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2021.8.20

プロパー社員とは?3つの意味とプロパー社員の特徴について紹介!

「プロパー社員」という言葉を耳にしたことがある人は少なくないでしょう。「プロパー社員」は、英語の「プロパー」に「社員」を付けてできた和製英語であり、日本でしか使われていない言葉です。プロパー社員には3つの意味が含まれていますが、使う場所によって意味合いが変わってきます。プロパー社員の意味や特徴について紹介します。

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プロパー社員とは?

「プロパー社員」は英語の「proper」と「社員」を組み合わせて作られた和製英語です。英語の「proper」には、「本来の」「正式な」「固有の」といった意味があります。プロパー社員は「プロパー」と呼ばれることもあり、業界や業種によって意味が異なります一つの分野に精通している人を指してプロパーと呼ぶこともあります。また、現在はMRが一般的になったようですが、かつては製薬会社などで医薬情報の提供とセールスを担当する営業をプロパーと呼んでいました。ただし、この場合のプロパーは「proper」ではなく、宣伝を意味する「 propagandist」に由来しています。

一般企業では、雇用形態などの区別によりプロパー社員という言葉を使う場合が多いようです。かつては新卒で入社したら定年まで勤める終身雇用が一般的でした。「プロパー社員」は、中途入社や転職、派遣や出向など、採用方法や雇用形態の多様化によって生じた言葉と考えられます。

プロパー社員の3つの意味

プロパー社員には3つの意味があります。1つ目が新卒で入社した社員、2つ目が正社員、そして3つ目が自社社員です。3つのプロパー社員について解説します。

新卒入社の社員

大学や高校、専門学校を年度末で卒業する学生を新規卒業者と呼び、新規卒業者を翌新年度に採用する際は新卒採用といいます。日本の大企業では、長らく終身雇用と新卒採用が一般的でした。企業における採用、雇用の状況は変わりつつありますが、いまだに新年度の4月1日に新卒採用した新入社員の入社式を行う企業が多いのが現状です。

新卒で入社したときから、ずっと同じ会社に所属し続けている社員を「プロパー社員」という場合があります。中途入社の社員と区別するために使用され、「生え抜き社員」といわれることもあります。プロパー社員は新卒で入社し、社会人としてまっさらな状態で新入社員教育や研修を受けているため、良くも悪くも会社の色に染まっています。また、勤続年数が長ければ長いほど、社内事情に詳しくなっていきます。自社のことは熟知していても、他の会社については知らないため、社会的な経験不足は否めません。入社以来違和感を持たずに行っていたことが、中途採用者に指摘されて初めて自社独特の慣習だったことに気付いたりすることもありがちです。

正社員

正社員を、契約社員やパート、アルバイトなどと区別するためにプロパー社員ということもあります。この場合は正規雇用か非正規雇用かを分けるために使われるので、正社員である中途社員もプロパー社員に含まれます。

自社社員

業種によっては、会社内に他社の社員が常駐して勤務している場合があります。IT企業には下請け会社の社員が発注元の会社でプログラムやシステム開発に携わることがありますし、メーカーの宣伝部などに広告会社の社員が出向していることもあります。このように、自社と他社の社員が混在している会社では、自社の社員をプロパー社員と呼ぶことがあります。この場合は、自社と他社を分けるための呼び方なので、中途社員、契約社員、パート社員もプロパー社員に含まれます。

プロパー社員の特徴

かつてのような終身雇用がなくなりつつあり、採用や雇用形態も変容しています。今では転職が当たり前になり、即戦力として採用された中途社員がバリバリ働いているという会社も少なくないでしょう。異なる企業文化で育ち、さまざまな経歴やスキルを持った中途社員が増えるにつれ、新卒入社のプロパー社員との違いが浮き彫りになってきます。プロパー社員自身では気づきにくいことですが、プロパー社員には業種や会社によらず、共通の特徴があります。

まずは、当然のことながら自社についての知識が豊富で、理解が深いことです。プロパー社員は、入社後すぐに新入社員教育を受けます。そこで事業内容はもとより、自社の歴史やビジョン、コーポレートガバナンスなどを徹底的に教え込まれます。さらに年次ごとに行われる研修などを重ねているので、企業情報は常にアップデートされています。社内の微妙な人間関係やパワーバランス、不文律などに熟知しているのもプロパー社員ならではといえるでしょう。

プロパー社員ならではのマイナス面もあります。プロパー社員は前例主義に陥りがちで、融通が利きにくいという傾向があります。他の会社を知らないがゆえに、前任者から引き継がれた仕事の進め方、やり方に疑問を持たず、踏襲しようとしがちです。中途社員がより効率の良い方法を提案したとしても、前例にないことを理由に変えようとしなかったり、チャレンジしようとしなかったりします。入社した会社にずっと所属し続けるくらいなので、変化を好まない気質ということもあるでしょう。視野が狭く、保守的なのもプロパー社員の特徴です。

プロパー社員は中途社員に比べて給与や昇進で優遇されることが少なくありません。プロパー社員は勤続年数が長いため、自分の部署の上司と気心が知れているだけでなく、他部署の上司や経営層ともコミュニケーションが取りやすいというアドバンテージがあります。昇給や昇進は上司や経営層の覚えがめでたい人が有利になります。良いポジションに空きが出たときなど、知らない相手よりは入社時から知っている人を推挙したいと考えるものです。中途社員にいくら実力があっても、プロパー社員に比べて給与や昇進で不利になるのはこのような理由からです。

プロパー社員はとかく人間関係が閉鎖的で、仲間意識が強いという特徴もあります。とくに、同期入社組は結束が強く、部署や役職が違っても同期同士であれば助け合ったりもします。仲間意識が業務推進のパワーになることもありますが、派閥を作って他を排除するなど業務に支障をきたす場合もあります。

会社にはそれぞれ長年の間に培われてきた伝統、文化、独自のカラーがあります。プロパー社員も新入社員時にはそれらに違和感を覚えたり、驚いたりしたこともあったはずです。しかし多くの同期たちとともに社員教育を受け、社員として勤め続けるうちにそれらを内面化していき、愛するようにさえなるのです。必ずしも弊害ばかりではありません。自社を愛し、誇りを持つことは、会社に泥を塗るようないい加減な仕事はできない、という気持ちにつながります。愛社精神が強く、会社の伝統や文化を重んじるのもプロパー社員に多くみられる傾向です。

プロパー社員の類語

プロパー社員と同じような意味で使われる言葉がいくつかあります。新卒で入社して以来ずっと勤務し続けている「生え抜きの社員」もそのひとつです。生え抜き社員が多い会社は内向きで閉鎖的になりがちですが、逆に社員の定着率が高い、居心地の良い会社と考えることもできます。正規雇用の正社員もプロパー社員の類語として使われます。非正規雇用のパート社員やアルバイトに対して、正社員はプロパー社員として区別されます。会社内に常駐する取引先や下請け企業からの出向社員と区別するために、自社社員という言い方をする場合もあります。

プロパー社員との関係性を確認しよう

かつての日本企業は、新卒一括採用と終身雇用が一般的でした。しかし、そのどちらもなくなりつつあります。採用方法では、第二新卒の採用や転職者の中途採用などが増加しています。転職は新たな職場で自分の実力を試すチャンスです。転職先で、プロパー社員と中途社員の間に、評価制度や働く環境などに差がないかどうかを事前に良く確認しておきましょう。

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