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2023.2.17

人材育成の目標設定方法や数値化における効果を紹介

人材育成の目標設定をせず、なんとなく研修を行っていたり、数値を管理せずやりっぱなしにしていたりしませんか?人材育成の効果を最大化するには、目標を設定し数値化することが重要です。

今回は、人材育成の見直しや導入を検討している人に向けて、人材育成において目標設定が必要となる理由や数値化で得られる効果、また数値化する項目例などをご紹介します。さらに目標設定のポイントや、人材育成の目標設定の例文も取り上げます。

ぜひ最後まで目を通して、社員の能力を引き出す際の参考にしてみてください。

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人材育成の目標設定の必要性

企業が存続・発展するためには、人材育成を行い「自ら考え行動できる社員」を育てることが重要です。人材育成はすぐに効果が表れにくいため、目標を掲げて中長期にわたって計画的に実施しなくてはなりません。

本章では、人材育成の目標設定が必要となる3つの理由を解説します。

【人材育成の目標設定が必要となる3つの理由】

  1. 企業の方向性を示すため
  2. 社員のモチベーションアップを図るため
  3. 企業の目標や理念達成に近づけるため

1.企業の方向性を示すため

人材育成の目標設定は、企業の理念や経営戦略など進むべき方向性を社員に示すために必要です。人が育ち、社員が目標達成した結果、企業目標が達成できるのが理想的な流れとなります。

人材育成の目標を決めるときは、企業が将来的にどう成長し何を目指すか、どのようなサービスや価値を社会に提供するのかという内容を反映させましょう。人材育成の目標設定を行うことは、社員に企業の考えを示すためでもあります。

2.社員のモチベーションアップを図るため

人材育成の目標設定は、社員のモチベーションを高めるためにも必要です。社員が受け身のままで育成や研修を行っても効果はありません。

社員がやるべきことを言語化しながら、なんのために成長するのか、社員それぞれが何をすべきか理解を促します。一方的に目標を与えるのではなく、社員の考えを引き出しながら目標設定をするのがポイントです。

3.企業の目標や理念達成に近づけるため

人材育成の目標設定を明確に行うほど、企業が達成したい理念や業績目標に近づくことができます。

人材育成の目標と企業全体の目標はリンクしています。人材育成の目標設定を明確にしクリアしていくことで、結果的に企業の理念達成といった大目標に近づくことができるのです。

目標とは「目的を達成するために何をすべきかの指標」です。明確な道筋を示してやらされている感をなくし、前向きに成長できるよう目標設定を行いましょう。

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目標設定を数値化すべき理由

人材育成の目標は抽象的なものではなく、定量的なKPIを設定しましょう。KPI(Key Performance Indicator=重要業績評価指標)とは、「目標の達成度合いを測定する定量的な指標」のことで、中間目標を意味します。

なぜ、人材育成の目標をKPIの設定によって数値に落とし込むべきなのか、目標の数値化によって得られるメリットを解説します。

目標やプロセスが可視化できる

人材育成の目標を数値化することで、人材育成における課題や目標達成までのプロセスが可視化しやすくなります。例えば、「良い、普通、悪い」といった評価より、「コミュニケーション力は○点」「達成率○%」という風に数値化したほうが、他社員との比較が容易になります。

数値が低い項目を伸ばすためにピンポイントで対策を打てるため、コストを抑えて適切な育成が実現できるでしょう。数値を計測して、費用対効果が見込めない育成方法やプロセスがあれば見直しを行うことで、効率の良い育成ノウハウの蓄積にもつながります。

人事データとして管理しやすくなる

属人的な管理ではなく、客観的な数値によるデータを人事データとして集約すれば、管理・分析がしやすくなります。

個人の主観で目標達成できているか否かを判断すると、人によって対象者の評価にバラつきが出るリスクが高いです。目標を数値化すれば、評価者による曖昧性を排除できます。

また数値であれば途中経過の測定も可能であり、目標の修正・調整も容易になるでしょう。数値化して人事データの管理工数を削減できれば、人事担当者の負担も減少し、業務効率化にも役立つと考えられます。

人材育成のKPI目標の例

前章までは、目標設定すべき理由や数値目標を設定すべき理由をお伝えしました。数字で個人の持つ能力や業務の熟練度を適切に把握できれば、一人ひとりの成長度合いに合わせて、指導・育成が可能になります。

しかし数値化と言っても、具体的に何に着目し、数字を測定すれば良いのでしょうか。そこで本章からは、人材育成にあたって数値化する項目を5つのカテゴリーに分けて、詳しく説明します。

【数値化する項目】

  1. スキルや資格の保有数や保有率
  2. 研修費用や研修時間
  3. 研修受講率
  4. 研修受講の満足度
  5. 人材育成計画の達成度

1.スキルや資格の保有数や保有率

業務に必要なスキル・資格を、「誰が、いくつ、どの程度」保有しているかをKPI目標として設定しましょう。

例えばコミュニケーション力、論理的思考力といったスキルを何個保有しているかを数で管理します。また数ヶ月、半年、1年と期間を区切って推移や前月比などを算定し、目標を決めるのも良いでしょう。

社員が必要とされるスキル・資格の保有数や保有率を満たしていると判断するときは、判断基準の設定が欠かせません。職業やポジションに応じて明確で公正な判断基準を設けましょう。

2.研修費用や研修時間

研修の費用対効果をKPIとするのも、有効な目標設定の1つです。社員にどれくらいのコストをかけたのか、時間や人的コストなどを数値化し、費用対効果を計算しましょう。

人材育成にお金と労力を費やしても、コスト回収が見込めなければ、あまり効果的な育成方法とは言えません。費用対効果が低ければ、研修内容や研修時期、職場環境、育成カリキュラムなどに課題がある可能性も視野に入れましょう。数値を測定することで、何が問題であったか手がかりを発見する指標になります。

3.研修受講率

研修の参加が任意であるケースでは、研修受講率は重要な指標になります。特に社員数が多い企業であれば、受講率を目標に入れることで、適切な人材育成を実施できているかを知るヒントになるでしょう。受講率が低ければ、研修内容や開催時期に問題があるかもしれません。内容の見直し、開催時期や期間の調整が必要かもしれません。

ただし、実施する研修の対象者が2~3名と比較的少ないケースでは、数値を測定しても課題発見にはいたらないケースもあります。自社の企業規模や研修内容によって適宜、設定してみてください。

4.研修受講の満足度

研修を実施したら受講率に加え、社員に対して研修の満足度を測ってみると良いでしょう。あわせて、研修受講者が受講後にどのように変化したか、上司・同僚に確認してみるのもおすすめです。

研修後に業務へ貢献できているか、研修内容が活きているかを測定することで、効果的な研修を開催できたか否かを判断する目安になります。

受講者と周囲の満足度を把握することは、自社の社員に行うべき研修カリキュラムの設計・見直しに役立つでしょう。

5.人材育成計画の達成度

人材育成の計画を策定し、細かく分割して全体の達成度を数値にしましょう。育成計画をどの程度、実行できたかを測り、計画そのものに問題がなかったかを調べます。一つひとつの目標を達成できたかに目が行きがちですが、全体の達成度を測定することで、進捗に遅れが出た箇所を突き止められます。

育成計画は中長期的に社員が成長できる内容にし、難易度は達成の実現が難しすぎたり、易しすぎたりしないように留意しながら策定をしましょう。

人材育成の目標設定ポイント

目標を数値で測っても、目標設定の仕方が正しくないと、適切な数値は出てきません。人材育成を行うときは、ポイントを押さえて目標を設定することが大切です。

具体的にどのような視点を持ち、目標設定をすべきなのでしょうか。本章では、目標設定のポイントとして4つの視点をピックアップし、解説します。

【目標設定のポイント】

  • 定量・定性目標をバランスよく
  • 期日を明確に設定する
  • 会社や組織全体の目標とつなげる
  • 目標達成後の姿をイメージさせる

定量・定性目標をバランスよく

1つ目のポイントは、定量と定性目標を盛り込むことです。定量目標とは、数量や数値で示す目標を意味します。一方で、定性目標とは数値化が難しい目標を言います。例えば、定量目標が「毎日30分読書をする」「残業時間を前月より20%減らす」です。定性目標は「チームワークを良くする」「主体的に業務にあたる」などが該当します。

数値化は客観性を担保でき、データとして管理しやすいものの、数値にできない目標が見落とされるリスクを含んでいます。定性目標を設定することで、数値に現れない側面の評価が可能になり、目標の偏りを軽減できるでしょう。

期日を明確に設定する

目標設定には、期日を設けることが必要不可欠です。どのくらいの期間に、どの程度の目標を達成できたか、個人やチームの力を知るのに役立ちます。期日が設定されていないと、計画を立てづらく、社員も行動を起こしにくいといったデメリットが発生しやすいです。逆算して綿密な計画が立案できるよう、明確に期日を設定しましょう。

会社や組織全体の目標とつなげる

企業全体の目標と重なるよう、目標設定するのも、人材を育成するポイントです。人材育成の最終的な目標は、企業の目標を達成することにあります。個人を育てるという視点を持ち、同時に会社や組織を成長させながら目標達成ができるような目標にしましょう。

企業の目標とチーム・個人の目標の方向性がズレていると、必要なスキルが身に付かなかったり、モチベーションが下がったりする恐れがあります。

企業全体やチームの目標を社員に共有し、組織の構成員であるという自覚を持ってもらうことが大切です。

目標達成後の姿をイメージさせる

社員の「やらされ感」を軽減するためには、人材育成の目標達成を通して社員本人がどのような姿になっているか、明確にイメージしてもらうことがポイントです。

「指示されたから」「目標として設定されているから」と、仕方なしに人材育成の研修・指導を受けても効果は得られにくく、心理的負担につながるかもしれません。

目標設定のときは、所属チームや組織、企業、クライアントにどういった影響を与えるのか、イメージを伝えるのがおすすめです。目標を達成して活躍し、業務に貢献している自分を想像すれば、意欲を持って目標に取り組めるでしょう。

人材育成の目標設定例

目標設定と言っても、ポジションによって設定すべき目標が異なるので、具体的な内容が思い浮かばない・イメージが沸きにくいと悩む人事担当者もいると思います。

そこで、管理職とチームリーダー向けに、人材育成の目標設定の例文を2つ取り上げ、詳細を解説しました。人材育成の目標を設定する際の参考にしてみてください。

管理職の例文

管理職の目標は特に、企業・チーム全体の目標と重なる部分が多くなります。管理職の目標は、部下が目標をクリアできるよう促すものが良いでしょう。他にも、企業の目標達成に貢献できる目標も有効です。

例えば管理職の目標設定として、次のようなものが挙げられます。

  • 毎週ミーティングを実施し、チームメンバーの目標達成率を90%にする
  • チームリーダーと面談を行い、部署の成長率を前年比130%にする

育成を通して、管理職一人ひとりが経営視点を持てる目標を設定するのがポイントです。

チームリーダーの例文

チームリーダーは、プロジェクトや目標達成に向けて現場を導く役割を担っています。チームの管理以外にも、プロジェクトの方向性を決めメンバーを育成するなど、自らの業務をこなしながらチームを率いなくてはなりません。具体的な目標設定の例は以下の通りです。

  • 週一回、1on1で社員とコミュニケーションを取り、業務遂行に遅れが出ていないかなどを確認する
  • 30分間のランチミーティングを行い、部下の悩みを聞き出しフィードバックやアドバイスをする

現場の社員と間近で接するチームリーダーは、メンバーとしっかりコミュニケーションを取りながら、チーム全体をコントロールすることが重要です。人材育成の目標設定のときは、チーム全体の成長につながる内容を選定しましょう。

人材育成目標の数値化を後押しするツールとは

人材育成の目標設定のポイントは、期日を設定して定量・定性目標をバランス良く取り入れ、企業全体の成長につながる内容にすることです。数値化が人材育成に役立つと理解できても、定量目標をExcelなどの表計算ソフトで管理するのは業務負担になるからと、行動に踏み切れない企業も多いのではないでしょうか。

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