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2024.4.10

事務職の目標管理シートの書き方や例文をわかりやすく解説

従業員の目標管理を行う人事担当者や管理職の中には、事務職の目標管理シートをどのように作成すればいいのか悩む方も少なくありません。具体的な数値目標を立てやすい営業職などに比べて、事務職は明確な目標を設定しづらいと感じる方もいらっしゃるでしょう。

本記事では、事務職の目標設定の例文を紹介します。目標管理シートを運用する目的や作成時のポイントなども解説しているため、事務職の目標管理を行う際にぜひ参考にしてみてください。

事務職以外の職種別の目標管理シートの例文を知りたい方は、「【例文50選】目標管理シートの書き方や記入例|事務職・営業職など職種別に紹介」の記事をご覧ください。

事務職の目標管理シートとは

目標管理シートとは、目標管理制度(MBO)のルールに従って立てられた目標やゴールとする成果を文書化して管理するためのシートです。Excel(エクセル)やスプレッドシートなどの形式で作成されるケースが多く、組織としての目標、およびそれに対する個人目標を記載します。

事務職の目標管理シートの場合は、人事・経理・総務部門など、バックオフィス部門に求められる組織目標と連動した個人目標を記載します。評価期間も明確に決め、定期的にその遂行状況を上司やメンバーで把握し、達成に向けて運用を行っていきます。

目標管理シートについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。

関連記事:目標管理シートとは?効果的な活用方法や作成のポイント・メリット

事務職の評価基準|目標管理シートの作成ポイント

事務職の目標管理シートを作成するにあたって、評価基準をどのように設定すればいいのか、悩む方も少なくありません。本章では、事務職の目標管理シートを作成する際のポイントや、具体的な評価基準について解説します。

事務職は、人事・総務・経理・法務・企画部門などのバックオフィスを総称する職種です。対外的な業務が多い営業職では、「成約率〇%アップさせる」「営業件数を〇件達成する」「顧客満足度を〇%高くする」などのように具体的な数値目標を設定できますが、ルーチンワークなどが多い事務職で数値目標を設定するのは難しい傾向にあります。

以下で解説する目標管理シートの作成ポイントを参考にして、事務職の評価基準を設定してみましょう。

正確性

事務職の目標管理シートを作成する場合、正確性が評価基準の一つに挙げられます。事務職における正確性とは、企画書に根拠として示した数値や、帳簿などに入力する数値を正しく記載している状態のことです。

事務職が作成した書類や資料は、他部門に共有されたり、経営戦略の根拠になったりする場合があります。例えば、書類や帳簿などに記載する数値に誤りがあると、他部門の業務に支障をきたすだけでなく、経営や社会的な信用を失うような重大なミスに発展してしまうかもしれません。

事務職の目標管理シートの評価基準に正確性を設定することで、計算ミスや入力ミスなどが少ない社員を人事評価で高く評価できます。

早さ・納期

事務職の評価基準に、早さ・納期を設定することも重要です。早さ・納期を評価基準に設定することで、社員が期限までに業務を進められるかどうかを評価できます。

事務職を評価する際に正確性だけを重視すれば、一つひとつの作業に時間がかかり、納期や締切日に間に合わなくなるでしょう。早さ・納期を評価基準に設定することで、正確かつスピーディーにタスクや業務を進めている社員を高く評価できます。

また、早さ・納期を評価基準に設定すれば、想定外の問題やトラブルが発生したときでも迅速に対応できる判断力や行動力などを評価することも可能です。イレギュラーな事態が生じ、予定通りに業務を進められない状況下において、社員の行動や判断を評価につなげることができます。

積極性

積極性は、事務職の評価基準に有効な指標の一つです。積極性を評価基準にした場合、チームや組織全体の生産性を高めるための創意工夫ができているかを評価対象にします。

部門にもよりますが、事務職では効率性などを重視して決められた前例に従った方法で業務を進めるのが一般的です。しかし、時代の変化とともに、事務職の業務の進め方を見直し、改善していく必要があります。

事務職の評価基準に積極性を設定することは、従来の方法に縛られない新しい方法を模索するのに有効です。また、チームや組織の中で目立った存在でなくても、影のサポート役として自分にできる最善のことを考えて実行できているかという点も評価の対象に入れることができます。

事務職の目標設定|部門ごとの例文を紹介

事務職は、経理・人事・総務などに分けられており、目標は部門ごとに設定する必要があります。部門ごとに業務内容も異なるため、重視すべき評価基準のウェイトが異なるのが基本です。部門が異なる場合でも公正な評価をするためには、どのような点を重視して評価すればいいのかを見極めておくようにしましょう。

部門別の目標設定の例文を紹介するので、事務職の目標管理シートを作成する際に役立ててください。

経理部門の目標設定

経理部門の目標設定は、正確性のウェイトが高くなる傾向にあります。経理は、社員の交通費の精算などでお金を扱ったり、財務報告に用いる書類や帳簿を作成したりするなど、正確な業務遂行が求められる部門です。とくに、経理に配属されたばかりの若手社員の目標設定を行う場合は、正確性のウェイトを高めるようにしましょう。

一方で、ベテランの社員は正確な業務を行うのが前提であるため、正確性の他にも、職務領域を広げたり、予算の精度を高めたりするなどの目標を立てることも大切です。経理部門の目標設定例として、次のようなものが挙げられます。

  • 請求書の送付方法をメールで統一し、前年度の郵送費よりも〇%減らす
  • 〇ヶ月後までに日商簿記検定〇級に合格し、〇つの業務に挑戦する など

人事部門の目標設定

人事部門では、企画力などのスキルの高さを目標に設定するのが一般的です。人事部門は、採用活動や社員の入社から退社までに必要な人材育成・人材配置などの多岐に渡る業務を担っています。

例えば、採用活動では就活生や転職者にプレゼンテーションを行ったり、人材育成では社員一人ひとりのキャリア形成や、研修カリキュラムを企画したりするのも人事部門の業務です。

人事部門の目標設定を定める場合は、各業務で求められるスキルに関連する目標を立てるようにしましょう。目標設定例は、以下の通りです。

  • 年度末までに社員のキャリア形成に関する研修を開催し、社員の離職率を〇%に下げる
  • 評価制度に対するアンケートを実施し、人事管理システムに対する社員の満足度を〇%向上させる など

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総務部門の目標設定

総務部門は、備品の発注・在庫管理や設備・システムの保守管理など、他部門の業務に含まれないさまざまな業務をこなしている部門です。企業において、コストセンターの役割も担っているため、他の事務職よりも具体的な数値目標を立てやすい傾向にあります。

また、社内規程などの整備にも携わっているため、法令に関する知識が豊富かどうかも目標設定の基準に有効です。総務部門の目標設定を行う際は、以下を参考にしてみてください。

  • 在庫管理システムを導入して適正在庫数を全社に周知し、消耗品費を〇%削減する
  • よくある質問をもとにFAQを作成し、内線の対応回数を〇回に減らす など

事務職の目標管理シートの作成ポイント5つ

事務職の目標管理シートを効果的に作成するには、いくつかのポイントを考慮する必要があります。作成ポイントを考慮せずに、目標管理シートを闇雲に作成しても社員の成長を促すような目標は立てられません。

社員一人ひとりの成長がなければ、会社全体の生産性の向上も期待できないでしょう。以下で解説する効果的な目標管理シートを作成するためのポイントを参考にして、事務職の目標設定を行うようにしましょう。

組織目標とつながる個人目標にする

事務職の目標管理シートを作成する際は、組織目標とリンクさせた個人目標を設定させるようにしましょう。組織目標とつながっている個人目標を立てることで、社員は組織内で自分がどのような役割を担っているのかが明確に理解できるようになります。

さらに、企業は社員一人ひとりが組織の一員として責任を持って目標達成に向けた行動を積極的に進めるように促すことも可能です。また、個人目標の達成により、社員は組織目標の達成に貢献していると実感できるため、モチベーションの向上も期待できます。

事務職の社員が目標設定をする際は、組織における役割を明確にした上で、組織目標とつながる個人目標を立てさせるように促しましょう。

定量で評価できる目標にする

事務職の目標管理シートを作成する際は、定量評価の目標を設定しましょう。

定量で評価できる目標とは数値を用いた目標を指します。目標に具体的な数値を入れることで、目標の達成率や進捗を客観的に評価できるようになります。

数値目標を立てやすい営業職に比べて、事務職の業務は定量では測りづらいといった側面もありますが、できるだけ具体的な数字を入れた目標を立てるように指導することが大切です。

具体的には、「〇〇の業務でダブルチェックを実施し、ミスを0にする」「備品の在庫管理をシステム化し、〇〇費を〇%削減する」などのように定量で評価できる目標を設定するように社員に促すようにします。

達成基準を複数設ける

事務職の目標管理シートを作成するときに、複数の達成基準を設けることも重要です。達成基準とは、目標達成を100%とした場合に、どのくらいの割合を満たしていれば目標を達成できたと評価できるのかを定めた指標を指します。

事務職の目標管理に設定する達成基準は、50%以下~200%以上を基準の範囲とし、いくつかの段階を設けるようにしましょう。達成基準を段階的に設定すれば、立てた目標が適切なものだったのかを評価する場合にも有効です。

例えば、達成割合が50%以下だった場合は、実現が難しい高い目標である可能性が考えられます。一方で、達成割合が200%以上の場合は、社員の能力よりも低い目標が設定されたと考えられるでしょう。

達成基準を段階的に設けることで、適切な評価を行えるようになります。

目標達成のための行動計画を重視する

事務職の目標管理シートは、目標設定だけでなく、目標を達成するための行動計画も重視することが大切です。立派な目標を立てても、目標達成までの道筋が明確でなければ、何から行動すればいいのかが分からず目標達成にたどり着けないでしょう。

目標達成のための行動計画を立てる場合は、具体的な行動を1つひとつ設定し、それぞれに行動期限を設けます。目標に期限を設定していれば、社員はいつまでに何を実行すればいいのかが明確になるため、目標達成に向けた行動を取りやすくなります。

また、上司は行動計画とそれぞれに設定した期限などを確認すれば、社員の目標達成の進捗を把握でき、必要に応じて適切なアドバイスをしやすくなるのです。

納得感のある目標設定にする

事務職の目標管理シートを作成する際は、社員が納得できる目標設定にすることが大切です。目標設定は、組織目標につながる個人目標を立てる必要がありますが、組織が主軸の目標ばかりを立ては意味がありません。

組織目標の達成を重視しすぎて社員の成長につながらない目標を設定してしまうと、社員の目標達成へのモチベーションが低下し、仕事に対するやる気も失ってしまう可能性もあります。複数の目標を立てる場合は、必ず1つは社員自身に設定させるようにしましょう。

また、達成可能な目標だけでなく、努力次第で達成できそうなチャレンジ目標を立てることで、社員にとって納得感のある目標を設定できるようになります。

目標管理にはタレントマネジメントシステムを活用しよう

事務職の目標管理シートを作成するポイントは、正確性、早さ・納期、積極性に焦点を当てた評価基準を設定することです。また、定量評価を可能にするため、具体的な数値を取り入れた目標を設定しましょう。

ただし、事務職は営業職に比べて定量では測れない業務が多いため、目標設定に悩む方も少なくありません。そこでおすすめなのが、タレントマネジメントシステムの導入です。

株式会社サイダスが提供する「CYDAS」 は、人材情報の一元化やデータ分析が可能なタレントマネジメントシステムです。目標管理に便利な機能も搭載されており、企業ごとの人事評価制度に合わせて運用できます。

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