2023.3.30
モチベーションとは?社員のやる気を高める方法
「モチベーションが上がらない」「高いモチベーションを維持するには」など、「モチベーション」という言葉は、ビジネスシーンにおいて日常的に使われる言葉です。仕事へのモチベーションが高まれば、意欲的に業務に取り組むことができ、目標達成や業務効率化といった効果が見込めるため、部下や社員のモチベーションを維持、向上させることが組織マネジメントにおいても重要です。
本記事では、モチベーションという言葉の意味からモチベーションが低下する要因、部下のモチベーションをアップさせる方法などについて詳しく解説します。また、モチベーションに関連する理論もご紹介しますので、心理学的背景を含めた理解を深め、組織のマネジメントや生産性の向上に向けてぜひお役立てください。
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目次
モチベーションとは?
「モチベーション」とは、行動を起こすきっかけや欲求を満たそうとする意欲のことです。「やる気」「動機づけ」などとも言い換えられ、最近では「モチベ」と略されることも増えています。
何らかの行動を起こそうとするとき、あるいは物事を起こしている最中の心理状態を表す用語です。目標や方向を目指すには行動が必要であり、その行動の第一歩を促す要素の1つがモチベーションだといえます。
例えば「モチベーションがない」というと、「特にやる気がなく、必要に駆られているわけでもない」といった状況を指します。反対に、やる気に満ちあふれていて、目標や方向に向かって意欲的に行動を起こしている状態は「モチベーションが高い」と言われます。
また、モチベーションは基本的には一過性であるため、「モチベーションが続かない」といった使われ方もします。
モチベーションの語源・意味
「モチベーション」は、英語の「motivation」をカタカナで表記した言葉です。「motivation」は、日本語で「動機」を意味する「motive」という英単語から派生した抽象名詞で、「motive」と「action(行動)」を組み合わせた熟語に由来するという説もあります。
日本語では、動機付けといった意味で用いられています。モチベーションの意味としては、「目標や対象に向かって行動を起こし、維持するための原動力や動機、やる気となるような目的やきっかけ」とまとめることができます。
仕事におけるモチベーション
ビジネスシーンにおいてモチベーションという言葉を用いる場合、一般的に組織内での業務意欲を意味します。また、上司が自分の能力を信じて任せてくれた業務を、完遂するための原動力といった表現もできます。
モチベーションが上がることで、人は業務に対して集中力を持って取り組むことが可能です。一方、モチベーションが下がると、業務に対するやる気を失ってしまい、仕事の質や効率が下がりやすい傾向にあります。
モチベーションとやりがいの違い
モチベーションと似た使われ方をする言葉に「やりがい」がありますが、両者はニュアンスが異なります。モチベーションが行動を起こす際の原動力となる動機ややる気、意欲を指すのに対し、やりがいは何かを行う際に感じられる充足感や手応えを表します。
行動を起こした際に「やってよかった」と思う感情や、やったことで感じられる価値も、やりがいに含まれます。「モチベーションが高まったため、行動することでやりがいを感じられた」という言い方もできます。
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モチベーション理論・心理学的法則
ビジネスにおけるモチベーションを理解する上で、重要となるモチベーション理論や心理学的法則について解説します。1950年代からすでに用いられていたとされる理論や法則を理解することは、組織や人事のマネジメントやモチベーション管理に役立ちます。
マズローの欲求5段階説
「マズローの欲求5段階説」は、アメリカの心理学者アブラハム・マズローが提唱した心理学的法則であるです。人間の欲求は、以下の5つの階層で成り立っており、人間の欲求は低階層から高層階へと段階を経て満たされていくという考え方です。
- 第一段階(最下位)生理的欲求:空腹や睡眠など肉体的・本能的な欲求
- 第二段階 安全的欲求:物理的・精神的な安心・安全への欲求
- 第三段階 社会的欲求:他者との関わり・社会に受け入れられたいという欲求
- 第四段階 承認欲求:達成感や地位など人からの承認を求める欲求
- 第五段階(最上位)自己実現欲求:自己成長や夢の実現への欲求
マズローは、下の段階の欲求が満たされれば、欲求に対する動機付けは不要になると主張しています。社会的な関わりや承認といった欲求に対するモチベーションが停滞している場合、生理的欲求や安全欲求といった低層階の欲求が満たされていない可能性が考えられます。この理論は、現代のモチベーション管理の基本的な考え方として広く受け入れられています。
期待理論
「期待理論」とは、心理学教授のビクター・プルームが唱えた理論で「努力と成果・魅力の掛け合わせによりモチベーションが変動する」という考え方です。先述のマズローの5段階の欲求のうち、「どうしたら社員の尊厳欲求を満たすことができるのか」を説いたことで知られています。
努力することで目標を達成できるという期待があり、目標達成によって得られる成果や報酬が魅力的であれば、モチベーションが上がって努力できるとしています。得られた成果や報酬に満足できればやる気がさらに生まれ、次の目標を目指して努力するという好循環につながります。
マクレランドの欲求理論
「マクレランドの欲求理論」とは、アメリカの心理学者であるデイビッド・マクレランドが発表した理論です。人間の行動には、達成・権力・親和・回避という4つの欲求や動機があるとしています。4つの欲求は具体的に以下のように説明されます。
- 達成欲求:目標を達成したい、成功したいという欲求
- 権力欲求:他の人々に何らかの影響を与えたいという欲求
- 親和欲求:友好的、かつ密接な対人関係を結びたいという欲求
- 回避欲求:失敗や困難な状況を避けようとする欲求
上記4つの動機のうち、どれが強いかは個人で異なりますが、行動の裏には必ずいずれかの動機があるという理論です。
ハーズバーグの二要因理論
「ハーズバーグの二要因理論」は、仕事に対する満足度は動機付け要因と衛生要因の2つに分けられるという理論です。アメリカの臨床心理学者のハーズバーグが、人が仕事で満足感や不満足感を感じる状況について研究を行い、理論としてまとめました。
動機づけ要因とは、目標達成や人からの評価など満足度を高める要因を指します。一方、衛生要因は、給与や福利厚生など、不足していると不満足感がアップする要因のことです。
両者は補完関係にあるため、いずれかを満たすだけでなく、衛生要因をクリアした上で動機づけ要因を満たす必要があります。また、職務満足度を上げることが、モチベーションアップに重要であることも提唱しています。
モチベーションが高い社員の特徴
モチベーションが高い社員の特徴としては、主に以下の項目が挙げられます。
- 短時間で仕事をやり遂げられる
- 自ら仕事を見つけることができる
- モチベーションを管理する工夫を取り入れている
高いモチベーションで仕事に取り組んでいる人は、業務効率も自動的に上がるため、短時間で仕事をやり遂げることが可能です。また、モチベーションが高い社員は、明確な目標を持っており、達成するためにできることを積極的にこなしていきます。振り分けられた分だけでなく、自ら仕事を見つけて取り組むため、成長スピードも早い傾向があります。
さらに、モチベーションの高い社員は、自分のモチベーションをコントロールする意識を持っています。モチベーションを維持するために、自分の精神や身体を管理する、デスクなど仕事環境を整える、といった小さな工夫を実践しています。
自己管理もでき、心身のケアもおこたりません。体調が万全な状態を保ってベストパフォーマンスを発揮できるように努力しています。そのために仕事のオンとオフもきちんと切り替えます。また、何事にもポジティブシンキングであり、他者とも積極的に交流できる社交性も持っているのが特徴です。
モチベーションが低い社員の特徴
モチベーションが低い社員には、以下のような特徴が見られます。
- ルーティンワークのような単純な業務を好む
- 自分の仕事に時間がかかる
- 最低限の仕事しかしない
- 不平不満が多い
モチベーションが低い社員は、仕事によるやりがいや自己成長を求めることがなく、できるだけ楽にできる単純作業やルーティンワークのような仕事を好みます。やる気にムラが見られ、さほど難しくない仕事にダラダラと取り組むため、必要以上に時間がかかってしまうことがあります。
また、最低限の仕事をこなすことだけを考えて、自ら仕事を見つけて取り組むことは少ないでしょう。集中力散漫な傾向があり、業務内容や職場の人間関係、オフィス環境などあらゆることに対して不平不満が出やすい点も特徴です。
こうしたモチベーションの低い社員をどう動機づけするかが、効果的な組織マネジメントにおける重要なポイントといえます。
モチベーションが低下する要因
仕事のモチベーションには、仕事内容から職場環境、待遇などさまざまな要因が関係しています。ここでは、モチベーションが低下する代表的な4つの原因について解説します。
強すぎる成果主義
仕事の目的や目標といった外発的動機付けによって、モチベーションはアップしますが、高すぎる目標はプレッシャーが強くなり、意欲を失ってしまいます。反対に、目標が低すぎてもマンネリ化やスキルの停滞により、モチベーションを下げる場合もあります。そのため、能力やスキルに対して適切な目標を設定できているか注意する必要があります。
また、安定的に常時成果を上げられている社員は、モチベーションが上がりやすい傾向にあります。一方で、好不調の波に収入が左右される社員や、売り上げに直結しない部署の社員は、成果や目標達成による評価が得られないこともあり、モチベーションが低下しやすい傾向があります。
興味ややりがいのない業務
仕事に興味がかき立てられない場合、モチベーションは当然ながら上がらないでしょう。仕事に面白みが感じられず、毎日決められた業務をこなすポジションなどでは、変化や刺激がない状況にマンネリ化を感じて、内発的動機付けが得られず、やる気は失われてしまいます。
仕事の内容に共感できず、意義の感じられない仕事をさせられていると感じている場合にも、納得感がないために、意欲的に取り組むことは難しいでしょう。
不健康な労働環境
どんなに魅力的な業務や報酬条件であっても、不健康な労働環境で働き続けなければならないと、モチベーションは下がっていく一方です。心理学的に見ると、人間は安定を求める生き物のため、大幅な変化が起こる環境を好まない傾向があります。
そのため、組織改革が多い職場や、業務内容や事業方針が極端に変わるトップダウン経営などでは、モチベーションの低下を招きます。働きやすさが感じられず、心身的な健康が維持できない労働環境や、人間関係がうまくいかない場合にも、ストレスからモチベーションが削られる可能性が高いでしょう。
不公平な人事評価
いくら頑張って働いても、仕事ぶりや成果が正当に評価されないとモチベーションが下がることは容易に想像できます。企業への貢献度が高いにも関わらず、役職をもらえない、報酬が上がらない、といった状況が続くと、外発的動機が薄れてモチベーションは低下します。
従来の日本企業に多く見られた年功序列制度では、長く勤めると役職が与えられるというメリットがありますが、成果に応じた評価は得られない点はデメリットといえます。成果や努力が評価される仕組みが少ない場合にも、達成感や納得感を得られにくく、仕事に対する意欲は減っていくでしょう。
社員のモチベーションが低下することによる影響
社員のモチベーションが下がると、企業にはさまざまな影響が出ることが考えられます。ここでは、社員のモチベーションの低下による主な影響について解説します。
生産性の低下
社員のモチベーションが低いと、業務による生産性自体が下がってしまいます。モチベーションは、欲求を満たすための動機付けであり、欲求が高まらなければ仕事に対する意欲が沸かず、生産性は低下しやすいでしょう。
反対に、社員のモチベーションが上がれば、自発的に業務と向き合い、自ら行動を起こして成果を達成できるため、結果的に生産性の向上が見込めます。
離職の増加
モチベーション低下によって、離職が増加するリスクも考えられます。モチベーションが低い社員は、仕事自体へのやる気や意欲が少ないため、退職する場合もあります。
反対に、業務に対するモチベーションを維持している社員が増えれば、退職者数は減少しやすいでしょう。ただし、モチベーションの高い社員でも、今の職場で欲求を満たすことができない場合、理想的な職場環境を求めて転職していくため、離職に至るケースもあるでしょ。
モチベーションがアップする2つの動機
仕事のモチベーションアップには、外発的動機付けと内発的動機付けの両方を満たしていくことが重要です。これら2つの動機について詳しく解説します。
外発的動機
「外発的動機」とは、外側にある要因を求めて行動する際の動機のことで、目的意識から発生するモチベーションを意味します。報酬や地位、賞賛など自分の外にある魅力的なものを得たい、という気持ちから行動することを「外発的動機付け」と言います。
例えば、より高い給与を得るために仕事をする、賞賛のために新しい仕事にチャレンジする、といったものです。また、「今日中に書類を作成しないと上司から怒られる」など、自分にとってマイナスな要因を回避するための行動も、外発的動機によって起こります。
内発的動機
外発的動機の対義語である「内発的動機」とは、自分の心の中で湧き出るモチベーションのことです。好奇心や満足感、やりがい、楽しさといった内側の思いに突き動かされて行動することは、「内発的動機付け」と言います。
例えば、仕事が楽しくて時を忘れて取り組める、好奇心を満たすために研究や調査に没頭する、などです。内発的動機は「やりたいからやる」というように、基本的に自然と湧いてくるものであるため、作りだすのが難しい傾向にあります。
給与や地位、賞賛などの外発的動機付けを刺激する要素には限界があり、社員が自ら望んで仕事をするよう、内発的動機付けを刺激する方法を考案する必要があります。
部下のモチベーションを上げるマネジメント方法
企業側が社員のモチベーションを効果的に高められれば、業務効率や従業員満足度の向上につながります。ここでは、部下のモチベーションを上げるためのマネジメント方法を紹介します。日常業務や組織力の向上に向けて、ぜひお役立てください。
モチベーショングラフを描かせる
部下のモチベーションを把握、管理するために「モチベーショングラフ」が役立ちます。モチベーショングラフとは、個人の仕事人生におけるこれまでのモチベーションの高低をグラフ化したものです。
自分がどのような仕事に対してモチベーションが上がった、あるいは下がったのかを可視化し、社員1人ひとりが目標達成しやすい自己の状態を理解することに役立ちます。
モチベーショングラフの描き方はさまざまですが、一般的には以下の手順で作成します。
- 縦軸にモチベーション、横軸に時間を起く
- 節目ごとのモチベーションの高低を記す
- モチベーションの高低の理由や原因となった出来事を追加する
- 3の理由や原因に対する当時の感情や思考を書き込む
- グラフ全体を見て傾向や共通点を見つける
- 5から自分のモチベーションの源泉をまとめる
自分の思考や感情の特徴から、モチベーションが上がる条件や状況、やりがいを感じる対象、成し遂げたい夢や目標についても言語化し、整理することで、モチベーションの源泉は何かを見つけることができます。
適切な目標設定を行う
仕事に対して適切な目標を設定することも、社員のモチベーションアップに有用です。目標設定により、何のために努力をしているのか、何をすればいいのかが明確になるため、モチベーションが刺激されるからです。
目標は上司や会社からの期待値を示すため、期待に応えることで承認欲求を満たすために行動を続けられます。簡単に達成できる目標よりも、少し難しめの目標の方が、マクレランドの欲求理論で言う「達成意欲」を満たすことにつながるとされています。
まずは、ゴールとなる大きなわかりやすい中長期目標を設定し、ゴールに到達するための細かな目標に分けます。ギリギリ達成できる目標に向かって、日々スモールステップで進めることで小さな達成感を繰り返し得られます。
このように、目標達成という外発的動機付けと、達成感という内発的動機付けによって、モチベーションの維持が可能です。
プロセスを評価する
結果だけでなく、プロセスを評価することも、モチベーションの向上や維持につながります。目に見える成果や達成度だけでなく、挑戦したことや過程の頑張りが評価されれば、社員は「自分の努力を認めてもらえている」と感じられます。
お金や昇給といった外発的動機は、モチベーションを向上させる効果がありますが、ある程度の基準を超えると、成果ではモチベーションを上げることが難しくなるという研究データもあります。
マズローの5段階欲求においても、安心や安全を感じられる生活が送れている場合に、次の自己実現などの欲求へと移行します。報酬や待遇にある程度満足している社員に対しては、達成感ややりがいを得られる仕事を与えることで、モチベーションアップが期待できます。
挑戦を評価し、失敗を許容する
仕事のプロセスとともに、チャレンジしたことを評価し、失敗しても許容する文化を作り上げることも大切です。難易度の高いミッションに対し、挑戦しやすい土壌を整えるとともに、勇気を出してチャレンジしてみるよう声掛けをすることで、部下のやる気を維持できます。
例えば、「自分も同じようなケースで過去に失敗したことがある」といった内容です。取り組む業務が困難な仕事であることを事前に伝えておくだけでも、失敗への恐れやハードルから解放され、モチベーションを上げて取り組めるでしょう。
モチベーション維持に効果的な人事施策
ここからは、モチベーションの維持や向上に効果的な人事施策について解説します。具体的な施策の特徴や取り組み方法について説明しますので、現場の組織マネジメントにご活用ください。
モチベーションサーベイによる測定
社員のモチベーションを測定する方法として「モチベーションサーベイ(従業員満足度調査)」があります。モチベーションサーベイとは、社員の仕事に対する動機づけや目的意識を分析、評価する手法の1つです。
目に見えないモチベーションを定量化でき、個人や部署単位、組織全体のモチベーションスコアを数値で表すことが可能です。数値を比較して、モチベーションを高めるための課題の可視化につながります。
近年はクラウド形式のモチベーションサーベイフォーマットが増えており、社員に依頼したアンケートを回収した後すぐに結果を確認できます。モチベーションサーベイの結果を使って、企業の利益や社員1人あたりの生産性との関連性を調べることも可能です。モチベーションと企業組織との相関関係を明確化することで、業績に直接貢献できる課題が見つかることもあるでしょう。
適切な人材配置
適切な人材配置によって、社員1人ひとりが持つ能力が高められ、発揮できる環境が生まれるため、全体としてのモチベーションアップにつながります。個人の能力や個性、適性に合ったポジションや業務を任せることで、組織に良い影響をもたらします。
人材の適材適所を実践でき、心理的な余裕や充実感も生まれます。その結果、コミュニケーションに費やすリソースが増えて、情報交換の質も上がると考えられます。組織を構成するメンバー同士が、お互いにモチベーションを高め合うことができれば、理想的な組織づくりや業績向上につながるでしょう。
人事評価制度の充実
社員の頑張りが正当に評価されるよう、人事評価制度を見直すことも対策として有用です。頑張った分だけ認められ、評価してもらえれば、部下の仕事に対するモチベーションは高まります。反対に、頑張りや成果が正当に見てもらえない制度を採用している場合、社員のモチベーションは下がってしまいます。
例えば、成果だけでなくプロセスも加点する報酬制度、上司による恣意的な評価の撤廃などです。また、評価について本人にフィードバックする時間を設けることで、頑張りがきちんと評価されていることが伝わり、モチベーションアップにつながるでしょう。
企業理念や組織目標の浸透
社員と企業理念や事業方針を共有することも、モチベーションアップに役立ちます。企業が果たすべき使命(ミッション)や、ミッション達成後の将来像(経営ビジョン)が明確であるほど、社員も企業で働く意義を理解しやすくなります。
また、企業理念が組織に浸透することで、自身の行動基準が明確になり、より意欲的に業務に取り組むことができるでしょう。
特に、社長や管理層から発信されるメッセージには大きな影響力があります。研修やミーティングなどの機会を利用して、社員1人ひとりの仕事が会社全体にどう役立っているのか伝えることで、社員のモチベーションの向上につながります。
非金銭的インセンティブの導入
表彰制度や称賛といった「非金銭的インセンティブ」も有用です。先述した通り、お金による外発的動機付けには限界があるため、一定ラインを超えるとモチベーション向上への効果が見られなくなります。継続的にモチベーションを持続させる上で、お金以外の内発的動機付けを活用する必要が出てきます。
例えば、著しい活躍をした社員を表彰する「MVP表彰」や、経営者からの「社長賞」の進呈などです。社員同士がお互いへの感謝や称賛を伝え合う「サンクスカード」を利用している企業もあります。社員の承認欲求を満たせるようなシステムを導入し、運用していくと良いでしょう。
モチベーション管理にはタレントマネジメントシステム
モチベーションは、行動を起こすきっかけや欲求を満たそうとする意欲を意味します。社員のモチベーションが低下すると、生産性の低下だけでなく、離職の増加を招く可能性があるため、適切な施策を講じることが大切です。
モチベーションを高めるためには、外発的動機と内発的動機の両方を満たしていく必要があります。目標設定やプロセスの評価、失敗の許容などがモチベーションアップに有効です。また、人事評価制度や人材配置の見直し、企業理念の共有などにより、組織全体におけるモチベーションの向上も見込めます。
部下のモチベーションを向上、維持させるためには相手に適したマネジメントが重要です。CYDAS(サイダス)は、タレントマネジメント機能を搭載した人材管理システムです。効果的なフィードバックに役立つ1on1記録や、頑張りを承認するサンクスカードなど、社員のモチベーションアップに役立つ多彩な機能をご利用いただけます。効率的な評価制度の構築を検討している企業の方は、ぜひご検討ください。