量的
MBOでは、目標達成に向けた明確なルールはありません。そのため、企業によってさまざまな目標設定が可能です。実際には、定性的な目標と定例的な目標のどちらも使用することが多くあります。
OKRでは、定性的な目標と定例的な目標を組み合わせます。数値ではからない定性的な目標を立てたあとで、その目標に基づいた定量的な指標を用いるのが特徴です。
目標達成の基準
MBOでは100%の目標達成を基本としています。MBOは人事評価や報酬制度との関連があることから、必ず達成すべき目標を設定するのが特徴です。確実に達成することを目指すため、従業員が自身の能力と比べて簡単な目標を設定してしまう可能性があるでしょう。挑戦的な目標を立てにくいのが、MBOの特徴です。
一方OKRでは、60%から70%の達成度を目指します。組織全体で高い目標に向かっていくことに意味があると考えるのがOKRの特徴です。簡単には達成できない大胆な目標を目指すことで、組織全体の成長が期待できると考え、目標を設定します。もし目標が達成できそうにない場合には、短いサイクルで目標を変えられるのもOKRの特徴です。そのため、達成度は60%から70%でよいとされています。
MBOとOKRの併用
MBOとOKRを比較すると、どちらも優れた点があることがわかります。そのため、MBOとOKRを併用することで、最低限達成すべき目標(MBO)とさらに上を目指すための目標(OKR)の設定が可能です。
また、MBOは人事評価や給与にかかわる目標設定であるのに対し、OKRは評価や給与と紐付けなくてもよい目標設定です。そのため、MBOのデメリットをOKRで補うことも可能でしょう。
目標管理にMBOを導入しているのにもかかわらず、思うような効果が出ないと感じている組織の場合には、OKRへの切り替えやMBOとOKRの併用を検討してみるのもおすすめです。100%確実に達成したい目標と、60〜70%達成したい目標を設定できるため、従業員個人や組織全体がよい方向に向かっていくでしょう。
自社に合った手段を取り入れよう
今回は、MBOとOKRについて紹介しました。どちらにも強み・弱みがある手段のため、自社にあうものを選ぶことが大切です。既にMBOを導入しているものの効果が上がらない場合には、OKRとの併用もおすすめです。
どちらの手段を利用するにしても、目標の過程を記録・管理できるツールを利用すると、人事部や従業員の負担が軽減します。
サイダス社が提供する「CYDAS」は、組織にあった目標設定や評価制度に活用できるタレントマネジメントシステムです。今まで紙ベースで行われていたものもシステム化できるため、ぜひ一度以下の資料をご覧ください。
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