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2020.10.6

【人事異動】内示とは?辞令との違いや準備すべきこと教えます!

会社で人事異動が行われる際は、正式な辞令が出る前に内示で通達されることがほとんどです。しかし、内示と辞令と発令がどのように違うのかを知らないという人もいるでしょう。また、内示を受けたものの断れるのか、異動までにどのような準備をしなければならないのか気になっている人もいるはずです。ここでは内示についての基礎的な知識について詳しく解説します。

内示とは?

内示には大きく分けて人事内示と内示発注の2種類があります。人事内示とは、昇格や異動などの辞令を正式に出す前に、本人に通知や連絡を行うことです。部署の異動や転勤のほか、新入社員候補に対する内定も人事内示に含まれます。一方、内示発注は正式に発注を行う前に、契約内容を伝えることです。納期が迫っている場合などに、正式な契約をする前に内示発注を行うことがあります。ただし、内示発注にも法的な効力があるため、発注を取り消すのであれば賠償を求められる可能性も考慮しなければなりません。人事内示については、基本的に正式な辞令が出る1カ月前を目安に伝えられることが多くなっています。

内示では人事異動に関する内容が最も多く通達されます。そもそも、内示は辞令による異動などが必要な場合の準備期間を設けるために与えられるものです。内示を受けた従業員は、人事発令日に辞令を受け取ることになります。新しい部署に所属するのは人事発令日の翌日です。しかし、人事発令日に初めて異動や転勤を伝えられても、引継ぎなどの準備が間に合わないため、事前に内示で通達されるのです。そのため、転勤をともなう場合とそれ以外では、通達する時期が異なります。転勤をともなう場合は1カ月よりも前に通達が行われたり、内示の前に内々示が出たりすることもあるのです。

内示・辞令・発令の違いは?

会社から従業員に対して行われる通達には、内示や辞令、発令などの種類があります。まず、内示とは公に人事異動を発令するまえに、通達を受け取る本人など内輪にのみ伝えることです。あくまでも内示は非公式な通達であり、正式な決定ではありません。打診するために使われることもあります。辞令とはいわゆる業務命令です。特に人事異動に関わるものが辞令にあたります。会社は業務命令権を持つため、辞令を出された従業員は従わなければなりません。

業務命令を拒否できない旨は、入社時に交わされる契約書や就業規則等にも明記されています。そのため、いかなる理由があっても断ることはできません。辞令に従わなかった場合は業務命令違反と見なされ、懲戒処分を受けることもあります。発令は、内示や辞令のように具体的な内容が定められているわけではなく、異動を発令するなど、通達された内容が実際に行われるときに効果を発揮するものです。発令日などの形でよく使われます。

人事内示の種類

人事内示には大きく分けて異動内示と昇進・昇格内示、昇給内示の3種類があります。異動内示とは転勤や所属部署が変わる際に通達される内示です。正式な辞令が出る前に通知されるものの、どの程度の余裕を持って伝えるかについては法的な規定がなく、企業ごとに異なります。異動の際は引継ぎ作業などに準備が必要になるため、本人だけではなく関係部署にも通達しなければなりません。基本的に転勤など、引越しが必要な場合は早めに通達されるケースが多いです。一方で、職種によっては内示が行われてから異動まで1週間程度しか猶予がないという場合もあります。

昇進・昇格内示についても、いつまでに通知を行えばいいのかという期間については規定されていません。実際に昇進や昇格が行われる4カ月前を目安としている企業が多いものの一概にはいえず、会社や職種により異なります。なお、昇進や昇格が決定した直後に内示が伝えられるとは限りません。会社によっては正式に昇進や昇格を行う2~3カ月前から面接や審査による査定を行う場合もあります。昇級内示は、異動内示や昇進・昇格内示とは異なり、通達という形で労働者にまとめて知らされることが多いです。最初に総務など給与に関係する部署へ昇給に関する連絡が行われ、その後に対象となる労働者に一人ずつ内示が伝えられる会社もあります。

人事内示の通達方法

人事内示の通達方法は、通達する内容や会社によりさまざまです。よく使われる方法として、口頭や内示書、メールなどが挙げられます。口頭で通達する場合、直属の上司から面談形式で伝えられることが多いです。応接や会議室など、他の従業員の目がない場所で内示が行われます。転勤など、引越しをともなう異動の内示は、準備や手続きなどに関する話も行われるため、時間がかかることもあるでしょう。しかし、ほとんどの場合は昇進や昇格、異動が行われる旨について話すだけで終了します。内示書による通達は、時代とともにメールが普及してからは少なくなりつつある方法です。

内示は本人と関係者だけに伝えられるべきものであり、いわゆる機密情報にあたります。文書にすると外部に漏れやすくなることから、内示書にするのであれば管理を徹底しなければいけません。通達事項が多いのであれば、あらかじめ定型化しておくことで、通達漏れを防ぐことができます。メールは遠隔地で働いていたり出社していなかったりする従業員にも通達できるうえ、本人だけに伝えられることから、内示に適した方法です。文書と同じように定型文を作っておけば、より確実に通達ができるようになります。

内示の段階で異動を断ることはできる?

転勤をともなう異動など、内示によっては断りたいという場合もあるでしょう。内示の段階であれば、正式な辞令が出る前なので、断れる可能性がないとは言い切れません。そもそも、内示を通達する目的は転勤や異動の準備期間を設けるためだけではなく、内示を出された本人に断る機会を与えるためでもあります。

辞令は業務命令の範疇となるため、基本的には拒否できません。どうしても断りたいのであれば、辞職するしかありません。しかし、内示は正式な業務命令とは異なり、法的な拘束力はないのです。そのため、正式な理由さえあれば、断れる場合もあります。ただし、会社が転勤や異動を命じるのは、業務成績などを鑑みたうえでの判断です。断りたいと申し出ても、希望が通るとは限りません。

内示を断る正当な理由とは?

内示は正当な理由があれば、断ることも不可能ではありません。ただし、雇用契約書を交わした段階で勤務地や職種が限定されていたり、会社が不当なリストラを行う為に権利を濫用していたりなどの重大な理由がなければ、意義を申し立てても認められない場合が多いです。他にも、乳幼児や介護が必要な身内がいて、なおかつ自分しか面倒を見られない状況であれば、内示を断る理由になります。また、病気の治療のために転院ができないなど、転勤先で職務にあたれない理由がある場合も、断れる可能性があるでしょう。一方で、このような理由がなく、内示を断るのは難しいでしょう。

たとえ自宅を新築したばかりの状態でも、正当な理由とは認められないことがあります。内示を受理できない理由がある場合は、まず直属の上司に相談することが大切です。人事異動には配置の変更や引継ぎがともなうため、必ず直属の上司が関わってきます。今後の業務にも影響するため、最善の方法を導き出すためにも、直属の上司に相談する必要があるのです。転勤できない事情があれば、面接時に転勤の有無を確認したり、あらかじめ転勤を希望しない旨を伝えておくなどの対処が求められます。また、入社後も日頃から上司とコミュニケーションをとり、異動ができない事情を理解してもらうことも大切です。

内示が出たらすべきこと

内示が出たらすべきこと①

内示が出てから異動するまでの期間、何をすればいいのかわからないという人もいるでしょう。まず、これまでお世話になってきた上司には必ず挨拶をして、感謝の気持ちを伝えておきましょう。ただし、内示が出た時点ですぐにお礼を伝えるのは、かえって素っ気ない印象を与えてしまうため注意が必要です。挨拶は内示について一通り説明を受けた後、一呼吸おいてからのほうが無難です。心を落ちつかせておいたほうが、より丁寧に気持ちを伝えられるでしょう。また、内示が出た理由について聞いておくことも大切です。

誰をどの部署へ異動させるかは、会社の経営や人事を踏まえて決定されます。ただし、異動の対象となる従業員の個人的な事情については、考慮されていない場合も少なくありません。どのような戦略にもとづき、何が目的で異動になったのかは、できる限り詳しく聞いておいたほうが良いでしょう。万が一、理由を聞いたうえで異動が難しい事情がある場合は、内示が出てからしばらく時間を置いた後、改めて直属の上司に相談します。同時に、内示の詳細について確認するのも忘れてはいけません。

内示には辞令のような強制力はありません。しかし、内示が出た時点で異動はほぼ確定していると考えてよいでしょう。会社側も、異動後の構想はある程度固まっているはずです。異動を終えた後、スムーズに職務を始められるようにするためにも、辞令が正式に発令される日付や異動先、異動後の職務内容など、細かい情報を確認しておきましょう。

内示が出たらすべきこと②

上司に挨拶をして、内示の内容を確認したあとは、現時点で自分が担当している仕事の引継ぎを行います。引継ぎの段取りについては、直属の上司から指示を受けることがほとんどです。しかし、誰に何を引継ぐのかは、自分でも必ず確認しておきましょう。引継ぎの際は仕事の内容や手順をなるべく詳しく、わかりやすいように伝える必要があります。たとえ自分より勤務年数が長い人が引継ぎ相手でも、詳しく説明しなければなりません。

引継ぎが不十分だと、異動後も頻繁に確認の連絡が入る可能性があるため注意しましょう。また、異動先の上司に関する情報を調べておくことも忘れてはいけません。異動後に所属する場所や、一緒に業務にあたる人について知っておくことは、円満な人間関係を築くうえで非常に重要なポイントです。実際に異動先で働いている人はもちろん、異動先の部署に関わったことがある人や取引先など、できる限り多くの人から異動先の環境や上司について話を聞いておきましょう。

最後に、異動先で働き始める前に挨拶に向かいます。ただし、内示が出た直後に急いで挨拶へ向かう必要はありません。内示はあくまでも当事者だけに伝えられる非公式の発表です。正式な辞令が出るまでは挨拶も控えましょう。挨拶に出向くタイミングについては、上司と相談したうえで決定します。辞令が出たときになるべくスムーズに動けるようにするためにも、同じ部署で働く従業員や取引先への挨拶メールの作成や挨拶周りの準備も整えておくことも大切です。

内示が出た後の注意点

内示が出たあとの動き方について、いくつか注意するべきポイントがあります。まず、内示が出てからは落ちついた行動を心がけ、冷静に対処をしましょう。多くの場合、内示が出てから異動まで、ある程度の準備期間が設けられています。一時の感情に任せて動いた結果、後悔するような事態にならないよう慎重に行動することが大切です。また、内示は非公式な発表であり、内示を受けた本人や直属の上司を除き、ほとんどの人は知らされていません。異動先の上司も、辞令が出るまでは異動があることを知らない可能性もあります。異動先の上司や同僚へ挨拶する時期については、現在お世話になっている上司と相談したうえで決定しましょう。

また、社内や取引先に送る挨拶状やお礼状の用意も忘れてはいけません。内示から異動までの期間に余裕があっても、正式な辞令が出てから異動するまでは時間がほとんどない可能性もあります。辞令が出たらすみやかに対応できるよう、挨拶状やお礼状は早めに準備しておきましょう。送付するタイミングについては、異動先への挨拶と同様、直属の上司に相談します。なお、会社によっては内示を公にしても許される場合もあります。しかし、開示が許されていても、自分から触れ回るのは控えたほうが無難です。内示を軽々しく口外してしまうと、機密事項を守れない人間だという印象を与えてしまうおそれがあるため注意しましょう。

内示の意味を理解して適切な対応をしよう!

この記事では内示の概要から具体的な準備の流れまでを解説してきました。辞令とは違い、内示には法的な拘束力はありません。しかし、会社からの通達であるという点に変わりはなく、内示を通達された時点で、ほぼ決定事項と考えてよいでしょう。そのため、必ずしも断れるとは限りません。ここで紹介した情報を参考に、適切な行動をとるよう心がけましょう。

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