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2019.9.19

チームワークとはどういう意味?仕事で重視されるのはなぜ?

従業員の能力を高める取り組みに熱心な企業は少なくありません。しかし、企業の生産性を高めたいなら、個々のレベルアップに着目するより、チームワークの向上を優先したほうが良い場合もあります。この記事では、そもそもチームワークとは何を指すのか説明し、仕事における重要性や発揮する方法についても詳しく解説します。

目次

チームワークとはどういうもの?

チームワークとは英語を日本語で表したカタカナ語であり、直訳した場合は「集団で行う作業」という意味になります。文字どおりに捉えると非常に広い概念であるため、スポーツやゲームなどいろいろな分野でよく用いられています。仲間と連携するうまさを漠然とチームワークと呼んでいるようなケースも多く見受けられます。

それに対して、ビジネスシーンでは、チームワークという言葉は具体的な意味合いを持って使われることが多いです。企業にはいろいろな仕事があり、そのなかには1人で行うのが困難なものもあります。そのような仕事は細分化して、得意分野や個性を考慮したうえで複数の従業員に割りあてるのが一般的です。

チームワークには、そのようなスタンスで仕事を進めるという意味合いがあるのです。役割を配分することになりますが、それぞれが完全に独立しているわけではなく、チームの構成員として一緒に進めていくのが特徴です。そのため、お互いの強みを引き出し合えますし、さらには弱みを補い合うことにも可能になります。

チームが成立するための4条件

いくらチームワークを重視したくても、前提となるチームが成立していなければ話になりません。単純に従業員を集めただけでは不十分で、以下の4つの条件を満たすことでチームとして機能するようになります。

1.目標が明確になっていて、それをメンバーで共有できている

何を達成するべきか不明瞭なままだと、メンバーはそれぞれ違う方向に進みかねません。全員が把握できる目標を掲げることにより、チームが一丸となって仕事に取り組めます。

2.メンバーの間に適切な依存と協力のスタイルが構築されている 

一方的に頼ってしまう関係は好ましくなく、相互にフォローしながら団結して取り組める必要があります。

3.メンバーにそれぞれ役割を割り振っている 

果たすべき役割があるからこそ、チームの一員としての存在価値が生まれ、生産性の向上に貢献できるようになります。

4.チームの構成員の範囲が厳密に定められている 

他の従業員を巻き込まないように境界をはっきりさせ、チームの仕事はあくまでもチーム内で完結させなければなりません。それができなければ、能力や人数などの面において、チームの編成に問題があるので注意しましょう。

チームとグループはまったく別物

チームと同じように使われる言葉としてグループが挙げられます。どちらも複数のメンバーによって構成されていますが、いろいろな違いがあるので混同しないようにしましょう。

目的の違い 

グループを成り立たせているのはメンバーの協調関係です。チームと同じように感じるかもしれませんが、グループは協調すること自体が主な目的であり、他に目指すべき目標がなくても問題はありません。したがって、メンバーを率いるリーダーを決める必要もないのです。

一方、チームにとって協調は手段に過ぎず、目指すべき目標が明確に存在します。リーダーとメンバーによって構成される集団である点もグループとの大きな違いです。

物事に対する取り組み方の違い

物事に対する取り組み方にも違いがあります。グループで求められるのは、とにかくメンバーが全力を出し切ることです。各自が能力を最大限に活かすことで、グループ全体の能力の押し上げを重視しています。それに対してチームは、全力を出し切るのは当然であり、さらに相互作用が生み出す付加的な効果を重視しているのです。共有している目標の方を向いて、全員で一環した活動を行うことにより、そのような相互作用が起こります。

構成するメンバー 

また、グループの場合、メンバーは能力や個性が似ていても構いません。チームの場合は、課題へのアプローチの幅を広げるため、できるだけ持ち味が異なるメンバーを集める必要があります。

取り組み方における個人とチームの違い

個人とチームの取り組み方にも大きく異なる点があります。たとえば、チームであれば1つの事柄に対する見方がとても豊かになります。多角的な視点を持つことにより、個人では見落とすような課題でも察知が可能です。

また、個人で取り組む場合、その個人の能力を超えることは行えないので、仕事がストップしてしまう事態も起こりえます。一方、チームで取り組む場合は、メンバーの能力の不足分を他のメンバーが補えるので、ハードルが高い仕事でも進めていける可能性が高いです。

各メンバーの能力を活用できるメリットは、プロジェクトに取り組む際にも顕著に表れます。

一般的にプロジェクトは複数のステージに分かれており、個人で担当してもすべてを成し遂げられる場合もあるでしょう。しかし、個人だとその過程で常に成果を上げ続けるのは難しく、一部のステージでのみ強みを発揮することになりやすいです。

多種多様な強みを持つメンバーで構成されるチームが担当すれば、そのような限定的なことにはならず、プロジェクトのあらゆるステージで成果を上げられる見込みがあります。

チームワークがもたらす効果とは?

チームワークが良いとさまざまな効果がもたらされます。

自分に苦手分野がある場合、それを得意としているメンバーに任せられるので、無理に担当する必要はありません。つまり、メンバーはそれぞれ自分の得意分野に専念することが可能になります。言い換えると、適材適所を実現できるということであり、個人が順番に取り組んでいくより効率がアップするのです。また、役割を振り分けてもらうと、自分が期待されていることを自覚できるのでモチベーションが高まります。チームに貢献したいという心理が、役割を果たそうとする責任感も持続させてくれるでしょう。
また、苦手分野をカバーし合って成果が出やすくなると、自分の中での満足度も上がります。自分だけだと頑張っても一向に進まない場合もありますが、チームワークが良ければ頑張った分だけ進捗があるからです。また、失敗を恐れずに前向きに取り組めるという効果もあります。相互的に補助できるメンバーがいるので、失敗したときのリスクを意識しすぎる必要がありません。それぞれが自分もメンバーの助けになろうと考えることで、連帯感や協調性が育まれます。

チームワークが重視される理由

ビジネスシーンにおける複数の変化がチームワークの重要性を高めています。

ビジネスサイクルの短縮 

たとえば、ビジネスのサイクルが短縮していることも影響しており、目まぐるしく変わる状況に企業は柔軟に対応しなければなりません。そのためには、物事を多方向から観察して最善の手を尽くすことが求められます。

技術の進歩 

また、ITをはじめとして絶え間なく技術が進歩しており、業務の高度化のスピードが上がっているという状況です。専門的なスキルや知識の必要性が高まったので、個人ですべてを対応するのは困難になりました。各分野のスペシャリストをうまく連携させて、業務の効率を図らなければなりません

グローバル化 

さらに、ビジネスのグローバル化も大きく関係しています。外国人の従業員や海外企業との取引が増えており、日本人相手の常識やマナーしか持っていないと通用しなくなってきました。いろいろな国のライフスタイルや考え方を理解しようとする姿勢が大切です。

また、インターネットにより情報は世界中でリアルタイムに更新されているので、他社に後れを取らないように迅速に対応していかなければなりません。

このような実情があるので、優れた対応力を実現できるチームワークが重視されているのです。

チームワークが向上するメリットとは?

チームワークの向上によって得られるメリットは多岐にわたります。

情報共有の推進 

目標の達成に向けた取り組みの中で、情報の共有が推進されることもその一つです。計画の打ち合わせや結果のフィードバックなど、コミュニケーションを取る機会が多くあるので、他の人が持つ情報も必然的に自分のもとに集まってきます。

アプローチの多様化 

また、多くの意見交換がなされることで、たくさんの選択肢を持てることも大きなメリットです。自分だけだと課題に対して慣れた方法でアプローチしがちですが、メンバーの提案する方法も視野に入れると、もっと解決しやすくなる場合があります。

作業効率アップ 

メンバーが役割を果すために全力を尽くせば、作業の効率の著しいアップも可能です。同じ目標に向けて互いの強みを活かし合うことにより、相乗効果が生まれて、そのような現象が起こることを期待できます。

モチベーション向上 

さらに、チーム内で励まし合ったり切削琢磨したりすることで、モチベーションが上がることも多いです。少しでもレベルアップしようとして、メンバーの学習意欲が高まることも珍しくありません。

また、物事をいろんな方向から捉えられるので、変化に対応する際の柔軟性も上がります。

チームワークを発揮するために必要なこと

せっかくチームを作っても、チームワークを発揮できなければ意味がありません。まずはチームにとってのゴールを定めることが大事です。何が課題なのか検討して目標を明確にすると、足並みをそろえられるのでチームワークを発揮しやすくなります。

目標を共有したら、達成に必要なことをリストアップして、個々のメンバーの役割に落とし込んでいくことも重要です。自分が何をすべきか理解することで能力を活かしやすくなります。

メンバーが責任感を持つこと 

十分にチームを機能させるには、メンバーは上からの指示を待つのではなく、自律的に行動しなければなりません。チームに参加するうえで、各人には強い責任感を持つことが求められます。

メンバー同士で情報共有すること 

また、メンバーが持つ情報にばらつきがないように注意することも大事です。全員が情報をスムーズに共有できるように、伝達の手段を工夫する必要があります。

多様な考え方を持ったメンバーがいると、議論がなかなか進まないことも少なくありません。しかし、途中で放棄するのではなく、議論を尽くして全員が納得できる1つの結論を導き出すのが理想です。

チームワークを向上させる取り組みとは?

メンバー同士でしっかりコミュニケーションを取る 

チームワークを向上させたいなら、メンバーはしっかりコミュニケーションを取らなければなりません。そうすることで、適度な相互依存の関係を作り、必要に応じてフォローし合えるようにすることが大切です。

また、相手を否定しないこともポイントになります。自分とは異なる考えや方法にも理解を示し、相手を尊重するように心がける必要があるのです。

自身の役割を正しく理解する 

役割を振り分けられたら、やみくもに取り組むのではなく、意味を正確に把握したうえで全力を尽くさなければなりません。その際には、自分の行動がチームに与える影響を予想することも重要です。情報の共有や役割の遂行に問題がないか、メンバー同士で常に確認し合うことも求められます。

チーム内外の線引きを明確にする 

チームを管轄するマネージャーとしては、チーム内外の線引きを明確にすることが重要です。目標達成に向けて協力していくチームの一員という自覚を促すため、各メンバーには他のメンバーの顔ぶれを正しく把握させる必要があります。

個性を尊重し、十分に活かす 

多様な考えや方法があることを受け入れさせ、メンバー同士が尊重できるように導くのもポイントです。個性や能力を踏まえたうえでメンバーに役割を与え、それを十分に果たせるように支援することも忘れてはいけません。

チームで対応しきれない分野に関しては、スペシャリストにサポートを要請するルートを確保しておくと安心です。メンバー間の情報共有や協力体制を定期的にチェックし、正しく調整することも効果があります。

チームワーク向上に取り組んだ企業の成功例

1on1ミーティングの導入 

実際にチームワークの向上に成功した例として、「1on1ミーティング」を取り入れた企業が挙げられます。上司と部下が週に1度のペースで30分のコミュニケーションを取り、部下は仕事の進捗や悩みを伝え、上司は気付きを与えるアドバイスを行ったのです。相互理解が進んで部下の成長促進にもつながり、結果としてチームワークも向上しました。

クレドの社内配信 

また、いち早く「クレド」の社内配信をスタートした企業も成功例の一つです。クレドとは、平易な文言で企業の信条や価値観などを表現したものであり、従業員が働いていくうえでの指針になります。

正社員だけでなく末端のスタッフにまで配信することで、企業としての目標やコンセプトを全体に浸透させました。

職場環境の改善や福利厚生の充実 

さらに、従業員に要望のヒアリングを行い、職場環境の改善や福利厚生の充実に取り組んだ企業も成功しています。スタッフの満足感が高まり、仕事に対する集中力が上がったことで、チームワークが向上したのです。

チームで取り組むことの意義を理解しよう

企業にとってチームワークが大切だと認識しても、正しい意味を把握していないと適切な形で根付かせられません。チームワークを発揮させて生産性を高めたいなら、グループや個人で取り組む場合との違いなどを十分に分かっておく必要があります。まずは、チームで取り組むことにどのような意義があるのか正確に理解しましょう。また、チームワークを向上させるためには、メンバー同士でコミュニケーションがとれていることや、ひとりひとりの個性や能力を正しく把握することが重要です。 

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