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2022.5.17

企業の人材育成の課題とは?よくある問題点の要因や解決策を紹介

「人材育成を行ってもすぐに形骸化してしまう」「忙しくて人材育成が後回しになってしまう」とお困りの人事・育成担当者は多いでしょう。今回は、人材育成のよくある課題を整理しつつ、人材育成がスムーズに進むためのポイントをお伝えします。

人材育成とは

人材育成とは、企業の業績を最大化するためのノウハウを教え、社員の新たな能力やスキルを育てることです。やみくもに知識をつけさせるのではなく、職種や入社年数などに合わせて、新しいスキルを身につけさせることが人材育成の特徴です。また、似た言葉に人材開発がありますが、全社員を対象としてスキルを身につけさせることや、社員が既に持っている力を伸ばすという点で、人材育成との違いがあると言えます。社員の能力やスキルを育てることです。やみくもに知識をつけさせるのではなく、事業利益を自発的に上げられる人材を育てるのが真の人材育成といえます。

人材育成の目的

人材育成の目的は、社員個々の強み・弱みを見出しつつ自律的な人材を育て、事業利益を最大化することです。人材育成の必要性を理解するために、人材育成の目的を2つの視点で解説します。

基本スキルの定着

人材育成の目的の1つに、基本的な業務スキルやヒューマンスキルを定着化させることが挙げられます。利益を上げるために専門知識やテクニカルなスキルを習得させようとしても、仕事の基盤となる業務スキルなどが不足していれば育成施策の成果は出ません。

基本スキルには、社会人としてのビジネスマナーやPCの基本操作方法、社内ルールの理解や業界知識のインプットなどが挙げられます。ロジカルシンキングや課題特定力、コミュニケーションスキルなども基本スキルとして定着させなくてはなりません。

能力の最大化

人材育成の目的には、社員の特性を理解した上で、それぞれの能力を最大化することも含まれます。全社員のスキルレベルを一律にして、個性を消してしまうのは逆効果です。

多様性が注目される現代こそ、個々の強みや「その人らしさ」に着目し、能力を引き出すのも人材育成において重要でしょう。

若手育成の重要性

人材育成の中でも、若手社員の育成に課題を感じる企業は増えています。独立行政法人「労働政策研究・研修機構」の2020年資料によると、マネジメントの不行き届きにより次のような若手育成の問題が起きているそうです。

  • 人事部門と現場とが情報を共有・協働していない。
  • 配属後の教育が現場任せで部署や上司ごとの当たり外れが大きい。
  • 上司・先輩と若者の間のコミュニケーション不足。
  • 業務過多・人手不足で人材配置に余裕がない。
  • 業務配分が属人的でお互いに助け合えない。
  • 個人単位の成果主義で短期的成果を求める→上司・先輩が若者を敵視・お荷物扱い。

引用元:独立行政法人「労働政策研究・研修機構

人事部門やマネジメント層、現場との連携ができないせいで若手が育たなかったり、人手不足や業務過多により育成する時間もとれず、若手に短期的な成果を求めるトラブルが起きています。

企業が感じる人材育成の課題とは?

ここからは、人材育成でよくある問題点を整理しながら、解決の糸口について紹介していきます。自社の状況と照らし合わせながら、育成課題を再確認してみてください。

人材育成目的が決まっていない

自社における人材育成の目的を明確に定義していないため、育成施策が形骸化してしまう点が挙げられます。人材育成の一般的な目的は、最初にご紹介したとおり「自律的な人材を育て、事業利益を最大化すること」ですが、この目的をブレイクダウンして自社ならではの定義を言語化することが重要です。

どのような施策も、目的を言語化せずになんとなく進めてしまうと、社内から反発が起きたり軸がぶれたりしてしまうため注意が必要です。

人材育成を行う社員がいない

人材教育ができる社員が社内にいないことも、よくある課題の1つです。一般的に職場の上司や先輩社員が指導を行うOJT(On the Job Training)の形式を取る会社が多いですが、指導者側の負担が大きいというデメリットがあります。また、研修会社や研修サービスやツールを利用し、解決できると思われがちですが、研修会社に外注する費用を削減するために社内の人材のみで育成計画を立てることが多いものです。

社内に人材育成に詳しい適材がいれば問題ないものの、「とりあえず管理職に育成を任せよう」「人事部が育成担当になれば良いだろう」など、根拠なく割り振ってしまうケースもあるようです。

教育リソースが無ければ、初めから専門機関を頼る方が得策の場合もあるでしょう。

人材育成の時間が確保できない

人材育成が進まないのは、忙しくて時間がないからと答える企業も多いです。人手不足が続く今、一人ひとりにマンツーマンで育成していく余裕がないのも無理ありません。また、1on1という形をとり、フィードバックや評価を行うこともなかなか難しいと言えます。

しかし「忙しい」を言い訳にしているだけで、人材育成の重要性を理解しきれていないケースもあります。本当にやらねばならないことと認識していれば、どんなに忙しくても対策を練るものではないでしょうか。

忙しい、時間がないという言葉が社内で聞かれたら、一度立ち止まって人材育成の目的から見直すと良いかもしれません。

育成される側の社員が受け身で意欲が低い

せっかく育成プログラムやカリキュラムを組んだにも関わらず、社員がまったく乗り気でなく、働くモチベーションが持てないことも、よくある課題の1つです。人事や研修担当者、マネジメント層などがどんなに頑張っても、育成される本人たちに重要性が響いていなければ意味がありません。

トップダウンで育成計画を進める前に、人材育成の目的や必要性を丁寧に言語化し、社員に伝えるところからスタートすると良いでしょう。

人材育成したのに離職される

人材育成の施策が進み社員が成長してきた矢先に、育った社員に離職されてしまうのも課題として挙げられます。専門的な資格取得のために社内講義や研修を充実させたにも関わらず、資格をとった瞬間に転職されてしまったケースは意外と多いものです。

この課題も、人材育成の目的がきちんと相手に伝わっていないために起こり得ることです。本人の成長と企業の事業利益の拡大をつなげて説明し、成長した後にどのように社内で活躍してほしいのか、先々のキャリアプランにつなげてイメージさせることが大切です。

テレワーク時の人材育成方法が分からない

コロナ禍、そして働き方改革が進みテレワークが増加した昨今では、テレワーク中でも効果が出る人材育成方法が確立されていない悩みもあります。今まで通り、対面の研修や育成プログラムをそのままオンラインに置き換えても効果は出ません。

テレワークならではの育成課題は、別途時間をとって整理をして、オンライン専門の研修サービスなどを活用しながら進めることをおすすめします。

人材育成において大切なこと

人材育成を適切に行うためには人材育成において大切なことをしっかり理解しておく必要があります。そこで今回は、人材育成時に大切なポイント6つをご紹介します。

目標を設定する

人材育成において目標の設定は最も重要です。目標を設定することは、社員のモチベーションを高めるだけでなく、達成に向けた過程で社員が成長できると言えます。また、社員の自信やモチベーションが高まれば、企業の成長へと繋がっていくでしょう。目標を設定する際は、明確かつ、個人目標、組織目標と段階的に設定するように心がけましょう。

社員の主体性を高める

育成対象者である社員が主体性を持っていなければ、人材育成を上手く進めることは出来ません。育成者側は社員が自主性を大切にする必要があります。また、自ら率先して動けるような環境づくりやカリキュラムを行うことで、社員の自主性を高めることに繋がります。

スキルの可視化

社員の成長を促すためには、各個人のスキルの現状を把握しておく必要があります。社員のスキルを把握するためには、スキルマップを作成することが効果的です。スキルマップとは、各種業務で必要なスキルを持っているか、社員のスキルを可視化したものです。スキルマップは主に社員のスキルレベルが一覧表や数値化されたものがあります。スキルを可視化させることで、人材育成において何が不足しているのか、確認することができ、的確なサポートを行うことができます。

社員のモチベーションを高める

人材育成では社員のモチベーションをしっかりと管理することも大切です。モチベーションには「内的なモチベーション」と「外的なモチベーション」の主に2種類があります。内的なモチベーションとは自身のビジョンや好奇心などに対するもので、上司や人事など育成者側とのコミュニケーションでサポートすることができると言えます。外的なモチベーションとは昇進・昇格や給料アップなどに対するもので、他者からの評価が重要となってきます。

定期的な評価、サポートを行う

育成者側が社員の評価、サポートを行うことは必要不可欠です。定期的に評価を行い、良い点、改善点を言及することで社員の成長やモチベーション維持に繋がります。また、1on1ミーティングなどを通してコミュニケーションを取ることで、社員のメンタル面もサポートすることができます。

育成者側のスキルを高める

人材育成は育成者側のスキルも非常に重要です。育成担当者にはコミュニケーション力や目標設定・管理力など様々なスキルが必要となってきます。しかし、育成担当者は普段の業務と並行し、このようなスキルを取得しなければならないため、「eラーニング」のようなシステムを使うと良いかもしれません。

人材育成のフレームワーク

人材育成には様々なフレームワークがあります。自社に合わせカスタマイズしていく方法もありますが、基本的にはSMARTの法則やHPIといったフレームワークが用いられます。基本的なフレームワークについては以下の記事を参照ください。

人材育成の成功事例

例1 スターバックス

スターバックスには人材育成のマニュアルがなく、アルバイトや正社員関係なく、全員が同じ研修を受けます。研修で知識やスキルを学んだ後、「教える側」の立場にもなる機会が設けられることも1つの特徴です。また、「成長の階段」という成長モデルが制定されています。大きく3つのphase(階段)が用意されており、これら3つが影響し合い、従業員全体の士気や働くことへのモチベーションを高めています。

スターバックス 「成長の階段」:https://starbucks-job.jp/step/

例2 トヨタ自動車

トヨタ自動車では「自ら学び、教える」を人材育成の方針として掲げています。そのため、社員が自ら学べる環境作りを徹底して行っています。多くのプログラムが用意されているため、各業務に合わせた人材育成が行われているのも特徴です。また、自己啓発支援の1つとして資格取得時の費用を会社側が負担する制度もあります。

トヨタ 人材育成:https://www.toyota-recruit.com/career/environment/train/

人材育成の課題を整理するならCYDAS

人材育成は、社員の能力を最大化しながら業績を上げる強い組織をつくるために必要不可欠です。自社の人材育成がなぜ上手くいっていないか、本記事で紹介したよくある問題点と見比べながら、今一度整理いただければ幸いです。

より客観的に、企業の体質や社員課題を可視化したい方は、人事システムを活用することをおすすめします。タレントマネジメントシステムCYDAS では各社員のスキルや価値観、バックグラウンドといった情報を一元管理できるので、どのような育成モデルやプログラムが必要か考える際に役立ちます。

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