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2021.8.31

慶弔金(慶弔見舞金)とは?その種類や相場・課税について解説します!

企業が導入する福利厚生のひとつに慶弔金(慶弔見舞金)があります。福利厚生とは従業員が安心して仕事に従事できるように企業が整備する施策で、慶弔金とは慶事や弔事に対して企業が従業員に支払うお金のことです。この記事では、慶弔金の種類や相場について具体的に紹介します。実際の申請の流れや課税についても解説しているので、従業員の手続きを行う際の参考にしてください。

慶弔金(慶弔見舞金)とは?

慶弔金とは、従業員やその家族にお祝い事や不幸があった際に、企業が従業員に対して支払うお金です。お祝い事とは結婚や出産などをいい、不幸とは葬儀や通夜などのお悔みごと、疾病、被災などを指します。慶弔金を導入する目的は、従業員の仕事に対する満足度を上げることです。従業員が安心して仕事に従事できる環境を作ることで、従業員の業務に対する意欲の向上や離職の抑制に期待が持てます。

慶弔金は、多くの企業が導入している福利厚生のひとつです。福利厚生には、導入が法律で義務付けられている「法定福利厚生」と、企業が個々に導入を決める「法定外福利厚生」があります。たとえば、雇用保険や健康保険、厚生年金保険などの社会保険は法定福利厚生です。一方、住宅手当や家族手当、交通費などは法定外福利厚生になります。慶弔金は法律では義務付けられていない法定外福利厚生ですが、導入している企業は非常に多い傾向です。

任意導入の慶弔金は、通常、各企業が独自でさまざまな規則や規程を定めています。後々の各慶弔時に従業員に対していくら支払うことになっているかを、取引や契約開始時にきちんと従業員との間で確認しておくことは、トラブルを防ぐためにも非常に大事です。

慶弔金の種類・相場

慶弔金を支払う目的はさまざまあり、どのような事象に対して慶弔金を支払うかは各企業が独自で決められます。ここでは、主な慶弔金の種類や一般的な給付対象、相場について具体的に紹介します。

結婚祝い金

結婚祝い金とは、結婚のお祝いとして支払うお金です。基本的には、従業員本人が結婚したときに支給しますが、企業によっては従業員の子どもが結婚したときにも支払う場合があります。また、支給するタイミングは、企業によってさまざまです。役所へ婚姻届けを提出し、法的に結婚が認められたときに支払うケースもあれば、従業員が上司などに対して正式に結婚の報告をしたときや式を挙げたときに認めるケースもあります。

支給額は、従業員本人の結婚だと1万~5万円、従業員の子どもの結婚では1万~3万円が相場ですが、婚姻歴によって支給の有無や金額を変えているケースもあります。一般的には、再婚であっても支給対象とし、支給額も初婚と同額に定めている企業は多い傾向です。しかし、企業によっては、支給額について、再婚になると初婚の半額にしているところもあります。

出産祝い金

出産祝い金とは、従業員や従業員の配偶者が出産したときに支払うお金です。ただし、従業員の配偶者の出産については対象外としている企業もあります。また、出産祝い金の支給額の相場は1万~3万円です。

出産祝い金については、特に、支給対象の規程を詳細に決めておくことが大切です。たとえば、出産した子どもが1人目か2人目以降かによって金額を変えている企業も少なくありません。第一子に対する支給額を基準に、第二子以降は金額を減らしていくケースもあれば、少子化に向けた支援として金額を上乗せする企業もあります。さらに、夫婦が同じ企業で働いている場合の支払い方法についても明確な規程が必要です。従業員本人のみを給付対象としている場合でも、規程に従うと、夫と妻の両者に支給しなければならなくなります。出産祝い金は2人に対して支給するのか、夫婦に対して1人分を支払うのかなどを事前に定めておかないと、規程の解釈に個人差が生じてトラブルにつながりかねないため要注意です。

死亡弔慰金

死亡弔慰金とは、いわゆる「香典」と呼ばれているものです。従業員やその家族が亡くなったときに企業が遺族に対して支給する見舞金をいいます。「家族」について、従業員から何親等までを適用範囲に含めるかは企業によってさまざまです。ただし、一般的には、配偶者と子ども、実父母を対象とする場合が多く、次いで、祖父母や兄弟、義父母までを含めるケースも見られます。死亡弔慰金の支給目的は、亡くなったことに対する哀悼の気持ちと遺族に対する慰めの気持ちを示すことです。従業員の企業に対する功績や努力を評し、遺族の経済的な支えとなる手当として死亡弔慰金を支払います。

支給額は、多くの場合、亡くなった人の立場によって変わり、従業員本人であれば5万~100万円、家族だと1万~5万円が相場です。また、亡くなった人が従業員である場合には、死亡のタイミングによって金額が大きく変わることもあります。業務外の時間に亡くなった場合と比べて、通勤中や業務中などの業務時間内に亡くなった場合のほうが、支給額が多くなることが通常です。

傷病見舞金

傷病見舞金とは、従業員がけがや病気で入院したり休業したりしたときに支給する見舞金です。ただし、けがや病気は業務に関わることが要因である場合に限ります。業務中のけがや病気に対する補償には、「労災」の制度もあります。労災補償により賄われる内容は、基本的に傷害見舞金の対象と同じです。しかし、内容は同じでも、制度としてはまったく別物であるため気を付けなければなりません。

労災は、正式名称を「労働者災害補償保険」といい、雇用した従業員を加入させることは事業主の義務です。一方、傷病見舞金の導入は企業の任意となります。また、労災補償の支給を管理するのは所轄の労働基準監督署ですが、傷病見舞金は企業の管理下で給付するものです。このため、従業員がけがや病気をした際に、労災補償のみを行う企業もあれば、労災と併せて見舞金の支給を行う企業もあります。傷病見舞金の相場は業務に関わる傷病の場合だと2万~10万円、業務外の傷病の場合は1万~5万円です。

災害見舞金

災害見舞金は、従業員の自宅などが被災したときに支給される見舞金で、災害の原因によって大きく2つの種類に分けられます。1つは地震や台風といった自然災害が起因しているもの、もう1つは火事など人為的な原因であるものです。見舞金の相場は、被害状況によって大きく変わります。被害が大きいほど金額は上がり、1万~50万円程度であることが一般的です。さらに、被害を受けた自宅の世帯主が従業員本人であるか、家は持ち家であるかなどによっても、支給の可否や金額が変わることがあります。

慶弔金のQ&A

最後に、慶弔金について迷いやすい3つのポイントを解説します。1つ目は「どのような申請方法を取ればよいか」です。慶弔金の申請方法は企業によって異なり、特に定めはありません。ただし、通常は、支給を受けたい従業員が、所属する部課署の責任者である役職者に承認を得たら、その後、人事部に申請を行うという流れです。また、申請の際には、申請書の提出を求めます。申請書には、申請者の基本情報となる所属や氏名、入社年月日のほか、申請する慶弔金の種類、支給事由、出来事の発生年月日などを記入することが一般的です。

2つ目のポイントが課税についてです。「慶弔金は所得税の課税対象となるか」は、実際に手続きを行う担当者であれば正しく理解しておく必要があります。結論をいうと、慶弔金は所得税の課税対象外です。課税されることがないため、源泉徴収を行うことも基本的にはありません。ただし、見舞金として一般的ではない高額な金額の場合には、給与の扱いとなり、税金が課される場合もあるため注意しましょう。

3つ目は支給方法です。「支給額をいくらに設定し、従業員にどのように渡せばよいか」も確認しておく必要があります。金額は個人で香典を渡すときと同様に、「死」「無」「苦」を連想する4、6、9が付く金額は避けることがマナーです。また、不幸があったときには、折り目のある旧札を使い、お札の向きは表向きに包みます。

慶弔金について正しい知識を身に付けよう!

慶弔金は、導入するかどうかだけではなく、具体的なルールも企業が独自で決められます。そのため、従業員とのトラブルリスクを避けるためにも、事前に明確な規程を定めておくことは重要です。また、慶弔金は種類によって支給対象者が異なり、支給する従業員によって支払う金額の相場も変わります。従業員から申請を受けたときに、スムーズに手続きができるよう、担当者は慶弔金の知識について正しく理解しておきましょう。

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