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2021.9.27

様々な効果と共に紹介!ペーパータワーの概要とその実施方法

企業で行われる研修には、さまざまなものがあります。その一つに、「ペーパータワー」と呼ばれる研修があることをご存じでしょうか。ペーパータワーとは、ビジネス研修の分野で特に注目を集めている研修方法です。人材育成に効果が期待できるといわれています。

そこで、本記事ではペーパータワーのやり方やその効果などについて紹介します。

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ペーパータワーとは?

企業が人材育成を行うための研修には、ゲーム性を取り入れたものがあり種類も多岐にわたります。ペーパータワーは、ゲームの要素を取り入れた人材育成研修の一つです。

ペーパータワー研修では、A4の用紙を30枚使用して紙のタワーを作っていきます。このとき、複数のチームでタワーの高さを競うのです。ゲームに勝つためには、チームのメンバーと協力することが欠かせません。アイデアを出し合い、工夫を凝らして役割分担を行って効率的にタワーを作っていくことが必要です。ルールはシンプルですが、チームの連携が勝敗を左右する奥の深い難しい面もあるゲームといえます。

ペーパータワーの研修においては、「チームビルディング」といわれる考え方が基本となっている点が特徴です。チームビルディングとは、チーム内のメンバーが協力し一丸となって目標の達成を目指すことをいいます。会社経営における組織作りと通じるところがあり、経営シミュレーションの要素も含んでいる研修です。

関連記事:チームビルディングの目的や方法とは?組織パフォーマンスの向上に繋げる

ペーパータワーの方法

ペーパータワー研修を行う際は、具体的な進め方を押さえておきましょう。

まず、複数のチームで競争するため、チーム編成が必要です。1チーム4~5人とするのが一般的です。チーム編成ができたら、各チームに30枚ずつA4用紙を配布します。配られた用紙については、切ったり折ったりしても問題ありません。しかし、「紙以外の材料を使用してタワーを作ってはいけない」というのがルールです。

ゲームの準備ができたら、まず作戦タイムをとります。時間は5分とし、メンバー全員で話し合う時間をとりましょう。この時間を利用して、どのようなタワーを作るのか、手順や役割の概要を決めていきます。作戦タイムで触れてもよい用紙は、「1枚に限る」ということもルールの一つです。

作戦タイムが終了したら、組み立てタイムのスタートになります。時間は、作戦タイムと同様に5分間です。組み立てタイムが終了したら、参加者はタワーに触れてはいけません。手を触れない状態で10秒数え、その後タワーの高さを計測し、最も高いタワーを作ったチームが勝ちとなるゲームです。

ゲームを一度終えたら、振り返りタイムを設定します。振り返りタイムでの反省などを生かし、再度同じようにゲームを行うことが、効果的な研修にするポイントです。「前回よりどのようにすれば高いタワーを作れるか」に関する改善点を踏まえたうえで、2回目のゲームに臨むことになります。

ペーパータワーによる研修の効果とは?

ペーパータワーによる研修を行う場合は、「どのような研修効果があるか」について詳しく知っておくことも大切です。ここでは、主な5つの研修効果について説明します。

コミュニケーション能力の向上

1つ目の効果は、研修中にチーム内で話し合うことによってコミュニケーション能力が向上することです。ゲームに勝つためには、制限時間内で的確にたくさんの情報を集めて作戦を決め、きっちりと役割分担まで決めて進めていくことが求められます。その際、必然的にコミュニケーションが図られることになるのです。勝つことは、なかなか難しいゲームですが、「紙でタワーを作る」というシンプルなゲームのため、内向的な人であっても会話に加わりやすい点が特徴といえるでしょう。

また、ゲームに勝つためには多くのアイデアを出し合うことも欠かせません。さまざまな考え方を持つメンバーが、それぞれに意見を出し合っていると、すばらしいアイデアが生まれることもあります。そういった瞬間を味わえるコミュニケーションの大切さも、研修を合わせて体験することが可能です。

チームワークの構築

2つ目の効果は、チームワークがよいチームを構築するためのコツを修得できることです。「ペーパータワーでより高いタワーを作る」という作業は、一人では行えません。そのため、チーム内のメンバーが効率的にそれぞれの力を発揮することが求められます。これは、ビジネスで成果を出すためには、組織内のメンバー全員が力を発揮するためのチームワークが必要になることと同じです。研修を通じて、参加したメンバーはチームワークの重要性と、どのようにしたらよりよいチーム構築ができるのかを学ぶことができるでしょう。

また、自分以外の意見に耳を傾けることの大切さを学ぶことにもつながります。チーム内のメンバーのなかには、自分の考え方とは異なる意見を持つ人もいるでしょう。時には、そういった異質な意見を取り入れる柔軟さも求められます。話し合いによってチームが勝利に結びつくことで、よいチームを構築する能力を学ぶことが可能です。

個々の能力の発見・発揮

3つ目の効果は、チーム内のメンバーそれぞれの能力が発揮されることです。各人の能力が発揮されれば、その能力を本人やメンバーが発見できることも効果的といえます。チーム内には、コミュニケーションをとることが得意な人だけではありません。この研修では、積極的にコミュニケーションをとることが苦手な内向的な人でもゲーム感覚できるため、発言しやすく能力も発揮しやすくなります。

また、チームで同じ目的に向かって進めていくため、コミュニケーションに苦労している人に対して外交的な人が意見を促すなどのサポートが自然に生まれるようになることも、研修効果の一つです。自然な形でコミュニケーションが進むことにより、お互いの能力が十分発揮され相乗効果が生まれることが期待できるでしょう。

目標達成への意識の向上

4つ目の効果は、ペーパータワーの高さを競うことを通じて、目標達成への意識が向上することです。「ほかのチームよりもいかに高いタワーを作るか」というシンプルな目標に向かってチームで取り組むことが、意識を集中しやすい環境を作ります。目標達成に集中することにより、各メンバーの意識の向上に役立つのです。ペーパータワーの研修のポイントは、ルールや目標がわかりやすいこと。ゲームルールの理解に時間をとられることなく、意識を集中できる環境を作れることは、研修を行う側としてよく理解しておく必要があるでしょう。

PDCAサイクルの重要性を学ぶ

5つ目の効果は、PDCAサイクルの重要性に気付けることです。「計画」「実行」「評価」「改善」「行動」を繰り返すPDCAサイクルは、ビジネスに欠かせないプロセスとなります。研修を通じて、PDCAを修得できれば研修は大成功です。ただし、お互いのことをよく理解していないメンバー同士のチームでは、それぞれの性格やスキルを踏まえて効率的にコミュニケーションをとることが難しくなります。そのため、自分の意見だけを押し通すのではなく、お互いの意見を尊重する姿勢が重要です。

このときに、PDCAサイクルに沿って話を進めることで役立てることができます。話し合いを進めていく道筋として、PDCAサイクルを利用することができれば、有効なコミュニケーションが図りやすくなり、結果として個々の成長につながることが期待できるでしょう。

関連記事:PDCAサイクルとは?メリットや古いと言われる理由・効果的に回す方法など徹底解説

社員の総合的な人材育成に!

ペーパータワーの概要と効果については、十分理解できたでしょうか。ペーパータワー研修の特徴は、コミュニケーション能力の向上や、チーム構築スキルの上達など社員のさまざまな能力向上につながることです。準備するものは、紙や文房具などで簡単に用意できます。チームワークを養いたい場合は、ペーパータワー研修をプログラムに組み込んで、実行してみるとよいでしょう。

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