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2021.3.5

OFFJTの理解を深めたいあなたへ!基礎から効果を高めるポイントまで

企業の新人教育や研修など人材育成の方法として有名なのがOJTです。しかし、人材育成の方法はひとつではありません。あまり聞きなれない人もいるかもしれませんが、以前からOJTとは異なる「OFFJT」という方法もありました。そのOFFJTが見直されるようになり、実際に効果を発揮している活用事例も増えています。

そこで今回は、OFFJTについての基本的な情報はもちろん、メリットやデメリット、効果を高めるポイントについて詳しく紹介します。

OFFJTとは

そもそもOFFJTとはどのような意味なのでしょうか。また、どのような手法で人材育成を行うのかも含め、まずはOFFJTの定義とOJTとの違いについて詳しく解説します。

OFFJTの定義

OFFJTは「Off The Job Training」を略した言葉で、実際に業務を行う職場を離れて行われる研修を指します。たとえば、業務を遂行するうえで知っておくべき知識やスキルを身につけることを目的として、対象者を集めて研修やセミナーを行う方法です。社内の人材開発担当部署が作成した教育内容で、先輩社員が教育を担当することもあります。

ただ、社内に人材教育を担当できるスキルを持つ社員がいるとは限りません。実際、OFFJTで取り扱う教育内容は多岐にわたります。最新の業界動向を知っておくことも必要とされることから、その分野の専門家を呼んで講師を担当してもらうことも増えてきました。ほかにもビジネスマナーの講習や、営業に役立つロールプレイングを行う講習、プレゼンテーションのための講習などもOFFJTでよく行われる内容です。また、多くの人と関わりながら業務を遂行していくためにはコミュニケーションも欠かせないため、カウンセラーによるコミュニケーション指導もOFFJTのひとつになっています。

OJTとの違い

OFFJTに対し、人材教育の方法として一般的になってきているのがOJTです。「On the Job Training」を略したOJTは、現場で実際に業務を行いながら教育を受ける方法で、職場の上司や先輩が教育を担当します。目の前で先輩や上司が実際に業務を行う様子を見られるほか、自分で業務を行いながら詳しく教えてもらえるなど、実務と教育が同時並行で進むことが特徴です。座学で知識を学ぶことに比べると、より実践的にスキルを身につけることができるため即戦力となる人材が育ちます。

また、OJTは実務を通して教育するというスタイルから、上司や先輩と新人とのコミュニケーションが円滑になることも期待されています。OJTは実務の場で実践的なスキルや知識を身につけなければならない業務の指導に対してふさわしい教育方法です。一方で、OFFJTは業務に必要となる知識を体系的に学ぶのに適しています。それぞれの研修方法で異なる特徴があることを把握したうえで、適した方法を取り入れることが大切です。

OFFJTはなぜ必要なのか

OJTは業務を行いながら教育が施されることもあり、日々の実務で必要になる知識やスキルはその場で得ることができます。ただ、上司や先輩などの教える側の担当者も自分の通常業務をこなしながら、並行して教育も行わなければなりません。新人の教育を集中して行うための時間を割くことができない場合もあり、万能とはいえないところがデメリットのひとつです。そのため、業務に関連する周辺知識、知っておいたほうがメリットになることまでは、なかなか教育の範囲として及ばないこともあります。

その点、OFFJTでは時間をかけて必要な知識やスキルを習得することが可能です。特に、自社に関連する業界知識などを学ぶ目的としてはOFFJTが向いています。日常業務には必要ないものの、あればよいとされる知識やスキルに関しては、社員に学ぶように促してもなかなか実行されません。個人の自己啓発に頼るよりも、企業側で学ぶ機会を設けることで社員全体に平等な教育機会を与えることができるでしょう。

また、ティーチングやコーチングの理論からみても、外部から専門の講師を呼ぶことでOJTよりも優れた教育を受けられます。質の高い教育を受ける機会を設けることで、社員の意識改革やスキルアップが見込めることもOFFJTのメリットです。加えて、人間関係に依存しない教育プログラムであるOFFJTは、OJTのように指導者の資質やスキルに影響されずに教育できます。

OFFJTのメリット

OJTのように日常の業務をこなしながらの教育では、なかなか系統立てて学ぶことができません。OFFJTの大きなメリットは、なによりも体系的に業務で必要な知識を学べることです。たとえば職能別や階層別などにわけて研修を行うこともできるため、各段階で必要な知識やスキルを集中して修得し、専門性を高めることにもつながります。OJTでは自分のやっていることの意味がわからないまま、日々の業務が進んでいってしまうことも珍しくありません。OFFJTでは実務で行う業務がどのような意味を持ち、どのような位置づけにあるのかなど、体系的に学ぶことができます。

もちろん、OFFJTで同じように教育を受けても、結果は学ぶ側の意欲や姿勢によるところも大きいでしょう。しかし、指導者の違いで成長度合いのバラツキがでることは少なく、少なくとも基礎的な知識やスキルを養う点では新人に平等な教育を施すことが可能です。また、OFFJTの場では研修生同士が一緒に学びます。OFFJTを導入することで同じ立場の仲間ができることもメリットのひとつです。横のつながりが生まれれば人脈が広がり、将来役に立つこともあります。

OFFJTのデメリット

OFFJTは知識を系統立てて学ぶことができる点はメリットですが、即時性や実践性という観点ではOJTのような効果は期待できません。もちろん、OFFJTで将来役立つ可能性が高い知識や自社についての知識、仕事に向き合う考え方など、働くうえで基本となることは学ぶことができます。しかし、あまり実践で活用する機会がない場合や、結果が現れるまでに時間がかかることも多いのがデメリットのひとつです。

また、OFFJTでの教育を外部委託する場合は講師を外部から呼ぶのにも費用がかかるため、企業側としてはOJTに比べて教育の場を設けるためのコストがかさみます。また、時間的な面からみても、OJTが業務時間内で行えるのに対し、通常業務とは別に教育のための時間を確保しなければならないという課題もあります。

OFFJTの効果を高めるポイント

では、実際にOFFJTを導入するために、どのようなことを意識すれば効果を高めることができるのでしょうか。そこで次に、OFFJTの効果を高める方法について、4つのポイントを挙げて詳しく解説します。

【OFFJTの効果を高める方法】

  1. OJTとOFFJTの掛け合わせ
  2. 成果の数値化を図る
  3. 学びの環境を整える
  4. PDCAサイクルを意識させる

OJTとOFFJTの掛け合わせ

OFFJTを導入して効果的に人材育成するためには、OJTも同時に取り入れることです。OFFJTもOJTも、それぞれメリットがあればデメリットもあります。OFFJTではなかなか実践的な教育ができません。そのため、OJTも取り入れ、両方を掛け合わせて教育することでそれぞれのデメリットを補い合い、研修の効果を最大限に高めることが可能です。

OJTがOFFJTと異なるのは、実務の現場で上司や先輩から詳しい指導を受け、実践的な学びができるところです。新人のスキルや習得度合いに応じた教育を行える柔軟性もあり、少しずつ独り立ちできるようになるまで教育していきます。

実際にOJTを実践する際は、上司や先輩が業務を「やってみせる」ことと、新人に「やらせてみせる」ことの2つを意識することがポイントです。やってみせたうえで新人が理解できないことがあれば、疑問を解消できるよう、さらに詳細な指導をする必要があります。やらせてみてわからない、またはできないことがあれば、できるようになるまで反復練習させるなど、教えた効果を高められるように教育することが大切です。

成果の数値化を図る

人材の教育には具体的に理解度がわかるようスケール化することも大事です。なぜなら、せっかく講師や上司、先輩などが教育を行っても、本当に受け手側が理解しているかどうかわかりません。また、単に「わかった」「わからない」だけの2択の場合、少しわかっただけなのか、ほとんど理解しているのかなど、どの程度まで把握しているのか教える側に伝わらないこともあります。

指導時に「何%わかったか」など数値化するよう聞いたり書かせたりすることで、どの程度まで理解できているのかをスケール化することが有効的です。数値として明確にすることで、理解度を客観的にみることができ、教える際の課題も把握しやすくなります。

学びの環境を整える

研修やセミナーなどの企業が用意するOFFJTの場には、通常業務の合間を縫って参加する必要があります。教えたい内容はいろいろあっても、そう頻繁に研修やセミナーを開くこともできません。そのため、企業の用意した教育機会だけでは、なかなか完璧に学ぶことができない可能性があります。知識やスキルを身につけるためには、本人も目的意識を持ち、積極的に学ぶことが大事です。

社員に成長してほしいと望むなら、企業側には社員が意欲的に学べる環境を整える責任があります。具体的にはe-ラーニングのようなシステムを整え、意欲のある社員がいつでも学べる状態を作ることなどが挙げられます。自社で学べる環境を用意するのが難しいならば、外部での研修を受講した場合に費用負担することも方法のひとつです。社員自身が積極的に学ぶ機会を探し出そうとする意欲を持つようになれば、教育効果も高めることができます。

PDCAサイクルを意識させる

ビジネスでは「PDCAサイクル」を回すことが大切だといわれています。PDCAサイクルとは、「計画(Plan)」「実行(Do)」「確認(Check)」「行動(Action)」の順にサイクルで進める方法を表しています。ビジネスではただ計画を立て、実行するだけで成長できるとは限りません。実行した結果を振り返り、見直しをすることが成長につながり、学んだことの効果をさらに高めることができます。

つまり、自分の行動を正しく振り返られるようになることが大事です。それができるようになるために、「なにがだめだったのか」「次はどうすればいいのか」などを見つめ直し、建設的な対応策を出せるように導くのが上司や先輩の役目です。新人のほうも、自分の行動を振り返り、上司や先輩と協力しながら次の行動計画を立て、実行に移せるようにすることが大事です。

人材育成にはタレントマネジメントシステム「CYDAS」を活用しよう

社員のスキルや経験を効率的に管理し、人材育成を成功させたいと考えている方には、タレントマネジメントシステム「CYDAS」がおすすめです。CYDASなら、社員ごとの研修の進捗度合いも可視化することができます。

そのほか、異動履歴や資格など、社員のスキルや能力に関する情報を一元管理し、タイムライン形式で表示させることも可能です。効果的な人材育成の方法を模索している方は、ぜひ詳しい資料をご確認ください。

上司と部下の関係性の質を向上させるなら、「1on1 Talk」もおすすめです。

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