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2020.11.2

源泉徴収票ってどう見ればいいの?理解しておきたい6つの項目

会社で働いている人は、毎年源泉徴収票をもらっているでしょう。源泉徴収票は、所得や支払った税金の把握に欠かせないものです。しかし、実際に収入や税金額を確認しようとしても、よくわからない単語や数字が多く理解できない人も少なくありません。今回の記事では、源泉徴収の仕組みや理解しておきたい項目について解説します。

源泉徴収票から何が分かるのか?どう使えばいいのか?

源泉徴収票にはいくつかの項目がありますが、どのように読み取ればよいのでしょうか。自分で会社を経営していたり、専門的な知識があったりする人は理解しているとしても、一般的には源泉徴収票をもらっても内容を理解できない人が多いでしょう。具体的に源泉徴収票からわかることは、支払われた給与の合計額と源泉徴収された税額の合計額です。これはつまり、自分の年収や所得、払った税金に関することと言えるので、源泉徴収票が所得の証明書になると考えてよいでしょう。

会社に雇われずに個人でビジネスをしている自営業者などは、1年間の所得や税金を確定申告として自分で行います。そして、確定申告時の提出書類が所得の証明になるのです。一方、会社員は自分で申告しないので、源泉徴収票が所得の証明書として機能するというわけです。普段は利用する機会も少ない源泉徴収票ですが、ローンや賃貸契約時に提出を求められることがあります。そのため、会社から受け取ったら大切に保管しておきましょう。

このほかにも、源泉徴収票は転職の際に必要になります。転職をするときに前職で受け取った源泉徴収票を新しい勤務先に提出し、年の終わりに年末調整してもらう必要があるからです。このように、普段はあまり馴染みのない源泉徴収票は重要な役割を果たしているのです。

そもそも源泉徴収って?

源泉徴収票が所得の証明書になる重要なものとわかったとしても、そもそも「源泉徴収」という言葉自体に馴染めない人がいるかもしれません。また、源泉徴収とともによく使われる「年末調整」という言葉も知識のない人にはわかりづらいものです。ここでは、それぞれの仕組みについて説明しましょう。まず、絶対に押さえておかなければいけない前提としては、会社勤めをしている人は、確定申告を代わりに行ってもらっているということです。会社勤めをしている本人に代わって確定申告をしているのは企業の経理担当者であり、税金や保険料は毎月天引きされています。

このような一連の流れを源泉徴収というのです。ただ、毎月引かれる税金や保険料は概算値であるため、年末に正しい額を計算して確定させなければいけません。このとき、過不足の調整が行われるので年末調整というわけです。そして、年末調整を経て正式に決まった1年間の所得と税金額が源泉徴収票に記載され、個々に届けられるという仕組みになっています。源泉徴収や年末調整という言葉を聞くとわかりづらいイメージがありますが、基本的な概要は上述した通りそこまで難しいものではありません。

また、源泉徴収票とともに、源泉徴収そのものと年末調整の仕組みを理解することが大切と言えます。なぜなら、すべて含めて一通りわかっていないと、各項目の理解があやふやになってしまうこともあるからです。

源泉徴収票の項目「支払金額」

源泉徴収票には複数の項目がありますが、そのなかでも「支払金額」は最も基本となるものです。支払金額を端的にいうと、会社が支払った金額です。社員の視点から見れば、額面の給与といってもよいでしょう。また、年収という言葉は日常生活でも頻繁に使われますが、支払金額はほぼ年収と同じと考えて間違いありません。したがって、年収を誰かから聞かれたら、支払金額の数字を答えるということになります。このように、ある意味では一番わかりやすい項目の支払金額ですが、通勤費などの非課税扱いのものは算入しないという決まりもあるのです。

そのほか、同じく非課税のものとして出張時の交通滞在費なども支払金額には入りません。支払金額は税金と社会保険は引かれていない状態の金額なので、仮に間違えて通勤費などを入れると、より多くの税金を支払うことになってしまいます。そして、支払金額は払われる予定額も含めて記載されるため、月末締めの翌月払いとなっているぶんも算入されているはずです。これはたとえば、12月末日に締めて翌年の1月に支払われるぶんも前年の支払項目に含まれることを意味しています。

なお、支払金額というのは、給料明細の課税支給額 (課税対象金額) の1年間の合計額と一致するようになっています。気になる人は、試しに自分の給料明細を見ながら計算するのもよいでしょう。

源泉徴収票の項目「給与所得控除後の金額」

源泉徴収票の項目の2つ目は「給与所得控除後の金額」です。給与所得控除という単語はあまり聞き慣れないかもしれませんが、会社員の必要経費とみなした額を収入から差し引くことを表しています。収入から経費を差し引くということは、言うまでもなく支払金額の項目よりも少ない数字になっているはずです。つまり、給与所得控除という制度は会社員の必要経費を収入から差し引くことで、課税される部分を少なくする制度と言えます。

具体的な控除額の計算方法としては、それぞれの年収によって変わってきます。そして、令和2年以降は計算式が変更されていることに注意が必要です。令和2年以降の控除額について計算方法の一例を挙げると、年収300万円なら「180万円超360万円以下」という計算カテゴリーに当てはまります。それぞれの計算カテゴリーによって計算式が異なってくるので、間違えないようにしましょう。年収300万円の場合の計算式は「収入金額×30%+8万円」で算出され、給与所得控除額は98万円になります。

それぞれの年収に応じた詳細な計算式は国税庁のホームページでも紹介されているので、気になる人は確認してみましょう。基本的に、令和2年以降はそれ以前に比べて、ほぼ満遍なく控除額が少なくなっています。

源泉徴収票の項目「所得控除の額の合計額」

「所得控除の額の合計額」を端的にいうと「給与所得控除」以外の控除の合計額となります。給与所得控除以外の控除というのは、たとえば天引きされた保険料の合計額などです。そのほかにも、配偶者控除や基礎控除などの控除合計額も含まれます。細かい内訳は源泉徴収票に記載されているので確認してみましょう。

また、控除の種類は、医療費控除や寄付金控除、配偶者特別控除などもあります。そもそも控除は、配偶者などの家族がいれば生活が大変だろうから税金を安くするという考え方からできている制度です。収入が同じ金額でも家族構成などによって全体の控除額が変わってくるので、最終的に支払う税金が異なるというわけです。もう少し噛み砕いて言えば「所得控除の額の合計額」の欄は、それぞれの実情に合った控除額ということになります。

自分で課税所得を計算したい場合には「給与所得控除後の金額-所得控除の額の合計額」という計算式で求められるので覚えておきましょう。これまで紹介した控除以外にも、それぞれの家庭事情に合わせて障がい者控除や寡婦控除、勤労学生控除などが同じくこの項目に含まれています。

源泉徴収票の項目「源泉徴収税額」

「源泉徴収税額」は、1年間で徴収した所得税の合計額を表す数字です。会社員などの雇われている人の所得税なので、通常は天引きされてすでに支払っているでしょう。仮に差額が出ていたら、年末調整表にその差額が記載されているはずです。源泉徴収税額の具体的な計算方法は、課税所得に税率をかければ求められます。また、税率は課税所得によって変わってくることにも注意しましょう。税率そのものは国税庁の定めによって、5~40%の幅で設定されていて、課税所得の多い人ほど、税率が上がっていく仕組みです。

たとえば、年収が300万円の人の場合は「195万5000円超〜330万円以下」という項目に当てはまります。この項目の税率は10%なので、課税所得に10%をかければ具体的な数字が求められるということです。所得税額を単純な計算式で表すなら「課税所得金額×税率-課税控除額」となります。なお、2013~2037年までの25年間はこれらに加えて、東日本大震災に関する復興特別所得税がかかります。この税率は2.1%になっているので、忘れずに計算しなければいけません。つまり、今までの方法で計算した税額に加えて、102.1%をかけたものが実際に納める税金ということになります。一般的には、国税庁のホームページにある「給与所得の源泉徴収税額表(月額表)」を参照して計算します。

源泉徴収票の項目「社会保険料等の金額」

「社会保険料等の金額」の項目はその名の通り、1年間に支払った社会保険料を表しています。具体的には健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料、介護保険料の合計額です。また、各項目で支払った金額については、所得控除を受けられます。それぞれの保険料の意味は下記の通りです。

健康保険料

多くの人に身近な存在の健康保険料は、病気やケガをしたときに一定割合の自己負担だけで医療を受けられるようにする制度です。この制度があるおかげで安心して生活できます。

厚生年金保険料

厚生年金保険料も多くの人にとって身近な存在であり、年金の支給を受けるために毎月払っています。厚生年金保険料を払うことで、法律で定められた年齢に達すると年金の支給が開始され、安心した老後を迎えられるのです。

雇用保険料

雇用保険料は失業保険を受けるためのものです。たとえば、今の職場を退職したとき、次の仕事が見つかるまでは多少の時間がかかるかもしれません。そのあいだに収入がないと生活が不安定になってしまうので、一定条件を満たせば失業保険という形で受給できるのです。

介護保険料

介護保険料は介護サービスを受けるための保険料で、40歳以上になると支払う義務があります。なお、介護保険の加入者は65歳以上を対象にした第1号被保険者と、40歳から64歳を対象にした第2号被保険者の2つに分けられています。

源泉徴収票の項目「生命保険料の控除額」

生命保険料、介護医療保険料、個人年金保険料のいずれかを支払ったときは、一部の金額を生命保険料の控除にできます。「生命保険料の控除額」という項目は、いずれかの保険料を支払った際の控除額を表したものになります。注意点としては、年末調整時に申告をしていないと控除されないということです。つまり、忘れずに申告することで初めて、所得税と住民税の負担を軽減できるのです。各項目の具体的な意味については、下記のようになります。

生命保険料

生命保険料とは、生存または死亡に基因して、一定額の保険料を受け取るためのものです。生命保険料の所得税における控除限度額は年間4万円となっています。

介護医療保険料

介護医療保険料は入院や通院などに伴う給付部分に係る保険料で、疫病または障がいなどの医療費と深い関係性があります。なお、介護医療保険料についても所得税における控除限度額は年間4万円です。

個人年金保険料

個人年金保険料は満60歳になってから年金を受け取るための保険料です。こちらについても、年間の控除限度額は4万円となっています。

このように、生命保険料、介護医療保険料、個人年金保険料の年間控除限度額はすべて同じ金額で、合計で年間12万円の控除を受けられます。

源泉徴収票を理解し収入や払った税金を把握しておくメリット

源泉徴収票に記載されている内容を把握するメリットは3つあります。まず、控除の漏れやミスを確認できるということです。源泉徴収票の見方がわからないときは、計算された数字を鵜呑みにするしかありませんが、多少なりとも知識があれば間違いを指摘できるでしょう。これはつまり、節税につながるかもしれないのです。次のメリットとしては、手取り年収がわかるということです。一般的に、年収は所得税などを引く前の金額なので、実際の生活費として考えるのは現実的ではありません。しかし、手取り年収を理解しておけば、リアルな生活のサイズ感がわかるということです。しっかりとした生活のサイズ感がわかることで、日々の出費などを見直すことも可能です。

最後のメリットとして、家のローンを組むなどの人生の大きな節目を迎えたとき、シミュレーションしやすくなります。仮に年収が曖昧な状態だと、正しいシミュレーションはできないでしょう。しかし、正確な年収を把握していれば、ローンを組むときに金額が妥当かどうか、現実に即した予測や判断がしやすくなります。

自分の収入を正確に把握しよう

源泉徴収票を読み解くことで自分の年収や所得、1年間に支払った税額がわかります。そのため、源泉徴収票の内容を理解できれば、手取りの年収についても正しく把握できるでしょう。自分の収入を正確に把握することは、たとえば大きな買い物の際に支払う金額が妥当なものかどうかを、客観的に判断できるなどのメリットがあるのです。

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