2020.3.16
目標管理シートとは?効果的な活用方法や作成のポイント・メリット
会社で目標管理を実施する際に、現場で必ず使用されるものとして目標管理シートがあります。当然のように使われている目標管理シートですが、それを使用する意味が明確になっていなければなりません。具体性がなかったり、無駄に項目が多かったりするのは失敗の元です。
本記事では、目標管理シートを実際に運用するときのコツや活用方法などについて詳しく解説します。目標管理シートの作成に迷っている方は、ぜひ参考にしてください。
職種別の記入例や例文は、「【例文50選】目標管理シートの書き方や記入例|事務職・営業職など職種別に紹介」で詳しく解説しています。
目次
目標管理シートとは
目標管理シートとは、目標管理制度(MBO)を実施する際に、個人の目標や成果、目標を達成するための道のりや期間、評価基準などを記載し管理するためのシートです。
目標管理シートは、Excelやスプレッドシートの形式で作成されることが多く、このシート内に組織としての目標、およびそれに対する個人目標を記載します。目標管理シートに記載すべき項目については、本記事の「目標管理シートに必要な項目」を参考にしてください。
目標管理制度(MBO)とは
目標管理制度(MBO)は「Management By Objectives(目標による管理)」の略で、企業における目標管理制度についての概念です。もともとは経営学者であるピーター・ドラッカーが提唱したもので、人材の評価や育成といった側面も持った考え方になっています。
MBOでは、従業員ごとに目標設定を行うのが前提です。ただし、目標は各自が勝手に決めればよい訳ではなく、あらかじめ上司と話し合って合意を得るようにします。その上で最終的に目標を達成できたかどうかを確認すれば、それを人材の評価とすることができます。この目標による管理は「目標管理シート」を用いて行うことが一般的です。
目標管理制度(MBO)について、より詳しく知りたい方は「目標管理制度(MBO)とは|メリットや失敗例、運用ポイントを紹介」もおすすめです。
目標管理制度が必要な理由
目標管理制度が必要な理由は、組織の方向性を考慮した目標設定を作成することで、組織と個人の目標がブレないようにするためです。いくら向上心のある目標を立てたとしても、組織と方向性がずれていれば、評価はしにくくなります。組織としての目標達成、および個人のモチベーション維持を同時に目指すアプローチとして目標管理制度は存在するのです。
目標管理が単なるノルマの管理になってしまうと、その効果は半減します。目標を明確に設定し、メンバーが自主的にやり遂げることが大事になるでしょう。各メンバーが目標を達成することで自信をつけ、能力が開花するような道筋を作ることが目標管理制度の基本的な考え方です。また、各メンバーがよい目標を持っていても、それをうまく運用できなければ台無しになりかねません。目標管理制度は各メンバーの目標を上手くマネジメントする役割も大きいです。
「MBO」と「OKR」の違いとは
最近注目されているOKRというマネジメント手法。OKRは「Objectives and Key Results」の略で、会社が定める目標と、その会社で働く社員の目標を紐付ける目標管理方法のことを指します。世界的な有名企業でも導入されていることから、多くの企業から注目されています。
OKRでは、まず、会社としての目標を、達成するための鍵となる重要な成果に分解していき、目標に対して、それを達成するためにはどのような要素が必要かという成果指標を出していくのが効果的です。会社としての目標と成果指標が出せたら、この作業と同様に、チームと個人の目標の鍵となる重要な成果をそれぞれ決定していきます。会社、チーム、個人のそれぞれの鍵となる成果を決定したら、会社とチーム、また、チームと個人の目標の鍵となる重要な成果を紐付けていきましょう。このように、それぞれの階層ごとの鍵となる成果を紐付けていくことで、個人の目標達成が会社としての目標達成に貢献できることが分かるようになります。これがOKRです。
MBOとOKRの違いはこちらの記事でも解説しています。
目標管理シートの目的
目標管理シートを使う目的は、目標を正しく管理することです。目標を達成するまでのプロセスをはっきりさせることで、進捗や達成度を管理したり、評価しやすくしたりします。目標管理シートの仕組みはExcelやスプレッドシートなどの形式で作成されるケースが多いです。このシート内に、組織としての目標、およびそれに対する個人目標を記載します。評価期間も明確に決め、定期的にその遂行状況を上司やメンバーで把握し、達成に向けて運用を行っていきます。
目標管理シートを作成するメリット
目標管理シートを作成するメリットとしては、「従業員の能力向上や組織の成長につながる」「目標達成の進捗状況がわかりやすくなる」「会社と従業員をつなぐコミュニケーションツールになる」ことなどが挙げられます。それぞれ詳しく解説します。
従業員の能力向上や組織の成長につながる
メンバーに正しく目標管理を実施できれば、各メンバーが成長するだけでなく、結果として会社の業績向上にも繋がります。会社の利益アップのためにも、目標管理シートを正しく運用することを徹底することが重要です。紙やExcelで、目標管理シートを作るのも最初はよいかもしれません。ただし、長年運用したり、メンバーが増えたりすれば不都合が生じてきますので、早い段階で目標管理ツールに乗り換えるのが得策です。
目標達成の進捗状況がわかりやすくなる
目標管理シートを通して目標のすり合わせを実施することで、目標達成への進捗が確認できますし、各メンバーの行動がずれていれば軌道修正するなどのマネジメントが可能です。
会社と従業員をつなぐコミュニケーションツールになる
目標管理シートは会社とメンバーが同じ目標に向かっていることを認識させるコミュニケーションツールの役目も果たします。会社として実現したいミッションの推進を組織内の共通認識として設定し、業務の遂行を通してメンバーがレベルアップすることを後押しするのです。
目標を立てるときだけでなく、実際に目標管理シートで評価を下す際にも入念なコミュニケーションが必要となります。過大評価、過小評価をしてはいけませんし、成果の分析や、至らない点を今後どうするかも具体的に話さなくてはなりません。これらに的確に対応するには日々の情報収集が大事です。メンバーが納得できるような評価を下すには、その根拠となる情報を集めておく必要があるのです。目標管理シートの結果を評価面談の場だけで出そうとするのはやめるようにしましょう。
目標管理シートに必要な項目
目標管理シートを作成する際に必要となる主な項目は以下の4つです。
- 具体的な目標
- 目標達成までの期日
- 目標達成の評価基準
- 結果の振り返り
4つの項目が必要な理由やポイントなどについて以下で詳しく解説します。
具体的な目標
目標の設定は、目標管理シートを作成するうえでもっとも重要となる項目です。このときポイントになるのは、具体的な目標を掲げることです。例えば、「売上目標110%を超える」「毎日20分は新聞を読む」など数値も一緒に明記することで、より具体的な目標となり、目標がブレにくくなります。
また、目標が複数ある場合は、3つ程度に絞ってください。目標が多すぎるとなにから始めればよいのか迷ってしまい、1つも達成できない恐れがあるからです。目標の達成を中途半端にしないためにも目標を絞ることが大切です。
事務職・営業職・技術職など、職種別の目標設定の例文については「【例文50選】目標管理シートの書き方や記入例|事務職・営業職など職種別に紹介」で詳しく紹介しています。また、看護師の目標設定について知りたい方はこちらの記事を、事務職の目標設定について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
目標達成までの期日
目標達成までの具体的な課程を記載します。期日は基本的に数ヶ月〜1年間が目安となりますが、その目的に適した期間を設定してください。目標達成までの期日には、目標達成に向けてどのような行動が必要になるのかも記載します。
期日を決めておくことで、今やるべきことが明確になるため、スケジュールを立てやすくなります。また、スケジュールに応じた軌道修正もしやすくなります。
なお、期日を1年以上に設定した場合でも問題ありません。繰り返しになりますが、あくまでも目標に適した時期を期日にすることが大切です。
目標達成の評価基準
目標達成のためには評価基準の設定も重要です。評価基準があることで目標達成の動機付けになるほか、評価する際の材料にもなります。
評価基準は、設定した目標に対してどの程度達成できているか、段階別に分けることが大切です。例えば、「TOEIC750点を取る」という目標に対し、750点以上ならA、700〜749点はB、699点以下ならCと記載するなど、評価基準をランク形式にすると評価しやすくなります。
結果の振り返り
評価基準をもとに、どの程度達成できたのか評価した結果について記入します。結果だけを記入するのではなく、なぜ目標を達成できたのか、あるいはできなかったのか、それぞれの理由を振り返ることがポイントです。それにより、改善すべき点や次に活かせる点が見えてきます。
また目標管理シートには、本人の振り返りだけでなく、確認した上司が自由にフィードバックできる欄も用意してください。フィードバックで得た客観的な意見は、次の目標を立てるときに活用できるからです。
目標管理シートに活用できるフレームワーク4選
目標管理シートには、最初に組織の方向性と一致した個人目標を記載します。しかし、「目標設定の方法が分からない」「目標が思いつかない」と悩んでしまう方も多いのではないでしょうか。ここでは、目標設定に活用できるフレームワークを4つご紹介します。
①SMARTの法則
目標を明確に設定する手段としてよく使われるのが「SMARTの法則」というフレームワークです。SMARTの法則とは、Specific(具体的な、わかりやすい)、Measureable(計測可能な)、Achievable(達成可能な)、Relevant(関連性)、Time-bound(期限が明確である)という5つの言葉の頭文字をとったものです。それぞれ詳しく解説します。
Specific:具体的な、わかりやすい
先頭の「S」は「Specific」を指します。これは「具体的に、分かりやすい」という意味です。
例えば、「新人を優秀な部下に育成する」という目標を立てたとしたら、なにをもって優秀な部下なのかをあらかじめ定義する必要があるでしょう。目標よりも契約件数を取れる、顧客に対してひとりでプレゼンができるなど、客観的に判断できる基準を用意したうえで、目標を記載します。
Measurable:計測可能、数字になっている
「M」は「Measurable」のことで、「計測可能、数字になっている」という意味です。例えば、「部下と多くのコミュニケーションをとる」、「売り上げを伸ばす」といった曖昧な目標では、具体的なアクションが見えず、達成できたかどうかの判断もできません。「週に1回、部下と20分のミーティング時間を取る」、「30件の新規顧客を獲得し、売上を500万円アップさせる」など、目標はできるだけ計量が可能な内容で設定することがおすすめです。具体的な記載であれば、目標とアクションにギャップがないかを相談しやすく、達成できたかどうかの基準も明確となります。
Achievable:達成可能な
「A」は「Achievable」、つまり「同意して、達成可能な」の意味です。高い目標を設定するのは立派なことですが、実現不可能な目標を立てるのは避けなくてはなりません。
例えば、入社して間もない社員が「資格を1年で5つ以上取る」といった目標を立てたとしたら注意が必要です。資格の性質や難易度にもよりますが、基本的に資格取得の勉強は業務時間外にするものです。本来の業務にもまだ慣れていない新人に負担がかかり過ぎると、モチベーションが低下する恐れがあります。疲れがたまれば、業務効率も悪くなるでしょう。目標はあくまで実現可能かどうかをよく意識して記載するのがポイントです。
Relevant:関連性
「R」は「Relevant」、「関連性」を示します。目標は達成した先に何があるのかをよく考えなくてはなりません。「A」の「Achievable」の説明で新人が資格を取る話をしましたが、資格はなんでもとればよいという訳ではありません。その資格を取ることで、どうなるのかをしっかり説明できなければ目標としては不十分です。例えば、Excelの資格を取得することで、データ入力にかける時間を1割削減します、といった記載ができるとよいです。
Time-bound:期限が明確である
最後の「T」は「期限が明確である」の意味です。目標設定を行っても目標を達成する期限がなければ、うまくモチベーションを保つことができません。期限はややタイトに設定するほうが集中しやすいと言われています。だらだらとした日々を送らないためにも、期限はしっかりと定めるようにしましょう。
SMARTの法則の発展系:「SMARTER」「SMARTTA」
「SMART」の法則を進化させた発展型として、「SMARTER」や「SMARTTA」という法則もあります。
まず、「SMARTER」は、「SMART」に「ER」が追加されています。「E」は「Evaluated(評価される)」という意味で、ビジネスの世界で考えると上司に評価されるというニュアンスです。「R」は「Recognize(承認)」の意味を持ち、「SMARTER」は上司の評価や承認を得たかどうかという項目が明確に追加されています。
「SMART」に「TA」を追加した「SMARTTA」は、「T」は「Trackable(取り組みの経過を把握できる)」、「A」は「Agree(当事者同士の合意)」という意味を付け加えた方式です。「SMARTTA」の方式で目標を立てるのであれば、周囲が納得できるものかどうかについて、より考える必要が出てくるでしょう。
SMARTの法則についてはこちらの記事で解説しています。
②ベーシック法
ベーシック法は、4つのステップに分け、目標設定を行っていく手法です。
1. 目標項目の設定
目標項目は、「向上・強化」「改善・解消」「維持・継続」「創出・開発」の4つに分けられます。この4つのうち、達成したい目標をどれにするか一つに絞ることでより明確な目標を設定することができます。
2.目標達成基準の設定
何を持って「目標を達成した」と判断するか基準を定めます。定性的な基準よりも数値化できる定量的な基準の方が達成までのプロセスが可視化しやすくなります。
3.目標期日の設定
「いつまでに目標を達成するか」を決めます。
4.目標達成までの計画
「どのように目標を達成するか」を具体的に決めます。どのようなプロセスを経てゴールにたどり着くかを考える中で、目標達成に必要なツールやリソース、スケジュール感などもしっかり検討しましょう。
③三点セット法
三点セット法とは、「テーマ」「達成レベル」「達成手段」の3つの観点に沿って目標設定を行う手法のことです。先ほど紹介したベーシック法のフレームワークをさらに深掘りした手法が三点セット法です。
■ テーマ
まず「何を達成するのか」というテーマを設定します。テーマ設定にあたって、テーマが決まらない場合は、下記の観点で考えると良いでしょう。
安・正・早・楽(あん・せい・そう・らく)
安・正・早・楽とは、「より安く、より正しく、より早く、より楽に」という頭文字をとった用語で、業務を行う際に理想とされることを示したものです。例えば、「よりコストを抑えることはできないか」「よりスピードをあげて納品することはできないか」という視点で、業務目標を立てると良いでしょう。
自己否定
自己否定とは「もし〇〇ではなかったら」という仮定を行い、目標となるテーマを決めることです。例えば、「もし自分の情報共有不足で、先方と認識違いが生じ、プロジェクトがうまくできなかったら」と仮定することで、「定期的に情報共有を行い、早い段階で認識合わせをすることで、大きなずれを防ぐ」など目標を立てることができます。
プロセスチェック
プロセスチェックとは、日々の業務プロセスの中から改善すべき点を見つける手法のことです。最初に克服したいこと・達成したいことを定め、日々の業務の中でそれらの目標に関連する内容がないか洗い出すことで、改善できそうな目標を設定することができます。
■ 達成レベル
テーマに到達できたかどうかを判断するための指標を「達成レベル」と言います。できるだけ具体的な数値を定めることが望ましいとされていますが、0 or 100の極端な数値ではなく、現状から判断して適切と思われる値を設定しましょう。
■ 達成手段
達成手段はその名の通り、テーマをどのようなプロセスで達成するかを意味します。テーマを達成するために、次に何をするべきかが具体的にわかる粒度で行動計画を立てると良いでしょう。
④ ベンチマーキング法
マーケティングの現場などにおいては、自社サイトのアクセス数がKPIとなることも少なくありません。その際、競合サービスを展開する企業のホームページをベンチマークにし、自社が目指すべき基準として定めることがあります。
「ベンチマーク」という言葉には、「指標」「基準」といった意味があり、自分が目指すべき指標を達成している他者を基準にして、目標を立てていくことをベンチマーキング法と言います。
ベンチマーキング法による目標設定の具体的な流れをご紹介します。
■ ベンチマークの設定
ベンチマークとなる指標または人物を決めます。この際、偉業を成し遂げた人物やずば抜けた業績を納めた企業などをベンチマークに置くのではなく、現状を客観的に分析した上で今の自分にとって「少し頑張れば手が届きそう」な実現可能そうな範囲のものを選定しましょう。
■ ベンチマークの情報分析
ベンチマークとなるもの・人物の情報を収集し分析することで「ベンチマークにはあるが、自分にはないもの」を見つけましょう。
■ 目標設定
自分に不足しているものを見つけたら、それを補うためにはどうしたらいいか?という観点で目標を設定しましょう。
■ 達成度合いの検証
目標を設定し、実行したあとは、ベンチマークと自分の差がどの程度埋められたかをしっかり検証しましょう。
目標管理シートを活用するためのポイント
目標管理シートは作成して終わりではありません。活用し続けて従業員の成果や組織の成長につなげていくことが大切です。ここでは、目標管理シートを活用するためのポイントを解説します。
最適な人事評価制度や目標設定ができている
目標管理シートの活用は適切な人事評価、適切な目標設定ができていることが大前提です。また、組織と個人の目指す場所が同じであることの確認も必須です。評価をするメンバーはひとりだけでなく、複数いる場合も多いでしょう。複数いるのであれば、人によって意見が変わるのは当然のことです。目標管理シートの内容がアバウトだと、認識のずれは避けられません。評価者と被評価者の認識にズレがでないよう、目標には客観性を持たせるようにしてください。目標管理シートは上司が部下を一方的に、主観的に評価するものではありません。相互で納得できるようなものでなくては目標管理シートを作成する意味は薄くなるでしょう。
目標達成に向けたフォローを適宜行う
設定した目標の達成度合いは中間面接などを設定し、段階的に判断していくべきです。状況確認を適宜実施しながら、なにか問題が発生しているようであれば、積極的なフォローが必要となります。評価者と被評価者で目標管理シートを共有しておき、いつでも見られるようにしておけば、お互いの認識が合わせやすくなるでしょう。可能であれば、過去のデータもみられたほうがなおよいです。メンバーのかかえている問題や成長の幅がより確認しやすくなります。
目標管理シートの失敗例
目標管理シートを作成するうえで陥りやすい失敗例として、「目標の数が多すぎる」「上司・部下間の目標のすり合わせが不十分」「抽象的な目標を立ててしまう」などがあげられます。それぞれ詳しく解説します。
失敗例1:目標の数が多すぎる
目標管理シートの項目が多すぎたり、目標の数が多すぎると失敗する可能性が上がります。なぜなら、項目が多いほど、注力すべき目標がわかりにくくなるためです。達成のためのプロセスが複雑化するのもネックとなります。必要以上に多い項目を設定することで、結果的にどの目標も達成できないような事態になる場合もあるでしょう。仕事内容や役職によっても変わってきますが、目標は多くても5個程度が妥当です。
失敗例2:上司・部下間での目標のすり合わせが不十分
また、目標のすり合わせが不十分だと、メンバーのモチベーションは低くなります。無理やりに決めた目標を設定してしまうと、それはただの項目の羅列です。達成に向けたコミットメントは成熟しないでしょう。目標のハードルの高さもそのメンバーにあった内容を考慮してください。低すぎると成長に繋がりませんし、高すぎるのはモチベーションダウンへと繋がります。成果主義の考えが強すぎる上司の場合、部下にもそれを強要するケースがあります。過剰な期待は部下を疲弊させ、下手をすると退職に追い込むリスクもあるでしょう。そうなってしまうと、目標達成どころの話ではなくなります。
失敗例3:抽象的な目標を立ててしまう
目標を立てる際、きれいな言葉だけを並べる人がいますが、これも問題です。どれだけ聞こえがよい目標を立てたとしても、抽象的な目標は避けなくてはなりません。どのようなアクションを起こすべきか判断のつかないものは目標として意味をなさないのです。多少、表現が乱れてもかまいませんので、自分らしい目標を立てるようにすることが重要です。一度提示した目標と同じような目標を繰り返し立てるのも成長に繋がらないのでよくありません。似たような目標を常に出す人が増えると、目標管理シートは形骸化していきます。
目標管理シートが運用に乗らない理由
目標管理シートを紙やExcel管理にしてしまうと、うまく運用ができないことがあります。なぜなら、Excel管理はファイル数が膨大になり、時間の経過や従業員数の増加により管理しきれなくなる時が来るからです。
また、通常、評価者となる上司は複数のメンバーを管理するため、Excelでの管理には限界があるでしょう。従業員ごとの目標達成度をリアルタイムで追いづらいのもネックです。目標の進捗具合を視認する点において、Excelはあまり向いていません。一回のみの評価であれば、なんとか対応できるかもしれませんが、過去のデータまで追うとなると困難でしょう。Excelは過去のデータと紐づけられないので振り返りに適していないのです。
目標管理シートをシステム化するのもおすすめ
Excelや紙の目標管理シートを利用した場合だと、どうしても配布、回収、確認がアナログになってしまいやすく、人事やマネージャー層の負担も大きくなり、形骸化の恐れも否めません。目標管理シートを紙やExcelで管理している場合は、システム化を検討するのもおすすめです。
サイダスが提供するタレントマネジメントシステム「CYDAS(サイダス)」は、経営、人事、マネジメントなどさまざまな分野で使用でき、目標管理を効果的に行えます。また、システムで効率的な運用を行うことで、組織目標に沿った目標立てを促したり、進捗を把握し、フィードバックを行うための面談を行うなど、成長のための目標管理を実施できます。
CYDASではテンプレートの項目などは組織で現在運用中の制度に合わせて柔軟に設定できます。テンプレートなどの設定は導入作業に含まれるため、開始時期を明確にすることで、導入後にすぐに実施できる体制を整えることができます。
また、目標管理のほか、組織の中で高い能力や成果をあげる社員の行動特性を指標として設定し、人事評価を行う「コンピテンシー評価」や、組織のミッション・ビジョン・バリューや企業理念に沿った行動を評価する「バリュー評価」、同僚や部下など複数名が多角的に評価を行う「360度評価」など多様な評価に対応しています。
稼働後、わからないことがあれば、一般社員の方からのお問い合わせにもサポートスタッフが対応いたしますので、人事に問い合わせが集中するという心配も軽減できます。操作性に優れ、誰でも簡単にあつかえるユーザーインターフェースになっているのも魅力のひとつです。
スタートアップ企業から大企業まで、多種多様な企業へ導入実績がありますので、まずはお気軽にお問合せください。
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