給与計算からタレントマネジメントまで、ワンプラットフォームで実現する
電子部品開発事業をはじめとして、急速に規模を拡大している進工業株式会社様。評価制度のシステム化と同時に、勤怠データの経営戦略活用も見据え、サイダスとOBC勤怠奉行シリーズを連携し導入しました。
今回は、システム導入以前に抱えていた製造業ならではの課題や、現在推し進めている新たなデータ活用の取り組みについて、お話を伺いました。
やるべきことに時間を使うために、データが引き出しやすい環境を作りたい
ーシステム導入のきっかけについて教えてください。
私たちの会社では目標管理制度を導入しています。これまでの評価は全てExcelベース。社員の数だけExcelファイルを作っていました。とはいえ、工場で働く社員だと一人1台PCを持っているとも限らないですし、評価時期には動作の重いExcelファイルのせいでPCの前に列ができることも。工数削減のためのシステム導入は急務でした。
しかし、こういった人事システムは、増やせば増やすほどデータの管理が煩雑になってしまうものです。人材データは会社にとって重要な資源だからこそ、二重で入力が必要になったり、各システム間で情報に齟齬が出ることは避けたいと思っていました。
ーシステム導入以前は、人材データをどのように管理されていましたか?
メンバーの氏名・部署・役職・勤続年数といった基本的な人材データの管理は、給与計算のシステムを兼用していました。とはいえ、あくまで給与計算のためのシステムなので「特定の人材データを見たい!」といった場面では、非常に不便でした。例えば、営業部は何人で技術部は何人といった部署ごとの人員構成比を出したい時、サイダスであればボタンをクリックするだけでパッと見やすく表示されますよね。以前のシステムだと、データを吐き出して加工する等、面倒な手順を踏む必要がありました。そもそも人員構成や平均年齢といった人材に関するデータを出すこと自体が重要なわけではありません。人事が本当にやるべきなのは、その数値をもとにして、新しい人事施策の立案をしたり、経営層が意思決定するためのインサイトを提供することのはずです。
サイダスなら、人材管理と評価、勤怠までを一気通貫して実現できる
先に述べた評価時期の煩雑さ解消に加えて、人事がやるべきことに注力するための情報基盤を整えたいと考え、あらゆる人材データが一元管理できるシステムを探し始めました。サイダスはOBCの奉行シリーズと連携しているので、人材管理と評価、勤怠までを一気通貫して実現することができます。他社比較もしましたが、そこは大きな決め手となりました。
また、評価機能単体で見ても、サイダスの柔軟性は魅力的でした。
当社の評価制度は少し複雑で、年に2回の評価と昇給があります。まず年に2回の昇給という時点でシステムが絞られてきますし、中間レビューや給与計算との連携というところまで考えると他社の標準フォーマットで、そのままシステム化することは難しかったんです。
とはいえ、長年運用してきた制度をシステム合わせで変更することもできませんでした。
サイダスさんは、営業の段階から弊社の評価制度をヒアリングした上で、課題に対する適切な解決策を提案してくれました。
一人1台PCがない環境でも、システムがあるからスムーズに
ーシステム導入後の変化を教えてください。
システム導入のきっかけとなった評価工数削減と人材データの一元化・可視化は達成でき、人事が本当にやるべき業務に注力できるようになりました。
現場の入力作業だけ考えれば、Excelでなんとかなる部分もあるんです。でも、現場から提出されたExcelに正しいデータが入っているかを確認する作業や修正する作業、提出が遅れている人に対して催促する作業、結果を集計する作業…と、作業はたくさんあります。システムがないと、そういった雑務に追われてしまって、人事のやるべきことに手をつけることができないんです。
また、今回のシステム導入で基盤が整ったことで、今後評価制度を見直したりフォーマットを変更する際にも、Excelで管理していた頃よりスムーズに実施できると思います。
ー現場メンバーからの反響はいかがでしたか?
全社員、評価制度は共通しているので、期初には目標を提出する必要があります。しかし、工場のライン工として働く社員の場合、自分のPCを持っていないこともあります。共有パソコンを使うとなると、じっくり時間をかけて目標を入力するというわけにもいきません。
今回のシステム導入によって入力や更新の操作がスムーズになり、一人あたりの入力時間が短縮されたことで、現場メンバーからも「便利になった」という声をもらっています。
社員一人ひとりの行動データを、施策立案から経営判断にまで活用したい
ーこれからシステムで実現したいことを教えてください。
勤怠データをはじめとした日々蓄積されていく人材データを、人事施策の立案や経営層の意思決定に活用していきたいです。勤怠データは、給与の支払いのためだけに使うならただのデータですが、毎日変化する動的データだからこその活用方法があると思います。
各チームのリーダーであれば、「この作業工程の人たちは残業多めだから一人増やしたほうがいい、増やすならこんなスキルをもった人がいい」だとか「ここは人が余っているから、配置転換をしても大丈夫なはずだ」といった風に、システムがなくとも具体的な現場の状況が見えていると思います。しかし、人事や経営層はより俯瞰して組織を把握し、意思決定していく必要があり、それにはシステム活用が必須です。といっても、活用の目的に合わせてデータの種類や見え方を考えないと、実際のアクションにはつながりません。
例えば、製造業において、工場の生産ラインの平均残業時間は活用しづらい指標です。季節性のものや納期との兼ね合いで、ラインに流れる製品の数が決まり、それによって労働時間も変動するからです。一人ひとりの平均残業時間を見るよりも、より俯瞰した視点から生産ラインの業務を平準化させていく必要があります。その検討のために、どんなデータが利用できて、どんな組み合わせで、どういう見え方をするべきなのか。今まさに、サイダスを使って検討しています。
システム導入を機に、情報収集の時間が効率化できるようになったからこそ、データをどのように活用していくか、考えることができています。今後も、経営戦略にフィットしたデータの提示や、新しい人事施策の立案など、人事としてやるべきことをデータドリブンに推し進めていきたいです。