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2022.4.26

要員計画の立て方とは?その概要から効果・おすすめツールまでまとめ

企業が事業を進めていくためには、会社が持っている有形・無形の資産を有効に活用していくことが欠かせません。企業にとっての資産とは、「ヒト、モノ、カネ、情報」です。なかでも「ヒト」は特に重要な資産だといえます。人材を適切に管理できれば、企業の目標や理想を達成しやすくなるでしょう。そこで、人材管理に欠かせない要員計画の実践方法や計画策定の目的やメリットについて解説します。

サイダス社が提供する「CYDAS」は、「働きがい」を生み出すメカニズムが詰まったタレントマネジメントシステムです。人材情報を一元化し、目標管理や1on1、フィードバック機能など、さまざまな機能を組み合わせてサイクルを回すことで、一人ひとりのワークエンゲージメントを高め、組織を強くします。

要員計画とは?

人材管理には、それぞれの従業員が持つスキルや能力の把握や採用、配属・転属、育成などいくつかのポイントがあります。なかでも重要なポイントは、要員計画を的確に策定することです。

要員計画とは、企業の事業計画や経営目標を達成するために最適な人員配置・採用を行うための計画のことをいいます。具体的には、異動に関するプラン能力開発プランなどです。企業がマンパワーを確保する方法は、採用だけではありません。ほかにも内部での配置転換やアウトソーシングも有効なマンパワー確保の手段となります。要員計画策定にあたっては、求められるマンパワーに関して必要な人員を割り当てることや、いつ、どのような人材を投入するかなどの投入計画も欠かせない要素です。

また、要員計画を策定することによって、事業計画や経営計画を軌道に乗せることも大切になります。そのためには、事業計画などを十分踏まえたうえで適切な人材配置計画や採用計画を作ることが必要です。

要員計画と人員計画は、同義語ではありません。人員計画は長期的視点に立って策定される人員に関するもので、要員計画の核となる部分です。主に、採用や異動、配置などの分野に関する計画を人員計画と呼んでいます。

要員計画の目的って何?

要員計画を作成するにあたっては、計画策定の目的をはっきりと意識しておきましょう。要員計画を作る目的は、人材戦略の明確化です。企業を取り巻く環境は常に変動するものです。そのため、予測不可能なことが生じる可能性は否めません。そういった不確実な未来に対応するためには、場当たり的な人材確保や配置転換では対応しきれない可能性があります。予測不可能な状況にしっかりと対応していくためには、経営資源の1つである人材に関する核となる戦略をしっかりと持っておくことが大切になるのです。

要員計画を策定するにあたっては、さまざまな部署それぞれの実態を踏まえることが欠かせません。しかし、各部署の事情を優先すると全体として最適な要員計画になるとは限らないことに注意が必要です。各部署の人材最適化とともに会社全体としての最適化を実現するためには、人材戦略の明確化が必要になります。会社としての経営計画実現という視点を忘れず、採用や配置転換、異動、能力開発をどのように進めるかを計画するために欠かせないものが要員計画なのです。

要員計画がもたらす効果とは?

要員計画を策定することの効果は多岐に渡ります。

特に注目すべき効果は、業務において求められる人材と実際に配置される人材のミスマッチを解消できることです。要員計画を作って実行すれば、既存の人材配置を検証してそれぞれの業務に適切な人数を割り振ることができます。その結果、業務を効率化できるという効果が生じるでしょう。

また、計画実行を通じて、各従業員のモチベーションが向上して業務遂行スピードが上がることも期待できます。さらに、要員計画策定によって余分な人員を配置転換によって人員を必要とする部署に転換することも行われるため、既存の業務の人員数最適化を達成する効果も生まれるでしょう。要員計画には、人材育成につながる一面があることも見逃せないポイントです。将来活躍できる人材を、計画的に育成できるという効果も期待できます。

要員計画のメリットは?

要員計画を作る主なメリットは、3つあります。

【要員計画のメリット3つ】

  1. 余剰人員をカットできる
  2. 社内情報の共有化が進む
  3. 人材の可視化を実現できる

余剰人員をカットできる

1つ目は、余剰人員をカットできることです。また、余剰人員を適切な部署に配置転換することによって最適な人材育成することにもつながり、結果として生産性向上とコストカットの両方を同時に実現できることがメリットです。生産性向上とコストカットは、企業価値の向上にも役立ちます。

社内情報の共有化が進む

2つ目のメリットは、社内情報の共有化が進むことです。要員計画策定を行うことによって、人事部や管理職のなかで要員計画という社内情報を共有できるようになります。これによって、貴重な経営資源であるヒトについて、最適なマネジメントを行うことにつなげられるというメリットが生まれるでしょう。

人材の可視化が実現できる

3つ目は、人材の可視化を実現できることです。要員計画をしっかりと策定することによって、従業員それぞれのスキルなどが把握できるようになります。このことが、人員の最適な配置を可能にするでしょう。人材を最大限に生かせるようになることは、大きなメリットだといえます。

適切な要員調査を行う方法とは?

要員計画を作るためには、適切な要員調査を行うことが必要です。要員計画においては、全社共通の目標である経営計画を踏まえることが欠かせません。また、各業務やそれぞれの部署が求める人員数と、どのような能力を持つ人材を必要とするかを考慮することも重要なポイントとなります。これらを踏まえて必要人員を計算する算定方式は、2種類あります。

ボトムアップ方式

1つは、ボトムアップ方式と呼ばれる方法です。ボトムは「底」を意味しますので、ボトムアップは「底」にあたる個々の要素を足し合わせて全体を作ることを意味しています。この方式では、各プロジェクトなどが必要とする業務量からマンパワーを計算し、すべてのプロジェクトが要するマンパワーを積算して人数を算出します。この方式によって要員調査を行う場合は、各部門で必要となる業務量と従業員数、スキル、能力などのバランスをとることに重点を置いて調査を行うことになるでしょう。具体的には、職務を分析したうえで職務別要員検討を行い、各部門や業務ごとの人員計画を作成します。この結果、人員不足は解消できるでしょう。ただし、ときに人員余剰の解消が進まず人件費膨張が経営を圧迫する可能性がある点には注意が必要です。

トップダウン方式

もう1つは、トップダウン方式です。この方式の特徴は、業務量によって必要人員数を計算するのではなく、売上高や付加価値、労働分配率、人件費率、損益分岐点などの経営指標から理論的に必要となる総人員数を計算することにあります。経営指標から割り出された総人員を、各部署や各業務に割り振る形で要員計画を作成します。

要員計画を立てる流れとは?

要員計画をスムーズに策定するためには、策定の流れを知っておきましょう。

まず、現場の状況を確認するから始めます。実態をよく確認せずに作った計画は役に立たないものになってしまうリスクがあるからです。現場の状況をよく確認したうえで、数値に落とし込むことがポイントになります。現場の確認を終えたら、部門ごとに必要な人員数を集計します。

続いて、集計された結果を労働生産性や直間比率などの経営指標を使っての分析です。ここでは、部門間の人員調整も行います。また、求人倍率などの労働市場の状況を考慮することも欠かせません。これらを行ったうえで要員計画案を作ります。

次のステップとして行うのは、人数と質の両面からの要員調査です。ここでは、トップダウン方式とボトムアップ方式を使って最終的な細かい人員調整を行います。このステップで意識すべきことは、会社全体としての要員ニーズや部署ごとの要員ニーズを踏まえて要員計画案を仕上げることです。

最後のステップとして、必要な人員確定が終わったら、中長期的な視点に立った計画の作成まで行います。各部署の状況や人的な課題などを考慮して不足する人材を数値化し、経営改善につながるような中長期計画を策定するのです。

要員計画を立てるのにおすすめのツール

要員計画を作るにあたっては、ツールを利用すると効率的に作成でき、作成時間を大幅に短縮できる可能性があります。しかし、人事や管理職が要員計画を立てる際に役立つツールにはどのようなものがあるのかよくわからないというケースあるでしょう。そこで、要員計画を立てる際に有効なツールを3つ紹介します。

Gemini

1つ目は、株式会社ロハコが提供しているGeminiです。このツールは、ヒトに関するデータを解析してくれます。また、解析結果をもとにして最適な人員配置や育成方法などの提案までやってくれるシステムです。特徴は、各従業員の能力分析機能が充実していることでしょう。従業員の能力分析は、適切な要員計画策定の基礎となる要素の1つであるため、有用なシステムだといえます。まだ、データドリブン型のマネジメントシステムであるため、数値化に特化している点も大きな特徴だといえるでしょう。

Saba Pulse

2つ目のおすすめツールは、サバ・ソフトウェア株式会社が提供しているSaba Pulseです。このシステムは、従業員の声を吸い上げ、ヒトに関する課題を解決することを得意としています。従業員の生の声は、なかなか経営層や人事部門にまでは届きにくいものです。そういった状況を改善するサポートをしてくれることが、このシステムを利用するメリットだといえるでしょう。リアルタイムで従業員の声が把握できるだけでなく、既存システムと連携して課題解決策の提供も行ってくれます。

CYDAS

3つ目は、CYDASです。このツールは、株式会社サイダスが提供しています。要員計画策定にあたっては、会社として現状を正確に把握することが欠かせません。このシステムを使えば、会社が把握しておきたい現状を可視化することが可能です。また、現状の可視化だけでなく、アピールしたい部分をわかりやすく示してくれる機能もあります。特徴は、採用や適正な配置転換、キャリアプランなど、広範囲にわたって業界特有のアプローチをしてくれることです。

現場の様子も配慮しながら要員計画を効率的に作ろう

要員計画策定を通じて適切な人員配置を行っていくことは、企業価値の向上につながるなど会社にとってプラスになります。ただし、現場の状況を正確に把握しないで計画を作ってしまうと現場の反感を買ってしまう事態になりかねません。そうなれば、計画を実行することは難しく、企業にとってはマイナスになってしまうでしょう。支援ツールをうまく活用して効率的に現場を把握したうえで要員計画を策定することが大切です。

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