2020.03.16

目標管理シートとは?その必要性と活用方法について

目標管理シートとは?その必要性と活用方法について

会社で目標管理を実施する際に、現場で必ず使用されるものとして目標管理シートがあります。当然のように使われている目標管理シートですが、それを使用する意味が明確になっていなければなりません。具体性がなかったり、無駄に項目が多かったりするのは失敗の元です。本記事では、目標管理シートを実際に運用するときのコツや、疑問に答えていきます。

目標管理シートの目的と仕組み

目標管理シートを使う目的は、目標を正しく管理することです。目標を達成するまでのプロセスをはっきりさせることで、進捗や達成度を管理したり、評価しやすくしたりします。目標管理シートの仕組みはExcelやスプレッドシートなどの形式で作成されるケースが多いです。このシート内に、組織としての目標、およびそれに対する個人目標を記載します。評価期間も明確に決め、定期的にその遂行状況を上司やメンバーで把握し、達成に向けて運用を行っていきます。

目標管理制度が必要な理由

目標管理制度が必要な理由は、組織の方向性を考慮した目標設定を作成することで、組織と個人の目標がブレないようにするためです。いくら向上心のある目標を立てたとしても、組織と方向性がずれていれば、評価はしにくくなります。組織としての目標達成、および個人のモチベーション維持を同時に目指すアプローチとして目標管理制度は存在するのです。

目標管理が単なるノルマの管理になってしまうと、その効果は半減します。目標を明確に設定し、メンバーが自主的にやり遂げることが大事になるでしょう。各メンバーが目標を達成することで自信をつけ、能力が開花するような道筋を作ることが目標管理制度の基本的な考え方です。また、各メンバーがよい目標を持っていても、それをうまく運用できなければ台無しになりかねません。目標管理制度は各メンバーの目標を上手くマネジメントする役割も大きいです。

目標管理シートは会社と従業員間でのコミュニケーションツール

目標管理シートを通して目標のすり合わせを実施することで、目標達成への進捗が確認できますし、各メンバーの行動がずれていれば軌道修正するなどのマネジメントが可能です。それ以外にも、目標管理シートは会社とメンバーが同じ目標に向かっていることを認識させるコミュニケーションツールの役目も果たします。会社として実現したいミッションの推進を組織内の共通認識として設定し、業務の遂行を通してメンバーがレベルアップすることを後押しするのです。

目標を立てるときだけでなく、実際に目標管理シートで評価を下す際にも入念なコミュニケーションが必要となります。過大評価、過小評価をしてはいけませんし、成果の分析や、至らない点を今後どうするかも具体的に話さなくてはなりません。これらに的確に対応するには日々の情報収集が大事です。メンバーが納得できるような評価を下すには、その根拠となる情報を集めておく必要があるのです。目標管理シートの結果を評価面談の場だけで出そうとするのはやめるようにしましょう。

目標管理シートに必要な項目

目標管理シートはメンバーそれぞれの目標を経営目標や部門目標とリンクさせ、業績をアップさせるためにあります。能力開発、業務遂行、業務改善、業績の4つの観点で目標を立てるとよいでしょう。目標管理シートでまず必要になる項目としては「具体的な目標」があげられます。設定した目標が曖昧だと、評価がしにくくなるケースが多くなります。目標は基本的に数字とセットで決めるのがセオリーといえるでしょう。数字であれば評価は一目瞭然です。もちろん、なかには数値化するのが困難な目標もあります。そのような場合は定性的な目標になるのも致し方ないでしょう。

「達成までの期日」も目標管理シートの基本項目のひとつです。半年、1年、もしくはそれ以上のスパンでもかまいませんので、その目標に適した期間を設定することになります。期限が決まれば、今しなくてはならないことが明確化されるでしょう。スケジュールに応じた軌道修正もしやすくなります。目標と期日が決まれば、「目標に向けての取り組み」を具体的に記載する項目も必要になるでしょう。実現方法がはっきりイメージできていなければ、目標は達成できません。どうすれば目標が達成できるか、上司などとコミュニケーンを取って考えていくことになります。「取り組み内容のチェック方法」も併せて決めておき、達成度合いを定期的に確認できるようにしておくのも大切です。

目標管理シートの記入例

目標管理シートは前段落で説明した「目標管理シートに必要な項目」と自分がやるべきミッションを踏まえ、具体的に記載する必要があります。目標を明確に設定する手段として「SMART」がよく使われますので紹介しましょう。

先頭の「S」は「Specific」を指します。これは「具体的に、分かりやすい」という意味です。例えば、「新人を優秀な部下に育成する」という目標を立てたとしたら、なにをもって優秀な部下なのかをあらかじめ定義する必要があるでしょう。目標よりも契約件数を取れる、顧客に対してひとりでプレゼンができるなど、客観的に判断できる基準を用意したうえで、目標は記載します。

「M」は「Measurable」のことで、「計測可能、数字になっている」という意味です。目標はできるだけ計量が可能な内容が望ましいでしょう。「部下と多くのコミュニケーションをとる」、「売り上げを伸ばす」といった曖昧な目標では、具体的なアクションが見えませんし、達成できたかどうかの判断もできません。「週に1回、部下と20分のミーティング時間を取る」、「30件の新規顧客を獲得し、売上を500万円アップさせる」など、具体的な記載であれば、目標とアクションにギャップがないかを相談しやすいですし、達成できたかどうかの基準も明確となります。

「A」は「Achievable」、つまり「同意して、達成可能な」の意味です。高い目標を設定するのは立派なことですが、実現不可能な目標を立てるのは避けなくてはなりません。例えば、入社して間もない社員が「資格を1年で5つ以上取る」といった目標を立てたとしたら注意が必要です。資格の性質や難易度にもよりますが、基本的に資格取得の勉強は業務時間外にするものです。本来の業務にもまだ慣れていない新人に負担がかかり過ぎると、モチベーションが低下する恐れがあります。疲れがたまれば、業務効率も悪くなるでしょう。目標はあくまで実現可能かどうかをよく意識して記載するのがポイントです。

「R」は「Relevant」、「関連性」を示します。目標は達成した先に何があるのかをよく考えなくてはなりません。「A」の「Achievable」の説明で新人が資格を取る話をしましたが、資格はなんでもとればよいものではないでしょう。その資格を取ることで、どうなるのかをしっかり説明できなければ目標としては不十分です。例えば、Excelの資格を取得することで、データ入力にかける時間を1割削減します、といった記載ができるとよいです。最後の「T」は「期限が明確、今日やる」の意味。目標は期限がなければ、モチベーションが保てません。期限はややタイトに設定するほうが人は集中しやすいです。だらだらとした日々を送らないためにも、期限はしっかりと定めるようにしましょう。

「SMART」の法則を進化させた発展型もいくつかあるので、一応覚えておいたほうがよいです。まず、「SMARTER」です。これは「SMART」に「ER」が追加されています。「E」は「Evaluated」で「評価される」という意味を持ちます。ビジネスの世界で考えると上司に評価されるというニュアンスがしっくりきます。「R」は「Recognized」で「承認」の意味です。つまり、「SMARTER」は上司の評価や承認を得たかどうかの項目が明確に追加されています。

「SMART」に「TA」を追加した「SMARTTA」という方式もあります。「T」は「Trackable」、「A」は「Agreed」です。「Trackable」は「目標に対してどのレベルに達しているか、次のステップに必要なことはなにか」の確認を意味します。「Agreed」は「当事者同士の合意」です。「SMARTTA」の方式で目標を立てるのであれば、周囲が納得できるものかどうかについて、より考える必要が出てくるでしょう。

目標管理シートを活用するためのポイント

目標管理シートの活用は適切な人事評価、適切な目標設定ができていることが大前提。また、組織と個人の目指す場所が同じであることの確認も必須です。評価をするメンバーはひとりだけでなく、複数いる場合も多いでしょう。複数いるのであれば、人によって意見が変わるのは当然のことです。目標管理シートの内容がアバウトだと、認識のずれは避けられません。評価者と被評価者の認識にズレがでないよう、目標には客観性を持たせるようにしてください。目標管理シートは上司が部下を一方的に、主観的に評価するものではありません。相互で納得できるようなものでなくては目標管理シートを作成する意味は薄くなるでしょう。

設定した目標の達成度合いは中間面接などを設定し、段階的に判断していくべきです。状況確認を適宜実施しながら、なにか問題が発生しているようであれば、積極的なフォローが必要となります。評価者と被評価者で目標管理シートを共有しておき、いつでも見られるようにしておけば、お互いの認識が合わせやすくなるでしょう。可能であれば、過去のデータもみられたほうがなおよいです。メンバーのかかえている問題や成長の幅がより確認しやすくなります。

目標管理シートの失敗例

目標管理シートの項目が多すぎると、失敗する可能性が上がります。項目が多いほど、注力すべき目標がわかりにくくなるためです。達成のためのプロセスが複雑化するのもネックとなります。必要以上に多い項目を設定することで、結果的にどの目標も達成できないような事態になる場合もあるでしょう。仕事内容や役職によっても変わってきますが、目標は多くても5個程度が妥当です。

また、目標のすり合わせが不十分だと、メンバーのモチベーションは低くなります。無理やりに決めた目標を設定してしまうと、それはただの項目の羅列です。達成に向けたコミットメントは成熟されないでしょう。目標のハードルの高さもそのメンバーにあった内容を考慮してください。低すぎると成長に繋がりませんし、高すぎるのはモチベーションダウンへと繋がります。成果主義の考えが強すぎる上司の場合、部下にもそれを強要するケースがあります。過剰な期待は部下を疲弊させ、下手をすると退職に追い込むリスクもあるでしょう。そうなってしまうと、目標達成どころの話ではなくなります。

目標を立てる際、きれいな言葉だけを並べる人がいますが、これも問題です。どれだけ聞こえがよい目標を立てたとしても、抽象的な目標は避けなくてはなりません。どのようなアクションを起こすべきか判断のつかないものは目標として意味をなさないのです。多少、表現が乱れてもかまいませんので、自分らしい目標を立てるようにすることが重要です。一度提示した目標と同じような目標を繰り返し立てるのも成長に繋がらないのでよくありません。似たような目標を常に出す人が増えると、目標管理シートは形骸化していきます。

直接部門と間接部門の目標設定のコツ

会社には直接部門と間接部門があります。直接部門とは会社に直接利益を与える部門です。具体的にいうと営業、販売、開発などの部門が該当します。会社の売上を支える花形部署であることが多く、就職活動の学生にも人気です。給与水準は高い傾向にありますが、その分、出世争いが激しかったり、結果を求められたりする機会が多いでしょう。

間接部門は会社の利益に間接的に影響を与える部門です。社員全体が仕事をしやすい環境を整えたり、効率的に動けるようにしたりします。総務、人事、法務などが間接部門の仕事です。直接部門に比べると、縁の下の力持ち的な存在のため、仕事内容は少し地味かもしれません。しかし、会社にとっては欠かさすことのできない存在です。直接部門、間接部門、両方が機能しなければ、会社の業績は安定しないでしょう。

直接部門と間接部門では仕事の性質が異なるため、目標設定をする際には、部門によって分けて考えるべきです。また、掲げた目標は誰がみても明確でなければなりません。直接部門は比較定量的な売り上げなどがあるため、目標を数値化しやすいです。前述したSMARTのフレームワークなどを意識して設定すれば、問題なく目標設定できるでしょう。

一方、間接部門の目標設定は直接部門と比べると定量化するのが難しいですが、それでも数字は必要です。会社全体の目標に対し、間接部門がどの程度寄与できるかの数字を出すようにしましょう。例えば、会社全体として経費削減を目標にしているのであれば、総務部門で○○%削減といったように組織ごとで目標を落とし込みます。総務や品質管理部門に属する個人名をあげ、その社員で○%削減というように各社員レベルで設定してもよいです。

データを提示し、過去と比較して○○%ミスを減らす、といった説明をする方法もあるでしょう。目標設定にふさわしいデータがない場合は、業務改善のために行う具体的な工夫などを説明することになります。

目標管理シートが運用に乗らない理由

目標管理シートを紙やExcelにしてしまうと、運用には乗りません。Excelで管理するとなると、ファイル数が膨大になり管理しきれなくなるからです。通常、評価者は複数のメンバーを管理するため、Excelでの管理には限界があるでしょう。また、各社員の目標達成度をリアルタイムで追いづらいのもネックです。目標の進捗具合を視認する点において、Excelはあまり向いていません。一回のみの評価であれば、なんとか対応できるかもしれませんが、過去のデータまで追うとなると困難でしょう。Excelは過去のデータと紐づけられないので振り返りに適していないのです。

MBOツール「MBO Cloud」

CYDASがリリースしている「MBO Cloud」は経営、人事、マネジメントなどさまざまな分野で使用できる目標管理ツールのこと。契約してから設定までが数分で完了するため、使いたいと思えばすぐに導入可能です。稼働前、わからないことがあれば、CYDASのスタッフが手厚くフォローしてくれます。操作性に優れ、誰でも簡単にあつかえるユーザーインターフェースになっているのも魅力のひとつといえるでしょう。

「MBO Cloud」は従来の紙やエクセルではなく、システムによる目標管理のため、対象メンバーに対する目標の把握が簡単にできます。また、現在運用している目標管理シートの内容をそのまま移行できますので、これまでの管理方法を生かすことも可能でしょう。過去の評価履歴を閲覧できる機能があり、メンバーのマネジメントがよりしやすくなっています。

「MBO Cloud」を導入したあとに疑問点が出てきた場合に、サポートしてくれるサービスもあります。スタートアップ企業から大企業まで、多種多様な企業へ導入実績がありますので、どのような内容でも気軽に相談できるでしょう。

目標管理シートを正しく活用しよう

メンバーに正しく目標管理を実施できれば、各メンバーが成長するだけでなく、結果として会社の業績向上にも繋がります。会社の利益アップのためにも、目標管理シートを正しく運用することを徹底することが重要です。紙やExcelで、目標管理シートを作るのも最初はよいかもしれません。ただし、長年運用したり、メンバーが増えたりすれば不都合が生じてきますので、早い段階で目標管理ツールに乗り換えるのが得策です。

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