データ活用から始める「ウェルビーイング」な組織づくり
株式会社ラフールは、2011年に代表取締役の結木啓太氏によって創業された、メンタルデータテック®︎会社です。心身の健康状態や、様々な組織の課題・非財務情報をデータで可視化するラフールサーベイをはじめ、そこで視えた課題に対するコンサルティングを行い、ウェルビーイング経営の支援を行なっています。
働きがいを考えるサイダスと共通項が多い株式会社ラフールの執行役員 人事責任者・宮内氏に、お話を伺いました。
資料の管理が煩雑で、評価運用の工数が多かった
ーこれまで抱えていた人事課題について教えてください。
宮内氏:
これまでの課題は、大きく分けて2つあります。
1つ目が、資料管理の煩雑さ。これまでは、社内資料も含めてすべてGoogleスプレッドシートとGoogleドライブで運用していました。ただ、全社共有のGoogleドライブが多岐に渡っているせいで「あの資料はどこにあるんだっけ」とか「この資料は最新なのか?」という事態が多発して、その都度Slackで聞くような環境でした。
2つ目が、評価運用の工数が増えていたことです。弊社ではMBO(目標管理)方式に少しOKR要素を加えた評価システムを採用しています。まず全社目標があって、それを達成するためのチーム目標、チーム目標を達成するための個人目標という3つの項目での評価が基本なのですが、冒頭の全社目標もビジネスサイド、テックサイド、バックオフィスで分けているんですよね。それらをすべてGoogleスプレッドシートで管理していたので、細かい権限設定がとにかく大変で。毎回設定する手間もそうですし、個人の評価に関わるデータだからこそ、絶対に間違えてはいけないというプレッシャーもありました。
属人化しない人事業務への第一歩
ー評価運用の効率化や資料の煩雑さ解消のために、システム導入を検討されたんですね。実際、使われてからの変化はいかがでしょうか?
宮内氏:
今までの評価シートはGoogleスプレッドシートで関数を組んでいたので、数字が合わなくなっているなどの声があったのですが、導入してからはそういった問い合わせがなくなりました。評価の対応への工数が削減された実感は、とてもあります。総務労務チームと連携はしてはいるものの、今現在いわゆる人事は私一人。評価時期の負担は、システム導入によってかなり減りました。
また、どこに何の資料があるかが明確になったという声も、社員からよく聞きます。CYDASには会社からの重要なお知らせを一覧で確認することができる公式チャンネル機能がありますよね。公式チャンネルに、就業規則や施設の使い方、人事の重要資料など、最新情報がわからなくなりがちな資料を格納して、知りたいことがあるときはそこを見にいくというルールを作っています。Googleドライブを利用していた時は、似たような就業規則のファイルが複数あって、どれが最新なのかわからないという事態が発生していたのですが、今はチャンネルを見れば最新のものがあるので楽になりました。
ー業務が属人化しやすいスタートアップやベンチャーだからこそ、社内の情報整備や、システムを使った効率化は必須ですね。
宮内氏:
まさにそうですね。私は今、人事責任者と保育園事業責任者も兼任しているのですが、その上で人事制度の運用も…となると手が回らないこともあります。人事業務を属人化させないためにも、今後、CYDASの活用や毎期の評価制度の運用業務は、総務労務チームへ任せていこうとしています。
弊社の総務労務チームは、情報システム部の役割も担っていて、セキュリティや権限周りの管理まで任せられるチームなんです。その点で、システム運用は適任だと思いますし、既に「この機能を使って運用していきませんか?」という提案も上がるほど、前向きに取り組んでくれています。私一人で続けるよりも、システム目線の意見を取り入れながら運用していった方が、よりCYDASを使いこなすことができると思います。
公式チャンネルを見れば会社のことがわかる
ーより具体的な活用方法について、お話しいただけますか?
宮内氏:
先ほど、最新情報がわからなくなりがちな資料をCYDASの公式チャンネルに集約させることで、資料を探す時間や資料に関する問い合わせが減ったというお話をしました。
このチャンネル機能は、今後さらに活用していきたいと考えています。社内マニュアルなどを作成し貼っていくことで、「入社してチャンネルを見れば、会社のことが一通り理解できる」といったように、オンボーディングの面で有効に活用できると思います。
ーいつ見ても確実な情報がある場所として、独自の使い方を模索されているんですね。オンボーディングにおいて、今後さらに活用していきたい部分はありますか?
宮内氏:
他の社員の顔写真やプロフィールを見て、どの人がどういうキャラクターなのかを、一目で理解できる環境づくりはしていきたいです。
弊社はリモートワークをしている社員が多いので、顔と名前を一致させることが少し難しいんです。それこそ、出社して初めて顔を合わせる社員もいるくらい。そのため、他の社員のことを簡単に知ることができる環境を作り、オンボーディングにもつなげていきたいと考えています。
コンディションと仕事との相関関係から、最適な人事施策を
ー「働きがい」を目指すサイダスと「ウェルビーイング」を目指すラフールは、共通点が多いですよね。ラフールサーベイのエンゲージメントデータとCYDASの人事データを掛け合わせる可能性について、どう考えていますか?
宮内氏:
社員のコンディションは日々変わっていきます。その変化するコンディションの要因はどこにあるのかを、人事労務データとの掛け合わせで分析していきたいです。社員のコンディションがよくない時に、要因は残業時間にあるのか、業務内容があっていないのか、上司との関係性がよくないのか、どこがボトルネックかを明らかにできると、とてもいいですよね。
ーコンディションの良し悪しと仕事との相関関係が人事に反映できると、ウェルビーイングな会社づくりが実現できそうですね。
宮内氏:
コンディションが上下する原因は人それぞれです。例えば、たくさんの人とコミュニケーションを積極的に取りながら働きたい人、在宅で働く方が作業効率が上がる人、朝早めに入って夜は家族の時間を大切にしたい人など、仕事に対する価値観や働きやすいと感じる環境は人によって違うものです。だからこそ、全員に同じ人事施策を打つことが、必ずしも良い結果につながるとは限りません。コンディションの揺らぎから人事労務まで、データから現状を把握し、よりウェルビーイングな組織が実現できたらいいなと思っています。
ウェルビーイングな会社づくりのために
ー組織づくりの可能性についてお聞きしましたが、宮内さんご自身は人事としてどのような会社にしていきたいと思っていらっしゃいますか?
宮内氏:
一言で言うと、ウェルビーイングな会社にしていきたいと考えています。私たち自身がウェルビーイングを発信する側にならないといけないという想いも強いですし、社員には弊社で働くことに対して後悔してほしくないと思っています。そのために、社員が目指しているキャリアやライフスタイルに対して真摯に向き合って応えられる組織にしたいとは、代表の結木とも話していますし、CYDASを活用して、そういった会社づくりをしていきたいです。