戦略的な人事を目指すには「人材情報データの集約」が必要だった

戦略的な人事を目指すには「人材情報データの集約」が必要だった

株式会社ワンゴジュウゴは、「DIGITAL FORCE UNITED」というブランドメッセージを掲げてWebサイト企画制作およびサイト運営支援サービスをメインの事業とし、近年ではWebサイト運営スタッフの常駐サービスでも実績をあげています。本社(東京)のほかに大阪と仙台にも拠点を持ち、社員数は157名(2019年12月末時点)、そのうち1/3強の約60名が顧客常駐という形で就業中とのことです。

1995年に有限会社としてスタートし1999年には株式会社に改組、創業以来25年にわたって順調に業績を伸ばされています。創業の地から数回の移転・増床を経て現在の東京本社の所在地は紀尾井町。スタイリッシュなエントランスやリゾート名がつけられた各ミーティングルームなど、こだわりを感じる本社オフィスで、サイダスの導入を決定された経緯などを伺いました。

※インタビューの内容は取材当時のものになります。

[toc]

ー最初に非常に印象的な会社名(ワンゴジュウゴ)の由来についてお聞かせいただけますか?多分、この話題は必ず聞かれることだと思うのですが。

今氏:はい、毎年の会社説明会でも必ず説明していることです。会社名は「ワン」と「ゴジュウゴ」に意味合いとして分かれています。名刺を見ていただければ、アドレスがwan55になっていることに気づかれると思います。

wanはこの会社の創業当時IT業界で話題になっていたWAN(Wide Area Network)から着想して、幅広い領域でネットワークを活用したビジネスをしたい、ということ。55は代表(創業者)が1955年生まれだから、と聞いています。

株式会社ワンゴジュウゴ 管理部 人事採用担当 今 香菜氏


会社がかかえていた課題ーシステム導入の動機

ー今回、サイダス製品の導入を決めていただいていますが、そのきっかけになった御社の課題は何だったのでしょうか?

榎本氏:
おおきく分けて3つの課題をかかえていました。

ひとつめの課題は、会社の人材に関する基礎データをすぐに分析できないことでした。

例えば、『平均年齢』『男女比』『職種別の社員数』『離職率』などです。社員数が50名前後の時は都度、集計してもさほど時間がかかりませんでしたが、150名を超えてくると、非常に労力がかかるようになりました。

50名前後の頃に比べて、経営の方向を決める上で分析を必要とする機会自体も増えました。例えば中期計画を考える場面で会社の「人材」に関する情報が知りたいと思っても、様々な情報が紙やExcelのデータでバラバラに存在している。人員構成一つをとっても、色々なファイルからデータを取り出して計算してそれを元に作表して、と手間と時間がかかっていました。社員の情報を取り出す機会が増えるようになり、離職率や平均勤続年数といった基本的なデータがすぐにわからないことに困っていました。

二つ目の課題は、社員一人ひとりのプロフィールも、紙の履歴書を引っ張り出さないと分からないことでした。

例えば、採用活動のシーンでは、ある専門学校に新卒採用のアプローチをかけに行った後で、「あ、そういえば〇〇さんがあの学校の卒業生だった。事前にわかっていれば卒業生がいることを売り込めたのに」と後悔する事もありました。プロフィールのデータベース化の必要性を感じていました。

株式会社ワンゴジュウゴ 取締役 榎本 浩一氏

今氏:
私は2年半ほど前に入社しています。その時から、会社が取り組まなければいけない施策のための基礎データが「一か所にない」ことにストレスを感じていました。

情報はあるのだけれどまとまっていないし、紙の履歴書だったりExcelのデータだったり。データになっていても年次ごとにフォーマットが異なっていたり、情報が偏っていたり、とにかく統一されていなかったのです。

何かの情報を探していて、それはExcelを見ればわかるだろうと思っても、どのExcelを見れば良いのかわからない。紙のファイルは「人」別ではなく「イベント(異動履歴、研修履歴、研修レポートなど)」別になっていたりするので、特定の社員の複数の情報を知りたいと思うと、机の上がファイルだらけになってしまっていました。

また、新卒採用の会社説明会で専門学校などに行くと、必ず「卒業生はいますか」「平均の勤続年数は何年ぐらいですか」「男女比はどうなっていますか」「どんな職種についていますか」など、かなり細かい質問をされるのですが、それに明確に即答できない状況でした。だいたいX割ぐらいです、およそX年ぐらいというような曖昧な答えしかできませんでした。

榎本氏:
もう一つの課題は、目標管理制度の運用に労力がかかっていることです。

約10年前から目標管理制度を実施していますが、Excelによる管理だったため、目標設定の時期や、評価の時期になると評価者と被評価者との間で、Excelが何度もメールで飛び交い、非常に時間がかかっていました。過去の目標や成果との対比をする時も、過去のExcelを探しだして見比べて、という状況でした。

今氏:
当社では、定期的に面談をしていますが、上司と部下との面談の中で何が話されたか、といった内容までは把握する仕組みがなかったので、上司は知っているが会社には共有されにくい情報がある、という状態になっていました。

例えば「来期はこんなチャレンジをしようと話し合った」とか「こんな資格を取りたいと言っていた」というような情報です。それ以外にも担当しているプロジェクトの話や将来の展望などというような、個人の強みやこの先のキャリアへの志向など、会社が戦略的な人材活用を考える上で必要な情報がスムーズに共有できない環境になっていました。

そんな状況でしたので人事として「やりたいこと」があるのに、それ以前の基礎データ集めが仕事になっている、やりたいことの下準備に時間がかかっている今の状態を変えたいと思い人材管理システムを探し始めました。数社のシステムを比較検討した結果、先ほど挙げた課題を全てクリアしているのがサイダスでした。人材の情報を管理、分析できる『Profile Manager』の画面を見た時に、非常に優れたUIだと感じ、是非、使ってみたい、と思いました。また、他社のシステムにはない、目標管理を運用できる『MBO Cloud』の機能も非常に魅力的でした。


今後への展望と期待

ー御社では今まさにシステムが稼働し始めたところですが、今後の展望や期待をお聞かせいただけますか?

榎本氏:
今後、会社がさらに成長していくためには、会社の動きや問題を捉え、人事面において、今以上に施策を立案、実行していかなければなりません。そのために、『Profile Manager』と『MBO Cloud』を最大限活用して、タレントマネジメントや戦略人事に活かしたいと思います。

今までお話ししてきたようにデータ集めには時間をかけずに『Profile Manager』から社員の様々な情報を引き出して中長期経営計画、それに伴う人事計画、採用計画のために使いたいです。企業の成長には段階があって、成長の時代もあれば踊り場の時代もあります。加速度的にステップアップするには社員の力を最大限に活用することが必須です。誰がどんなスキルや経験値を持っているかなどがわかるようになれば、適材適所の人員配置や新しい企画立案などで売上を伸ばすことも可能だと思います。また目標管理制度は『MBO Cloud』を利用すればExcelをひっくり返さなくて済むようになるので、管理やオペレーションに労力を取られるのではなく、本来の目的である社員の成長や自己実現のため、会社の成長のために集中していきたいです。

今氏:
私も榎本と同じように、システムの力を借りてこれを機に「人の頭の中にしかない情報」もデータ化して、一元管理したいと思います。それらのデータを元にしたアプローチのできる人事に変わりたいと思っています。データを充実させることで、例えば育成計画やメンターの選任などをもっと科学的にできれば、社員の活躍にも繋げられると思います。

サイダスの機能の一つであるStreamは「社内ポータル」として活用したいと考えています。最近はリモートワークの機会も増えて情報共有の場が少なくなりがちなので、大事なことはStreamで共有していつでも閲覧可能にしておけば、知らない、聞いていないを減らせると思います。チャット的な使い方で質問もできるので、人事に聞きたいことがあった時にその場で聞いてもらえれば、現場と人事の距離も近くなると思います。

また、中途採用で入社する人も多いので、社内に知らない人が増えていると感じる社員がいるかもしれません。クライアントに常駐していて本社では会えない人もいますし。そんな課題もStreamに入社時に自己紹介を記載してもらい、今いる社員も自己紹介を載せて情報を共有することで解決できそうです。自己紹介を通じて同じ趣味を持つ人や、同じ学校の卒業生などの部署や業務を超えたネットワークが広がれば良いと思います。

今氏:
データの分析にも興味があるので、色々分析をしてみたいです。そのために今データを集めてシステムに投入するという作業をしているところです。採用、人員配置(異動)、育成など様々な計画には必ず「情報(データ)」が必要です。もちろん会社の中長期経営計画にも「人」に関する計画は含まれます。

今後はきちんとしたデータとその分析結果に基づいた人事が必要だと思います。今まではそれよりも「データ集めやデータ整理」、評価の時期などには「評価関連のアドミ業務」などに手を取られてしまっていました。

データを集める、チェックする、計算をするといった「作業」的なものはシステムに任せてもう少し戦略的な人事の業務に集中したいと思っています。

導入決定から導入作業段階へのサポート体制も安心

ー御社ではサイダスのシステムが稼働しはじめた状態ですが、導入時と稼働後のサポート体制はいかがですか?

今氏:
導入時の初期データも含めてデータ登録は総務の女性二人が担当するのですが、使い方や入力方法などの問い合わせが電話でできるのが嬉しい、と言っていました。今はメールやチャットでサポートをする会社が多いのですが、やはり電話で話ができるのはありがたいようです。

また、導入が決まるまでは熱心でも導入が決定すると対応が少し冷たくなる会社が多い中、サイダスの方はきちんと対応してくださいます。またこちらの話しを丁寧に聞いてくださって、システムを押し付けるようなところがなかったのも、導入を決定したきっかけになりました。当社の抱えている課題の解決を親身になって考えてくださった、という感じでした。

最後に、サイダスに何かご要望、ご質問はありますか?

榎本氏:
サイダスでは今後も新しい機能を追加される計画だと聞いているのですが、どんな機能が増えるのでしょうか?

ー既にご導入いただいたシステムからさらに機能拡充した「CYDAS PEOPLE」を最近リリースしました。例えば異動のシミュレーションや組織図の改編・発令業務、またプラスオンで使える機能として、上司と部下との1on1をサポートする「1on1 Talk」などを追加していきます。他社のアプリケーションとの連携性も高めていく予定です。
今後もシステムができることは我々にお任せいただいて、人事の方に「データを元にした戦略的な人事」に取り組んでいただけるようにサポートしていきたいと思っています。

今日は様々なお話をありがとうございました。

戦略的な人事を目指すには「人材情報データの集約」が必要だった
株式会社ワンゴジュウゴ
創立:1995年1月18日
社員数:157名
資本金:1,000万円
事業内容:WEBサイト企画制作およびサイト運用支援サービス
ウェブサイト:https://www.wan55.co.jp/
導入規模:101〜300名
利用開始:2020年4月
  • Web・メディア
  • 100〜499名規模
  • 評価・目標管理

業種別のよくある導入目的

  • 金融業

    データの一元化/属人化しない配置/育成・キャリア開発/厳しいセキュリティへの対応

  • 製造業・メーカー

    多拠点・多事業所のデータの一元化/研修状況・資格の見える化/管理職の適材適所

  • 建設業

    スキル・資格とプロジェクトのマッチング/1on1で現場育成/成果の見える化

  • 小売・サービス業

    データの一元化/最適配置/リーダー育成/キャリアパス明確化/エンゲージメント向上

  • 士業

    スキル・資格・業務内容・成果の見える化/納得感のある評価/従業員満足度向上

  • 介護・福祉

    人材の定着化/戦力の早期育成/安心感のあるコミュニケーション/働きがいの創出

トップ